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第一章 逆断罪劇からのクズざまぁ編
62.まさに、この拷問申請書はクズをさらなる地獄へ突き落とすための契約書だな(SIDE:フェルト)
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フェルトも昔は貴族だから偉いと根拠もなく思い込んでいたため、元婚約者と同類だった。
そんな態度のままクラーラと親しい孤児を雑に扱ったせいでひどい目に合わされるも、あれはあれでまだ穏便な方だと今ならわかる。
貴族を投げ飛ばす時点ですでに穏便とはほど遠い気がしないでもないが、穏便でなければ命の保証が全くされない……顔面ひっつかんだ持ち上げ、そのまま後頭部を机の角のような固い部分目掛けて力いっぱい叩きつけるような、尋常じゃない程の殺意を込めた投げ技を披露する。
まぁその後のOHANASHIで物理ではなく精神にトラウマクラスの大ダメージを植えつけられたりはするも、まだ立ち直れる程度で済んでたのはやはり手加減してくれたのだろう。
クラーラやシスコンの義姉が本気でOHANASHIすれば、精神に異常をきたしてまともな受け答えすらできなくなるとの事。
フェルトはそうした物理と精神に酷い傷を負わされた犠牲者を何人も見てきたので、自分に仕掛けられたあれはまだ穏便な方だと確信できた。
それに、父が厳しさと優しさを兼ね備えた人物であったのも幸運であった。
父はフェルトの愚行をしっかり咎め、善行にはしっかりと褒めたたえた。
フェルトの頼み、平民の孤児達と共に勉学を励みたいという望みも無碍にする事なく叶えてくれた。
フェルトは周りに恵まれたおかげで、外道へと落ちる前に更生ができたとも言えよう。
「それでも結局は平民落ちだ。生粋の貴族からみれば俺は姉と平民に当主の座を奪われた情けない長男っとみえるんだろうな」
「ならば納得いかないっと今から意を唱えてみます?」
「前にも言った通り、その気はない!!俺はクラーラみたいに自由気ままが好きなんだとようやく気付いたんだ。そんな俺が貴族の当主なんて出来るわけがない。よって、平民落ちは納得の末だ。それに、平民となっても家族の縁が切れるわけでもないしな」
「私はこんな愚弟と縁切りたいとこなんですがねぇ……」
「切ったら商業ギルドの縁も切れるぜ。なんせ俺の婚約者は次期ギルド長が約束されてる若手のホープ。シィプシィの姐御だものな」
「オノーレ!!そう言われたらならば、悪縁でも保つしかないじゃない」
両の手のひらを上に向けてのお手上げポーズを取りながらぼやくケイトであるも、声色からしてただのジョークとわかる。
貴族令嬢らしくないジョークを素で行う辺り、ケイトもフェルトと同様にクラーラやアーデルを筆頭とした側近達に毒されているのだろう。
少なくとも、ひと昔前はこんな応対をしない。
ついでにいえば、まわし蹴りなんてまず放たない。
まわし蹴りなんて一体誰から教わったのか、気にはなるも藪蛇になりかねないからっとあえて聞かないことにしていた。
「とにかく、クズをさらなる地獄へ突き落とすための契約を取るのがマイヤー様からの指令だったが……ぶっちゃけ、いろいろと策を練る必要なかったんじゃね?」
「ですよねー言動の数々には細心の注意を払わせていたというのに、全くの無駄とは」
ケイトの発言通り、フェルトが発した言動の数々……
『アーデルのせいで次期当主を降ろされた』
『貴族を貴族と思ってない』
『不本意な結婚を強いられた者もいる』
『少々自分の立場をわからせる必要があると思いまして』
これらは別に嘘を言ってるわけでない。
次期当主を降ろされた原因は長女であるケイトが家を継ぐ事になったからであり、その要因は実に様々。その様々の中にアーデルが関わった案件はあれど、精々1割程度。
それでも、関わりあるから『嘘は言ってない』
『貴族を貴族と思ってない』は、いうまでもなく事実。
だが、それは貴族を敬わないというわけでない。例え貴族だろうとも敬う資格がなければ貴族扱いしない。それだけの話だ。
『不本意な結婚』はウールが当てはまる。
彼は最後まで反対してたが、周囲からの説得や利点を淡々とあげられた事でしぶしぶながら納得はしてくれた。
逆にフェルト自身は政略結婚の類であっても、平民落ち含めて納得済。
そうした、『嘘は言ってない』が渡す情報をあえて絞る事でクズ達は……
『フェルトはアーデルのせいで次期当主から外された挙句、平民と無理やり婚約させられた。そのせいでアーデルに深い恨みを抱いている』
っと誤った認識を刷り込まされたのだ。
『自分の立場をわからせる』のも、それはアーデルではなくクズ達に向けて放った言葉。
言うまでもなく、『嘘は言ってない』
そして最後。
『現在の王国法での拷問は王族含む3名のサインが必要』
これも本当であるが、まだ続きはある。
サインは王族の他に教会の司教クラスと拷問官の資格を持つ者、その『3名のサインがあれば問題なく通る』のだ。
王太子と貴族子息のみのサインでは確実に却下される。
それでも拷問を強行すれば……
申請の許可がおりてないまま、アーデルを冤罪で拷問にかければ……
さらにいえば、アーデル陣営には王妃代理と大司教。そして、常日頃からドM男を拷問してる関係上しっかりと資格を習得済の者までいる。
