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第二章 王国革命からの害虫貴族駆除編
105.な、なにが……一体何が始まってるっていうの……よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?(SIDE:キナコ) ※ 2度目の害虫貴族駆除回(裏)(その
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戦争中はクズ王太子を筆頭とした、どうしようもないクズ以外の人間達相手にこれといった干渉を起こさなかった悪魔達。
だが、彼等は捕虜貴族達を処刑する流れになったとたん、民衆を煽りに煽りまくった。
そのせいで……
「そうだ!!お前らのせいで俺の妹は死んだんだぞ!!!」
「|ソノトオリダ!!キサマノイモウトハ、アノヨクニマミレタキゾクニコロサレタノダ!!!」
「俺の母さんもだ!!あの時薬を買う金があればっ!!!!」
「クックック、キットアイツラノコトダ。ソノカネハサイコウキュウナオカシニカエラレタノダロウナァ~~~!!!」
「今回の戦争も正義だなんだと言っておきながら、結局は自分達の懐を肥やすためだけだったじゃないか!!」
「ソレコソガ、キゾクノジョウトウシュダン!!ダガ、アンシンシロ!!!ヤツラノメイウンハツキタ!!!」
「俺達は奴隷じゃない!!人間だぞ!!!」
「ケケケ……ジユウハアタエラレルモノデハナイ……ジブンデツカムモノダ!!」
民衆達は悪魔に誑かされるがまま負の感情……この場合は横暴だった貴族相手への積もり積もった『憤怒』が一気に噴出された。
こうして気運が最高にまで高まった所で最後の一押しをすれば……
「「「ニンゲンヨ!!イマコソソノ『ヨクボウ』ヲトキハナツトキダァァァァァ!!!!」」」
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉお!!!殺せ!!殺せ!!!貴族は皆殺しだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」」」」
民衆達は憤怒の感情に支配されるがまま、捕虜となった貴族達に私刑決行ともいうべき流れが完成。
これだけでも凄惨だというのに、悪魔達の干渉はまだ続く。
「オット、オキャクサン。マダオカエリノジカンハマダハヤイゼ」
「コレカラハ『ゼンサイ』ニツヅイテ『サラダ』ヤ『メイン』、サラニ『デザート』マデツク『フルコース』ガマッテルンダ。キッチリサイゴマデカンショクシテイキナ」
悪魔達は貴族達の魂を無理やり肉体へと縛り付けて強制的に死を阻害したのだ。
その結果、貴族達はどれだけ痛めつけられようとも死ぬことが出来ない生き地獄へと叩き落されてしまったのである。
「ア゛ア゛ア゛~~~!!」
「アイエエエェェ!!」
「ぬわーーーーーっ!!」
そんな貴族達の叫びは嘘偽りのない魂の叫びとなって周囲へと響き渡った。
「うぅぅ……あ、頭が……」
魂の叫びは精神に直接作用される。
それが一人ではなく複数人が同時に上がってるのだ。
見習いながらも死神であるキナコはそうした叫びに強い耐性は持ってるが、あまりにひどすぎてその耐性を貫通されてしまったらしい。ズキズキとした頭痛に襲われはじめた。
こんなものをただの人間が聞いて無事に済むわけがない。
最低でも発狂してもおかしくないのだが……
「イザマツレ!『アイコク』ト『ドウコク』!!」
「イザマツレ! ナミダヨリアカキ『イケニエ』!!!」
「イザウタエ!『キョギ』ト『ノロイ』!!」
「「「イザマツレ!!フキアラブ『ヨクボウ』!!!」」」
「「「「「コワレロコワレコワレコワレテユケ!!コワレロコワレコワレコワレテユケ!!」」」」」
悪魔達は異常をきたした人間をうまい具合に煽る事で通常の精神ではまず行えない、みるもおぞましい残虐行為を続行させた。
