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第二章 王国革命からの害虫貴族駆除編
⑨7.全ては奴の手のひらの上……というわけか……あの若造がぁぁぁぁぁ!!!(SIDE:アインズ) ※ 1度目の害虫貴族駆除回(その5)
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「どういうことだ!?」
アインズは敵陣地の異常さについ声を荒げた。
敵陣営の本部と思われる建物に突入するも、大将であるハイドが不在。
それならまだわかる。
大将は本部に居なければならない理由なぞない。
ましてやハイドは自分が討たれたら負けだというのに、そんなこと知らんとばかりに単騎で敵部隊へ突撃かますほどの馬鹿だ。
別の場所に居てもおかしくない……が、それでも他の兵までいないのは異常だった。
侵入から少なくない時間が経過し、後続が続々と集まってざわざわと騒ぎ出しても敵兵が集まってこない。
まるで最初からもぬけの殻であったかのように……
「どういうことだ!?誰か説明しろ!!!」
アインズは再度声を張り上げるも、答えれる者はいない。
大半はハイドの首を取る事しか考えてないため、現状をただしく把握してる者は居ないのだ。
居るとすれば、侵入の手引きしてくれたマイヤーの部下ぐらいだろうが、彼等はいつのまにか姿をくらましていた。
ここでようやくアインズは罠の可能性に気付くも、時すでに遅し。
気付いた時には……周囲が火と煙に包まれていた。
……
…………
………………
「な、なにが……何が起きた?!」
煙に視界を遮られてせき込みながらも現状を報告させようとするも、その声に答える者はいない。
「邪魔だ!!どけぇ!!!」
「何をしやがる!!俺が先だ!!!」
「ワシは貴族だぞ!!貴族たるワシを優先」
「「「「そんなの関係あるかぁぁぁ!!!!」」」」
代わって聞こえるのは出口に殺到してるであろう者達の怒声だ。
そこに秩序も何もあったものではない。
皆自分だけは助かろうと必死であった。
その証拠に付き飛ばされた衝撃で足をくじいたアインズを顧みる者はいない。
侍従であった者も主をおいて我先に逃げたのか、姿を現さない。
このままでは焼け死ぬと判断したアインズは痛む足を引きずりながら出口へと向かう。
だが、出口へとたどり着く前に建物の耐久が尽きてしまった。
ガラガラガラガラッ……
「ぬわ~~~~!!?」
天井が焼け落ち、その瓦礫がアインズへと降り注ぐ。
幸いにして大怪我は免れるも、頭以外が完全にがれきへと埋もれてしまった。
抜け出そうとあがくも、瓦礫が重しとなっているために抜け出せない。
抜け出すには、誰かに瓦礫をどけてもらう必要があるのだ。
「だ、だれかぁぁぁぁ!!助けろぉぉぉぉお!!!!私を助けろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
アインズは声をふり絞って助けを求めるも、皆逃げるのに必死なためその声に応える者はいない。
それでもアインズは叫ぶ。必死に助けを求める。
だが、現実は誰も助けにこない。
来るのは、充満する煙と瓦礫に燃え移った火だけである。
アインズは迫りくる火に……瓦礫の隙間から流れ出る血と共に冷たくなっていく自身の身体を顧みて悟った。
自分はもう助からないっと……
「ははは……そうか、私はここで死ぬの……か」
一度死を覚悟したら頭が冴え渡った。
なぜ自分がこうなったのか……
その原因が誰なのか……
気付いてしまったわけだ。
全ては……
「奴の手のひらの上……というわけか……あの若造がぁぁぁぁぁ!!!」
全てを悟ったアインズは天井が崩れ去った事で露わとなった夜空へ向かって、あらん限りの呪詛を込めながら叫ぶも……
“今頃気付いたのですか?とりあえず貴方様への貸しは命という形で回収させてもらいましょう。何、皆さま方の命は私が有効活用してあげますよ。くいくい”
今際に浮かんだマイヤーはいつものごとく、眼鏡をくいくいっと正しながら平然と言い放つのであった。
「くっくっく……いいだろう。ワシは一足先に地獄へと行く。そして、貴様がワシの後を追って地獄へと落ちた時は……」
“真っ先にその面ぶん殴ってくれるわ!!”
