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第一章 逆断罪劇からのクズざまぁ編
1⑨.話は聞かせてもらった!!その仕事、私が引き受けよう!!!
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「さて、じゃぁ計画を練る前段階としてクズ主催の懇親会について詳細詰めましょうか。あんなでも一応はまだ王太子でしかも王の承認まで取ってるし……全くマイヤーの奴もこのクソ忙しい時期に面倒な案件持ってきやがって。ここはアーデルを見習って次に会ったらケツの穴に手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてやろうかしら」
その言葉が意味するのは、マイヤーは完全とばっちりによる理不尽な拷問を受ける羽目になる……っと通常は思うだろう。だが、ここに居るものは皆別の想いを描いていた。
「「「「「「「…………(それはあいつにとってご褒美になるんじゃね?)」」」」」」」
そう、マイヤーはロッテンからのお仕置き。渾身のキャメルクラッチを苦痛顔ではなく至福顔で堪能するという……一般人目線での拷問をご褒美として捉えてしまう特殊な性癖持ちなのである。
「という事はさておいて、いい加減話進めるわよ。懇親会だけど……開催準備にリソース回せるところある?」
気を取り直したロッテンが改めて……何度も脱線してるせいでようやくという問いかけに応える者は居ない。
各々自身の腹心とも秘書とも言うべき侍女や侍従に確認するも皆渋い顔で首を振るのみ。
王妃や宰相を始めとする重役たちが不在という状況は伊達でないのだ。
この場に居るのは将来有望な一級の人材といえども、今はまだ実務経験の少ない若造。
アーデルやロッテンも同様。戦闘力に関しては歴史に名を残せそうな程の天賦の才を持ってても内政面では優秀どまり。内政チート無双してしまうような能力を持ち合わせてない。
皆四苦八苦しながらも歯を食いしばって各々の代理をこなしてる有様だ。
ロッテンもそういった状況がわかってるからこそ、面倒な案件の発端となったクズやそれを通した親馬鹿な無能の王だけでなく、ただ職務に準じているだけなマイヤーにまで恨み言をぶつけてしまうのは無理ないであろう。
ただし、マイヤーはドM気質なのでわざとロッテンを怒らしてる気配あるのだが、あいにくロッテンはマイヤーの気質に気付いてない。
気付かず、毎度毎度拷問……当人にとってのご褒美を与えているのである。
「まぁそれでも八方塞がりというわけでないのだけど……」
ぼそりと独り言のようにつぶやいたロッテンの視線の先。先ほどから部屋の隅で置物のごとく会議室でのやりとりを見守ってる好々爺のドムレシュク、通称ドム爺に目を向ける。
彼はいわゆるお目付け役の爺やというポジションであるも、ただのお目付け役ではない。
フランクフルト王国の実質的な支配者である王妃ブリギッテを幼少期から教育係として今の今まで見守ってきた爺やともいえる人物なのだ。
王妃も未熟な頃からドム爺にずいぶん助けてもらっていたようで、成熟した今でも度々助言を請うたりする、ある意味では王妃よりも上の立場に付くご意見番ともいえるお目付け役だ。
端からみれば若者達を優しく……先ほどから繰り広げられている惨劇やら下品なやり取りを生暖かく見守る好々爺な雰囲気をみせるも、今は監査員のごとく見定めている。
試しているのだろう……
王妃や宰相といった頼れる大人達が不在の中、適切に国を運用できるかを……
ここに居る若者達は王国を導くに相応しい器を持っているかを……
だから代理ながらも国の代表であるロッテンやアーデルがヘルプを出せば、降参宣言すれば助け船を出してくれる。
王妃の教育係としての実績を駆使して育て上げた人材。重鎮達を帝国に送り出してアーデル達が帰還するまでの間、代理として国政を滞りなく進めてくれた人材を改めて招集してくれる。
それでピンチはしのげるが……
(帝国の皇帝陛下曰く、あの狸爺は一見すれば王妃様と同じ穏健派だけど中身は強硬派だった前皇帝の方針にどっぷり浸かった危険人物だなんて……
あの好々爺した人当たりよさげな姿みてれば到底信じられないけど、皇帝陛下子飼いの暗部が調べてくれた情報と宰相代理権限で調べ上げた情報を照らし合わせた結果、狸爺が前皇帝からの密命を受けて動いてたのは確定。というか、王妃様やおとんといった重鎮をもっともらしい理由付けて帝国へと送り出した隙に一時預かってた実権を完全に掌握しようと動いてたなんて……)
幸いだが、その企みは帝国の皇帝含む他国の王族や重鎮が連名でサインしてくれた任命書のおかげで阻止できた。
ドム爺も帝国に従属する臣下である以上は皇帝の決定に異は唱えず、あっさりと全権をアーデルに返してくれたのだ。
あまりに素直過ぎて何か裏があるのではっと警戒するも、以後のドム爺は昔からの役目。若手や官僚の悩み相談を受けたりアドバイスを授けたりする王妃から信頼厚いご意見番の役目に没頭するのみ。王国乗っ取りを企むような危険人物には到底みえなかった。
だが、ロッテンのように自分の正体を知る者にはにやりと含みを持たせた笑みをみせる辺り、王国乗っ取りを諦めたわけではなさそうだ。
その証拠にドム爺は今もにやりと腹に一物ある笑みを浮かべながら『助けが欲しいならいつでもウエルカムじゃぞい』っと目で訴える辺り、この機会にまた権力を掌握する腹積もりなのだろう。
ロッテンは即座に『だが断る!!』と目線で返事したいところであるも、現実は厳しかった。
ロッテン達ではこの状況を打破するための人手がない。
対してドム爺には信用こそ出来ないが信頼は出来る人材をいる。腹の中はともかく、仕事に対して優秀で誠実なので信頼だけはできる人材がいる。
「アーデルには事後承諾になるけど、もう仕方ないわよね。今は将来の危機より目先の危機、王国を滅ぼしかねないような思想を持つクズ共を手早く潰す方が先決。リスクを承知の上で狸爺の思惑に……」
っと、降参を示そうとしたその瞬間!!!
