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第二章 王国革命からの害虫貴族駆除編
140.我が息子デルフリよ。この度の責任をどう取るつもりだ? ※ クズ5度目のざまぁ回(その3)
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「さて、我が息子デルフリよ。この度の責任をどう取るつもりだ?」
「責任とは……?」
「いろいろだな。数をあげればキリないので、今は敗戦の責についてだけ聞こう」
「敗戦とは何のことでしょうか?戦争は王国軍の勝利で」
「何寝ぼけた事を言っておる。戦争は王国軍の完敗だ」
「そんな馬鹿な!!戦争は確かに俺達の勝利で終わったはずです!!!」
あまりにも堂々な発言。何も知らない第三者からすればこの迫力でつい信じてしまうだろう事は見て取れる。
過去にも本来なら『白』の案件をこのクズが無理やり『黒』と言い切った事で『黒』にされてしまった事例は事欠かない。
だからこそのクズの自信満々な態度であるも、今回ばかりは虚偽を許さなかった。
「では戦争の調停役を担ってくれた教会に聞こう。この度の戦争の勝者はどちらであるか?」
「トビアス国王陛下。戦争はゼーゼマン公爵家の勝利でございます。これは神に誓って嘘偽りないと宣言しましょう」
「教会はこう申してるが、反論あるか?」
「嘘だ!!出鱈目だ!!戦争は王国軍の勝利だ!!!」
「そう信じるのは勝手であるが、皆は全く信じておらんぞ」
「なんだと!!?」
慌てて周囲を見渡すクズだが、そこに思い描いていたような称賛される光景はない。
あるのは……
「この疫病神が!!」
「王国をめちゃくちゃにしやがって!!」
「何が有能だ!!蓋を開ければとんでもない無能じゃないか!!!」
「しかも、負けすら認めないなんて最低だぞ!!」
「せめて責任取りやがれ!!」
クズをののしる罵声と嫌悪感を隠そうともしない視線だ。
予想外の事態にさすがのクズも動揺する。
「ど、どういうことだ!?何が起きたというのだ」
「何が起きた……か。それは今までお前が行って来たクズの所業を余すことなく公表したからだ」
「だったらなぜこんな罵倒が……はっ、まさかこれもアーデルの仕業」
「仕業ではあるけど、公表したのは全て事実のみ。元王太子様みたくある事ない事をでっち上げてはおりませんわ」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
完全な自業自得なのに、相変わらずアーデルが全ての元凶と思い込んでいるクズ。
血走った目でアーデルめがけて殴りかかるも、その拳は届かなかった。
届くより先に、その血走った目へと吸い込まれるかのごとく一本のナイフが飛来。
そして……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
絶叫が上がる。
クズはたまらず顔面を抑えて地面をのたうちまわった。
その衝撃で突き刺さっていたナイフが転がり落ちる。
右の眼球ごと……
その様にアーデルは淡々とつぶやく。
「メイは相変わらず過激ねぇ」
「過激も何も、あんな曇りきった目なんて必要ないでしょう。むしろ、一つだけに留めた私の優しさに感謝してほしいぐらいですわ」
だからといって目にナイフを躊躇なく突き立てるなんてどうかと思うも、クズの今までの所業が所業なだけにメイの制裁に関して批難の声はない。
逆に言えば肯定の声もないわけだが、二つ合わさる事で周囲が静かになるという副次効果が生まれるので好都合というものだろう。
最後に残った騒ぎの元凶であるクズをいつまでものたうちまわらせるわけにはいかないので、トビアスは近衛兵に取り押さるよう命じる。
「き、貴様等!!何をしてる!!処刑しろ!!!王太子たる俺を傷つけた反逆者を!!!」
「デルフリよ。再度聞くが、この度の戦争の勝敗についてはどう思っている?」
「親父!!そんなことより処刑がs」
ザクッ!!!
