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いんこちゃんは、尻が痛い。
しおりを挟む私の名前はえり子。
私には、少々変わった親友がいる。
「ねぇ、えり子~!!! もう最悪だよ・・・お尻が痛くて、今日の授業は全然集中出来なかったよ・・・」
彼女の名前は、いんこ。
顔は可愛いが、下ネタが大好きという残念な美少女である。
「ちょっと待って、えり子ちゃん。今絶対、失礼な事考えてたでしょ!?
私の事、下ネタ好きの変態とか思ったでしょ!?
違うの! 冗談じゃなくて、本当にお尻・・・正確には尾てい骨の辺りが痛いの!
落ち着いて座ってる事も出来ないんだから・・・」
いんこはもぞもぞと脚を動かし、座布団の上で何度も座り方を変えている。
どうやら、お尻が痛くならない座り方を探しているらしい。
いんこが座り直す度に、彼女のスカートの隙間から、ちらちらとピンクの縞パンが見えるのだが・・・
どうせここはいんこの部屋だ。
私以外の誰かに見られる事はないし、黙っておこう。
にしても、ピンクの縞パンとカワイイもん穿いてるなコイツは。
「それで、いんこ。アンタ昨日はお尻にどんなヤバイ物をブチ込んだのよ?」
「ちょっと! 誤解だってば! 私そんな趣味ないもん!」
「あら? そうだったの? ごめん、アンタいっつもちんちんとかおっぱいとか言ってる変態だから、
てっきりそういう趣味もあるのかと思ってたわ」
「変態じゃないもん!!!」
「そういえばさ。私、親戚にすごい可愛い男の子がいるんだよね?
それでこないだ、その子のちんこを写メで撮ったんだけど、見たい?」
「見る見る見る! ちんこ見たい! 私、ちんちん見たいです!
何歳くらいですか? 精通はしていますか!?」
いんこが涎を垂らしながら、四つん這いでこっちへ向かい這ってきた。
どうしよう。めちゃくちゃ怖い。
これでホラー系のパニック映画が一本撮れそうなくらい怖い。
「やっぱり変態じゃん・・・」
変態というか、最早、魔物か妖怪の類かもしれない。
「へ・・・変態じゃないもん・・・」
さっきよりも明らかに声のトーンが低い、いんこちゃんである。
どうやらこんなんでも自覚はあるらしい。
「それと、今の男の子のちんこの写メの話は全部嘘よ」
「え? 酷いよ、えり子ちゃん・・・。
世の中には付いていい嘘と、悪い嘘があるんだよ・・・・。
酷過ぎて人間の所業とは思えないよ・・・」
変態にここまでボロクソ言われてしまった私は、今後どんな顔をして生きていけばいいのだろうか。
「それで、お尻はどうなったの? まだ痛いの?」
「あー。なんか、座るから痛いみたい。だから今みたいにお尻が浮いてれば、平気っぽい」
「じゃあ、そのまま四つん這いでいれば良いんじゃないの?」
「・・・なるほど」
冗談で言ったのだけど、いんこはその方法が気に入ったらしく、四つん這いになって部屋を歩き始めた。
この子、本気で大丈夫だろうか。
将来、悪い男に騙されないだろうか。
いや、その前に彼氏が出来るのだろうか。
それと、後から見るとまたパンツが見えてるのだが。
まぁ、見た目は可愛いし、部屋にいたらこれだけパンツ見れちゃうし、
その内彼氏が出来て、そしたら四つん這いにされて色々される事だろう。
「うーん・・・」
・・・それはそれで、なんか納得がいかない。
何故かしら?
「ねぇ、えり子ちゃん?」
突然、いんこが深刻そうな顔で、そう訪ねる。
「どうしたの?」
「・・・この態勢、疲れた」
そりゃそうだ。
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