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0章 プロローグ
女神とスキル②
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『さて、トキトウさん。少し真面目な話に入らせて頂いても?』
「あ、はい。大丈夫です。すみません。」
(え?全然ふざけてるつもりは無かったんだけど…いきなり異世界転生モノーとかまずかったかな…)
『ここは【狭間の楽園】と呼ばれる場所です。
我らが住む天界から繋がっており、世界と世界を繋ぎ、管理するための場所となっております。』
「はぁ…。狭間の楽園ですか。」
『はい。そうです。
…貴方に分かりやすく言えば二つの世界を管理するための管理事務所みたいな物です。』
「分かりやすい例えです。ありがとうございます。」
(管理事務所ね。俺の仕事まで知ってそうだな、これは。)
『本来であればここには管理者となる我々以外に立ち入る事はありません。今回のこのケースは大変イレギュラーな事態であると言えます。』
「はぁ。そうなんですか。なんか…申し訳ありません。」
『いえ…別に怒ってる訳ではありません。ただ、どのようにしてこの場所にいらっしゃったのですか?それだけ教えて頂きたいです。』
「はい。といっても私はただ道端に空いていた穴をマンホールか何かなのかなと思って覗き込んだだけでして…
次の瞬間にはその穴に吸い込まれて、気付けばここに来ておりました。
もっとも、多少酔っていたこともありただ足を踏み外しただけなのかもしれませんが…」
改めて言葉にしてみると我ながら滑稽なことを言っているなとは思う。
ただ、事実ではあるのでそのまま伝えざるを得ない。
そんなに酔ってなかったとは思うけど…
『穴ですか?道端に?
その穴に吸い込まれたらここにいたと?』
「はい…。」
(え…やっぱりなんか怒ってます?俺なにかやらかしましたか?)
『事実ですか?』
「ま、紛うことなき事実で御座います。」
『…ありがとうございます。』
そういうとルミエールはくるりと後ろを振り返った。
『クロノエル!…クロノエル!!
……クー!ロー!ノー!エーーーール!!!』
後ろ向きのため表情は伺えないが、明らかにブチギレ…もとい、お怒りの声で叫んでいる。
(あぁ…昔、夏休みの最終日に宿題を引っ張り出してきた時の般若のような母の顔を思い出すなぁ…。)
『はい!はい!クロノエルで御座います!
姉様!何かまたお怒りを買いましたでしょうか…』
奥の方からこれもまた美少女が声をあげながら、4枚の羽を羽ばたかせてこちらに飛んできている。
顔は既に半べそ状態。
あぁ…なんとなく既視感がある。
きっとこれからたっぷりとお叱りを受けるんだろうな…
ありし夏の日の、小さな俺のように…
「あ、はい。大丈夫です。すみません。」
(え?全然ふざけてるつもりは無かったんだけど…いきなり異世界転生モノーとかまずかったかな…)
『ここは【狭間の楽園】と呼ばれる場所です。
我らが住む天界から繋がっており、世界と世界を繋ぎ、管理するための場所となっております。』
「はぁ…。狭間の楽園ですか。」
『はい。そうです。
…貴方に分かりやすく言えば二つの世界を管理するための管理事務所みたいな物です。』
「分かりやすい例えです。ありがとうございます。」
(管理事務所ね。俺の仕事まで知ってそうだな、これは。)
『本来であればここには管理者となる我々以外に立ち入る事はありません。今回のこのケースは大変イレギュラーな事態であると言えます。』
「はぁ。そうなんですか。なんか…申し訳ありません。」
『いえ…別に怒ってる訳ではありません。ただ、どのようにしてこの場所にいらっしゃったのですか?それだけ教えて頂きたいです。』
「はい。といっても私はただ道端に空いていた穴をマンホールか何かなのかなと思って覗き込んだだけでして…
次の瞬間にはその穴に吸い込まれて、気付けばここに来ておりました。
もっとも、多少酔っていたこともありただ足を踏み外しただけなのかもしれませんが…」
改めて言葉にしてみると我ながら滑稽なことを言っているなとは思う。
ただ、事実ではあるのでそのまま伝えざるを得ない。
そんなに酔ってなかったとは思うけど…
『穴ですか?道端に?
その穴に吸い込まれたらここにいたと?』
「はい…。」
(え…やっぱりなんか怒ってます?俺なにかやらかしましたか?)
『事実ですか?』
「ま、紛うことなき事実で御座います。」
『…ありがとうございます。』
そういうとルミエールはくるりと後ろを振り返った。
『クロノエル!…クロノエル!!
……クー!ロー!ノー!エーーーール!!!』
後ろ向きのため表情は伺えないが、明らかにブチギレ…もとい、お怒りの声で叫んでいる。
(あぁ…昔、夏休みの最終日に宿題を引っ張り出してきた時の般若のような母の顔を思い出すなぁ…。)
『はい!はい!クロノエルで御座います!
姉様!何かまたお怒りを買いましたでしょうか…』
奥の方からこれもまた美少女が声をあげながら、4枚の羽を羽ばたかせてこちらに飛んできている。
顔は既に半べそ状態。
あぁ…なんとなく既視感がある。
きっとこれからたっぷりとお叱りを受けるんだろうな…
ありし夏の日の、小さな俺のように…
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