民衆達から湧き出す『怒り』や『憎しみ』といった負の感情は犠牲者にさらなる『嘆き』や『絶望』といった負の感情を沸き立たせる。
民衆達の『怒り』も恨みの元となる貴族達が死ねば一区切りとしてある程度沈静化するだろうが、逆にいえば貴族達が死ななければ狂気に支配されてるだけあって無限に湧き出てくる。
まさに無限ループの永久機関。悪魔達は負の感情をほぼ無尽蔵に回収できてほくほくだろう。
ただし、扇動はグレーゾーンながらギリギリ許せても死の阻害は魂を著しく傷つけるために禁止事項とされている。
本来であれば魂の管轄下である冥府所属の死神として、違反行為を続ける悪魔達には断固とした処分を下すべき事案なのに……
「いや~~クズを誑し込むだけに留めてたスナちゃんとこ所属のガングロ姉妹、ニーちゃんミーちゃんと違ってカボの旦那の配下は相変わらずの鬼畜っぷりっすね~~あんだけ無茶したら被害者の魂もタダで済まないじゃないっすか」
「ホッホッホ。“ボス”イワク、アクトウカラナラテッテイテキニシボリトッテイイトノコトデスカラ、ワタシタチハアクマデユウゲンジッコウシテルダケデスヨ。トハイエ、シニガミノアナタガタニメイワクカケテルノハジジツナノデ、コレハホンノオワビデス。ブカノミナサマトイッショニドウゾ」
「はっはっは。魂の回収も当分は先になりそうっすし、ありがたくいただくっすよ」
アンコ先輩は冥府が定めた法を違反してる悪魔の親玉らしきモノと世間話するだけでなく、差し出されたお茶菓子まで頂いていたのだ。
なお、差し出されたお茶菓子は他の先輩死神達も次々と口にしている。
「な、なにが……一体何が始まってるっていうの……よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
上も下も予想外すぎる光景にキナコは思わず発狂するのであった。
ちなみに、天使達は処刑から一歩引いてる者達を守るのではなく、あえて守らず魂の叫びで体調を崩した者を介抱する教会関係者にのっかる形で治療を施す事で間接的に『感謝』してもらうという割と狡い事をやっていたようだ。
ある意味、こんな抜け目ない精神性をしてるからこそ悪魔と反目せず仲良くできるのであろう。
何事も行き過ぎた正義感や潔癖性は害なのである(いい話で終わらすなw)
だが、彼等は捕虜貴族達を処刑する流れになったとたん、民衆を煽りに煽りまくった。
そのせいで……
「そうだ!!お前らのせいで俺の妹は死んだんだぞ!!!」
「|ソノトオリダ!!キサマノイモウトハ、アノヨクニマミレタキゾクニコロサレタノダ!!!」
「俺の母さんもだ!!あの時薬を買う金があればっ!!!!」
「クックック、キットアイツラノコトダ。ソノカネハサイコウキュウナオカシニカエラレタノダロウナァ~~~!!!」
「今回の戦争も正義だなんだと言っておきながら、結局は自分達の懐を肥やすためだけだったじゃないか!!」
「ソレコソガ、キゾクノジョウトウシュダン!!ダガ、アンシンシロ!!!ヤツラノメイウンハツキタ!!!」
「俺達は奴隷じゃない!!人間だぞ!!!」
「ケケケ……ジユウハアタエラレルモノデハナイ……ジブンデツカムモノダ!!」
民衆達は悪魔に誑かされるがまま負の感情……この場合は横暴だった貴族相手への積もり積もった『憤怒』が一気に噴出された。
こうして気運が最高にまで高まった所で最後の一押しをすれば……
「「「ニンゲンヨ!!イマコソソノ『ヨクボウ』ヲトキハナツトキダァァァァァ!!!!」」」
「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉお!!!殺せ!!殺せ!!!貴族は皆殺しだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」」」」」
民衆達は憤怒の感情に支配されるがまま、捕虜となった貴族達に私刑決行ともいうべき流れが完成。
これだけでも凄惨だというのに、悪魔達の干渉はまだ続く。