クズにも、なぜ神の威光に逆らったのか詳細を聞き出す必要性がある。
それすなわち……
「まさに、この拷問申請書はクズをさらなる地獄へ突き落とすための契約書だな」
そんな態度のままクラーラと親しい孤児を雑に扱ったせいでひどい目に合わされるも、あれはあれでまだ穏便な方だと今ならわかる。
貴族を投げ飛ばす時点ですでに穏便とはほど遠い気がしないでもないが、穏便でなければ命の保証が全くされない……顔面ひっつかんだ持ち上げ、そのまま後頭部を机の角のような固い部分目掛けて力いっぱい叩きつけるような、尋常じゃない程の殺意を込めた投げ技を披露する。
まぁその後のOHANASHIで物理ではなく精神にトラウマクラスの大ダメージを植えつけられたりはするも、まだ立ち直れる程度で済んでたのはやはり手加減してくれたのだろう。
クラーラやシスコンの義姉が本気でOHANASHIすれば、精神に異常をきたしてまともな受け答えすらできなくなるとの事。
フェルトはそうした物理と精神に酷い傷を負わされた犠牲者を何人も見てきたので、自分に仕掛けられたあれはまだ穏便な方だと確信できた。
それに、父が厳しさと優しさを兼ね備えた人物であったのも幸運であった。
父はフェルトの愚行をしっかり咎め、善行にはしっかりと褒めたたえた。
フェルトの頼み、平民の孤児達と共に勉学を励みたいという望みも無碍にする事なく叶えてくれた。
フェルトは周りに恵まれたおかげで、外道へと落ちる前に更生ができたとも言えよう。
「それでも結局は平民落ちだ。生粋の貴族からみれば俺は姉と平民に当主の座を奪われた情けない長男っとみえるんだろうな」
「ならば納得いかないっと今から意を唱えてみます?」
「前にも言った通り、その気はない!!俺はクラーラみたいに自由気ままが好きなんだとようやく気付いたんだ。そんな俺が貴族の当主なんて出来るわけがない。よって、平民落ちは納得の末だ。それに、平民となっても家族の縁が切れるわけでもないしな」
「私はこんな愚弟と縁切りたいとこなんですがねぇ……」
「切ったら商業ギルドの縁も切れるぜ。なんせ俺の婚約者は次期ギルド長が約束されてる若手のホープ。シィプシィの姐御だものな」
「オノーレ!!そう言われたらならば、悪縁でも保つしかないじゃない」
両の手のひらを上に向けてのお手上げポーズを取りながらぼやくケイトであるも、声色からしてただのジョークとわかる。
貴族令嬢らしくないジョークを素で行う辺り、ケイトもフェルトと同様にクラーラやアーデルを筆頭とした側近達に毒されているのだろう。
少なくとも、ひと昔前はこんな応対をしない。
ついでにいえば、まわし蹴りなんてまず放たない。
まわし蹴りなんて一体誰から教わったのか、気にはなるも藪蛇になりかねないからっとあえて聞かないことにしていた。
「とにかく、クズをさらなる地獄へ突き落とすための契約を取るのがマイヤー様からの指令だったが……ぶっちゃけ、いろいろと策を練る必要なかったんじゃね?」
「ですよねー言動の数々には細心の注意を払わせていたというのに、全くの無駄とは」
ケイトの発言通り、フェルトが発した言動の数々……
『アーデルのせいで次期当主を降ろされた』
『貴族を貴族と思ってない』
『不本意な結婚を強いられた者もいる』
『少々自分の立場をわからせる必要があると思いまして』
これらは別に嘘を言ってるわけでない。
次期当主を降ろされた原因は長女であるケイトが家を継ぐ事になったからであり、その要因は実に様々。その様々の中にアーデルが関わった案件はあれど、精々1割程度。
それでも、関わりあるから『嘘は言ってない』
『貴族を貴族と思ってない』は、いうまでもなく事実。
だが、それは貴族を敬わないというわけでない。例え貴族だろうとも敬う資格がなければ貴族扱いしない。それだけの話だ。
『不本意な結婚』はウールが当てはまる。
彼は最後まで反対してたが、周囲からの説得や利点を淡々とあげられた事でしぶしぶながら納得はしてくれた。
逆にフェルト自身は政略結婚の類であっても、平民落ち含めて納得済。
そうした、『嘘は言ってない』が渡す情報をあえて絞る事でクズ達は……
『フェルトはアーデルのせいで次期当主から外された挙句、平民と無理やり婚約させられた。そのせいでアーデルに深い恨みを抱いている』
っと誤った認識を刷り込まされたのだ。
『自分の立場をわからせる』のも、それはアーデルではなくクズ達に向けて放った言葉。
言うまでもなく、『嘘は言ってない』
そして最後。
『現在の王国法での拷問は王族含む3名のサインが必要』
これも本当であるが、まだ続きはある。
サインは王族の他に教会の司教クラスと拷問官の資格を持つ者、その『3名のサインがあれば問題なく通る』のだ。
王太子と貴族子息のみのサインでは確実に却下される。
それでも拷問を強行すれば……
申請の許可がおりてないまま、アーデルを冤罪で拷問にかければ……
さらにいえば、アーデル陣営には王妃代理と大司教。そして、常日頃からドM男を拷問してる関係上しっかりと資格を習得済の者までいる。
クズにも、なぜ神の威光に逆らったのか詳細を聞き出す必要性がある。
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