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
再度あがる絶叫。
今度は先ほど転がった、眼球が突き刺さったナイフを左手の甲に突き立てられた。
父であるトビアスの手で直々に……
「再度聞こう。この度の戦争の勝敗についてどう思っている?」
「ち、父上……なぜ俺を」
ぐりっ
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「聞かれた事に答えよ!!戦争は王国軍の敗北。イエスかノーか……どちらかだ!!」
「そ、それはもちろん……」
クズは当然のごとくノーと答えようとするも、その瞬間トビアスが持つ右手のナイフに力が籠ったのを感じた。
先ほどのえぐられた際の苦痛に負けてか、とっさにイエスと答えてしまった。
「そうか。ようやく認めてくれたか」
望みの答えが聞けた事もあって安堵するかのような表情を浮かべるトビアス。
(た、助かった……)
クズもようやく苦痛から逃れる事ができたので安堵するも……
安心するのはまだ早かった。
「では、次の質問だ。敗戦の将としてこの度の責、どう取るつもりだ!?」
「責任とは……?」
「いろいろだな。数をあげればキリないので、今は敗戦の責についてだけ聞こう」
「敗戦とは何のことでしょうか?戦争は王国軍の勝利で」
「何寝ぼけた事を言っておる。戦争は王国軍の完敗だ」
「そんな馬鹿な!!戦争は確かに俺達の勝利で終わったはずです!!!」
あまりにも堂々な発言。何も知らない第三者からすればこの迫力でつい信じてしまうだろう事は見て取れる。
過去にも本来なら『白』の案件をこのクズが無理やり『黒』と言い切った事で『黒』にされてしまった事例は事欠かない。
だからこそのクズの自信満々な態度であるも、今回ばかりは虚偽を許さなかった。
「では戦争の調停役を担ってくれた教会に聞こう。この度の戦争の勝者はどちらであるか?」
「トビアス国王陛下。戦争はゼーゼマン公爵家の勝利でございます。これは神に誓って嘘偽りないと宣言しましょう」
「教会はこう申してるが、反論あるか?」
「嘘だ!!出鱈目だ!!戦争は王国軍の勝利だ!!!」
「そう信じるのは勝手であるが、皆は全く信じておらんぞ」
「なんだと!!?」
慌てて周囲を見渡すクズだが、そこに思い描いていたような称賛される光景はない。
あるのは……
「この疫病神が!!」
「王国をめちゃくちゃにしやがって!!」
「何が有能だ!!蓋を開ければとんでもない無能じゃないか!!!」
「しかも、負けすら認めないなんて最低だぞ!!」
「せめて責任取りやがれ!!」
クズをののしる罵声と嫌悪感を隠そうともしない視線だ。
予想外の事態にさすがのクズも動揺する。
「ど、どういうことだ!?何が起きたというのだ」
「何が起きた……か。それは今までお前が行って来たクズの所業を余すことなく公表したからだ」
「だったらなぜこんな罵倒が……はっ、まさかこれもアーデルの仕業」
「仕業ではあるけど、公表したのは全て事実のみ。元王太子様みたくある事ない事をでっち上げてはおりませんわ」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
完全な自業自得なのに、相変わらずアーデルが全ての元凶と思い込んでいるクズ。
血走った目でアーデルめがけて殴りかかるも、その拳は届かなかった。
届くより先に、その血走った目へと吸い込まれるかのごとく一本のナイフが飛来。
そして……
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
絶叫が上がる。
クズはたまらず顔面を抑えて地面をのたうちまわった。
その衝撃で突き刺さっていたナイフが転がり落ちる。
右の眼球ごと……
その様にアーデルは淡々とつぶやく。
「メイは相変わらず過激ねぇ」
「過激も何も、あんな曇りきった目なんて必要ないでしょう。むしろ、一つだけに留めた私の優しさに感謝してほしいぐらいですわ」
だからといって目にナイフを躊躇なく突き立てるなんてどうかと思うも、クズの今までの所業が所業なだけにメイの制裁に関して批難の声はない。
逆に言えば肯定の声もないわけだが、二つ合わさる事で周囲が静かになるという副次効果が生まれるので好都合というものだろう。
最後に残った騒ぎの元凶であるクズをいつまでものたうちまわらせるわけにはいかないので、トビアスは近衛兵に取り押さるよう命じる。
「き、貴様等!!何をしてる!!処刑しろ!!!王太子たる俺を傷つけた反逆者を!!!」
「デルフリよ。再度聞くが、この度の戦争の勝敗についてはどう思っている?」
「親父!!そんなことより処刑がs」
ザクッ!!!
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
再度あがる絶叫。
今度は先ほど転がった、眼球が突き刺さったナイフを左手の甲に突き立てられた。
父であるトビアスの手で直々に……
「再度聞こう。この度の戦争の勝敗についてどう思っている?」
「ち、父上……なぜ俺を」
ぐりっ
「あがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「聞かれた事に答えよ!!戦争は王国軍の敗北。イエスかノーか……どちらかだ!!」
「そ、それはもちろん……」
クズは当然のごとくノーと答えようとするも、その瞬間トビアスが持つ右手のナイフに力が籠ったのを感じた。
先ほどのえぐられた際の苦痛に負けてか、とっさにイエスと答えてしまった。
「そうか。ようやく認めてくれたか」
望みの答えが聞けた事もあって安堵するかのような表情を浮かべるトビアス。
(た、助かった……)
クズもようやく苦痛から逃れる事ができたので安堵するも……
安心するのはまだ早かった。
「では、次の質問だ。敗戦の将としてこの度の責、どう取るつもりだ!?」
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