アインズの死に際の願い。
これが叶ったかどうかは定かではない。
ただ一つ言える事は……
マイヤーはこの後も50年以上しぶとく生き続ける予定なので、順当に考えれば地獄での再会はまず無理だろうということだった。
アインズは敵陣地の異常さについ声を荒げた。
敵陣営の本部と思われる建物に突入するも、大将であるハイドが不在。
それならまだわかる。
大将は本部に居なければならない理由なぞない。
ましてやハイドは自分が討たれたら負けだというのに、そんなこと知らんとばかりに単騎で敵部隊へ突撃かますほどの馬鹿だ。
別の場所に居てもおかしくない……が、それでも他の兵までいないのは異常だった。
侵入から少なくない時間が経過し、後続が続々と集まってざわざわと騒ぎ出しても敵兵が集まってこない。
まるで最初からもぬけの殻であったかのように……
「どういうことだ!?誰か説明しろ!!!」
アインズは再度声を張り上げるも、答えれる者はいない。
大半はハイドの首を取る事しか考えてないため、現状をただしく把握してる者は居ないのだ。
居るとすれば、侵入の手引きしてくれたマイヤーの部下ぐらいだろうが、彼等はいつのまにか姿をくらましていた。
ここでようやくアインズは罠の可能性に気付くも、時すでに遅し。
気付いた時には……周囲が火と煙に包まれていた。
……
…………
………………
「な、なにが……何が起きた?!」
煙に視界を遮られてせき込みながらも現状を報告させようとするも、その声に答える者はいない。
「邪魔だ!!どけぇ!!!」
「何をしやがる!!俺が先だ!!!」
「ワシは貴族だぞ!!貴族たるワシを優先」
「「「「そんなの関係あるかぁぁぁ!!!!」」」」
代わって聞こえるのは出口に殺到してるであろう者達の怒声だ。
そこに秩序も何もあったものではない。
皆自分だけは助かろうと必死であった。
その証拠に付き飛ばされた衝撃で足をくじいたアインズを顧みる者はいない。
侍従であった者も主をおいて我先に逃げたのか、姿を現さない。
このままでは焼け死ぬと判断したアインズは痛む足を引きずりながら出口へと向かう。
だが、出口へとたどり着く前に建物の耐久が尽きてしまった。
ガラガラガラガラッ……
「ぬわ~~~~!!?」
天井が焼け落ち、その瓦礫がアインズへと降り注ぐ。
幸いにして大怪我は免れるも、頭以外が完全にがれきへと埋もれてしまった。
抜け出そうとあがくも、瓦礫が重しとなっているために抜け出せない。
抜け出すには、誰かに瓦礫をどけてもらう必要があるのだ。
「だ、だれかぁぁぁぁ!!助けろぉぉぉぉお!!!!私を助けろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
アインズは声をふり絞って助けを求めるも、皆逃げるのに必死なためその声に応える者はいない。
それでもアインズは叫ぶ。必死に助けを求める。
だが、現実は誰も助けにこない。
来るのは、充満する煙と瓦礫に燃え移った火だけである。
アインズは迫りくる火に……瓦礫の隙間から流れ出る血と共に冷たくなっていく自身の身体を顧みて悟った。
自分はもう助からないっと……
「ははは……そうか、私はここで死ぬの……か」
一度死を覚悟したら頭が冴え渡った。
なぜ自分がこうなったのか……
その原因が誰なのか……
気付いてしまったわけだ。
全ては……
「奴の手のひらの上……というわけか……あの若造がぁぁぁぁぁ!!!」
全てを悟ったアインズは天井が崩れ去った事で露わとなった夜空へ向かって、あらん限りの呪詛を込めながら叫ぶも……
“今頃気付いたのですか?とりあえず貴方様への貸しは命という形で回収させてもらいましょう。何、皆さま方の命は私が有効活用してあげますよ。くいくい”
今際に浮かんだマイヤーはいつものごとく、眼鏡をくいくいっと正しながら平然と言い放つのであった。
「くっくっく……いいだろう。ワシは一足先に地獄へと行く。そして、貴様がワシの後を追って地獄へと落ちた時は……」
“真っ先にその面ぶん殴ってくれるわ!!”
アインズの死に際の願い。
これが叶ったかどうかは定かではない。
ただ一つ言える事は……
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