「オット、オキャクサン。マダオカエリノジカンハマダハヤイゼ」
「コレカラハ『ゼンサイ』ニツヅイテ『サラダ』ヤ『メイン』、サラニ『デザート』マデツク『フルコース』ガマッテルンダ。キッチリサイゴマデカンショクシテイキナ」
悪魔達は貴族達の魂を無理やり肉体へと縛り付けて強制的に死を阻害したのだ。
その結果、貴族達はどれだけ痛めつけられようとも死ぬことが出来ない生き地獄へと叩き落されてしまったのである。
「ア゛ア゛ア゛~~~!!」
「アイエエエェェ!!」
「ぬわーーーーーっ!!」
そんな貴族達の叫びは嘘偽りのない魂の叫びとなって周囲へと響き渡った。
「うぅぅ……あ、頭が……」
魂の叫びは精神に直接作用される。
それが一人ではなく複数人が同時に上がってるのだ。
見習いながらも死神であるキナコはそうした叫びに強い耐性は持ってるが、あまりにひどすぎてその耐性を貫通されてしまったらしい。ズキズキとした頭痛に襲われはじめた。
こんなものをただの人間が聞いて無事に済むわけがない。
最低でも発狂してもおかしくないのだが……
「イザマツレ!『アイコク』ト『ドウコク』!!」
「イザマツレ! ナミダヨリアカキ『イケニエ』!!!」
「イザウタエ!『キョギ』ト『ノロイ』!!」
「「「イザマツレ!!フキアラブ『ヨクボウ』!!!」」」
「「「「「コワレロコワレコワレコワレテユケ!!コワレロコワレコワレコワレテユケ!!」」」」」
悪魔達は異常をきたした人間をうまい具合に煽る事で通常の精神ではまず行えない、みるもおぞましい残虐行為を続行させた。
民衆達から湧き出す『怒り』や『憎しみ』といった負の感情は犠牲者にさらなる『嘆き』や『絶望』といった負の感情を沸き立たせる。
民衆達の『怒り』も恨みの元となる貴族達が死ねば一区切りとしてある程度沈静化するだろうが、逆にいえば貴族達が死ななければ狂気に支配されてるだけあって無限に湧き出てくる。
まさに無限ループの永久機関。悪魔達は負の感情をほぼ無尽蔵に回収できてほくほくだろう。
ただし、扇動はグレーゾーンながらギリギリ許せても死の阻害は魂を著しく傷つけるために禁止事項とされている。
本来であれば魂の管轄下である冥府所属の死神として、違反行為を続ける悪魔達には断固とした処分を下すべき事案なのに……
「いや~~クズを誑し込むだけに留めてたスナちゃんとこ所属のガングロ姉妹、ニーちゃんミーちゃんと違ってカボの旦那の配下は相変わらずの鬼畜っぷりっすね~~あんだけ無茶したら被害者の魂もタダで済まないじゃないっすか」
「ホッホッホ。“ボス”イワク、アクトウカラナラテッテイテキニシボリトッテイイトノコトデスカラ、ワタシタチハアクマデユウゲンジッコウシテルダケデスヨ。トハイエ、シニガミノアナタガタニメイワクカケテルノハジジツナノデ、コレハホンノオワビデス。ブカノミナサマトイッショニドウゾ」
「はっはっは。魂の回収も当分は先になりそうっすし、ありがたくいただくっすよ」
アンコ先輩は冥府が定めた法を違反してる悪魔の親玉らしきモノと世間話するだけでなく、差し出されたお茶菓子まで頂いていたのだ。
なお、差し出されたお茶菓子は他の先輩死神達も次々と口にしている。
「な、なにが……一体何が始まってるっていうの……よぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」
上も下も予想外すぎる光景にキナコは思わず発狂するのであった。
ちなみに、天使達は処刑から一歩引いてる者達を守るのではなく、あえて守らず魂の叫びで体調を崩した者を介抱する教会関係者にのっかる形で治療を施す事で間接的に『感謝』してもらうという割と狡い事をやっていたようだ。
ある意味、こんな抜け目ない精神性をしてるからこそ悪魔と反目せず仲良くできるのであろう。
何事も行き過ぎた正義感や潔癖性は害なのである(いい話で終わらすなw)
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