バン!!!
「話は聞かせてもらった!!その仕事、私が引き受けよう!!!」
皆が待ち望んでいたであろう言葉を発する救世主が現れた。
その言葉が意味するのは、マイヤーは完全とばっちりによる理不尽な拷問を受ける羽目になる……っと通常は思うだろう。だが、ここに居るものは皆別の想いを描いていた。
「「「「「「「…………(それはあいつにとってご褒美になるんじゃね?)」」」」」」」
そう、マイヤーはロッテンからのお仕置き。渾身のキャメルクラッチを苦痛顔ではなく至福顔で堪能するという……一般人目線での拷問をご褒美として捉えてしまう特殊な性癖持ちなのである。
「という事はさておいて、いい加減話進めるわよ。懇親会だけど……開催準備にリソース回せるところある?」
気を取り直したロッテンが改めて……何度も脱線してるせいでようやくという問いかけに応える者は居ない。
各々自身の腹心とも秘書とも言うべき侍女や侍従に確認するも皆渋い顔で首を振るのみ。
王妃や宰相を始めとする重役たちが不在という状況は伊達でないのだ。
この場に居るのは将来有望な一級の人材といえども、今はまだ実務経験の少ない若造。
アーデルやロッテンも同様。戦闘力に関しては歴史に名を残せそうな程の天賦の才を持ってても内政面では優秀どまり。内政チート無双してしまうような能力を持ち合わせてない。
皆四苦八苦しながらも歯を食いしばって各々の代理をこなしてる有様だ。
ロッテンもそういった状況がわかってるからこそ、面倒な案件の発端となったクズやそれを通した親馬鹿な無能の王だけでなく、ただ職務に準じているだけなマイヤーにまで恨み言をぶつけてしまうのは無理ないであろう。
ただし、マイヤーはドM気質なのでわざとロッテンを怒らしてる気配あるのだが、あいにくロッテンはマイヤーの気質に気付いてない。
気付かず、毎度毎度拷問……当人にとってのご褒美を与えているのである。
「まぁそれでも八方塞がりというわけでないのだけど……」
ぼそりと独り言のようにつぶやいたロッテンの視線の先。先ほどから部屋の隅で置物のごとく会議室でのやりとりを見守ってる好々爺のドムレシュク、通称ドム爺に目を向ける。
彼はいわゆるお目付け役の爺やというポジションであるも、ただのお目付け役ではない。
フランクフルト王国の実質的な支配者である王妃ブリギッテを幼少期から教育係として今の今まで見守ってきた爺やともいえる人物なのだ。
王妃も未熟な頃からドム爺にずいぶん助けてもらっていたようで、成熟した今でも度々助言を請うたりする、ある意味では王妃よりも上の立場に付くご意見番ともいえるお目付け役だ。
端からみれば若者達を優しく……先ほどから繰り広げられている惨劇やら下品なやり取りを生暖かく見守る好々爺な雰囲気をみせるも、今は監査員のごとく見定めている。
試しているのだろう……
王妃や宰相といった頼れる大人達が不在の中、適切に国を運用できるかを……
ここに居る若者達は王国を導くに相応しい器を持っているかを……
だから代理ながらも国の代表であるロッテンやアーデルがヘルプを出せば、降参宣言すれば助け船を出してくれる。
王妃の教育係としての実績を駆使して育て上げた人材。重鎮達を帝国に送り出してアーデル達が帰還するまでの間、代理として国政を滞りなく進めてくれた人材を改めて招集してくれる。
それでピンチはしのげるが……
(帝国の皇帝陛下曰く、あの狸爺は一見すれば王妃様と同じ穏健派だけど中身は強硬派だった前皇帝の方針にどっぷり浸かった危険人物だなんて……
あの好々爺した人当たりよさげな姿みてれば到底信じられないけど、皇帝陛下子飼いの暗部が調べてくれた情報と宰相代理権限で調べ上げた情報を照らし合わせた結果、狸爺が前皇帝からの密命を受けて動いてたのは確定。というか、王妃様やおとんといった重鎮をもっともらしい理由付けて帝国へと送り出した隙に一時預かってた実権を完全に掌握しようと動いてたなんて……)
幸いだが、その企みは帝国の皇帝含む他国の王族や重鎮が連名でサインしてくれた任命書のおかげで阻止できた。
ドム爺も帝国に従属する臣下である以上は皇帝の決定に異は唱えず、あっさりと全権をアーデルに返してくれたのだ。
あまりに素直過ぎて何か裏があるのではっと警戒するも、以後のドム爺は昔からの役目。若手や官僚の悩み相談を受けたりアドバイスを授けたりする王妃から信頼厚いご意見番の役目に没頭するのみ。王国乗っ取りを企むような危険人物には到底みえなかった。
だが、ロッテンのように自分の正体を知る者にはにやりと含みを持たせた笑みをみせる辺り、王国乗っ取りを諦めたわけではなさそうだ。
その証拠にドム爺は今もにやりと腹に一物ある笑みを浮かべながら『助けが欲しいならいつでもウエルカムじゃぞい』っと目で訴える辺り、この機会にまた権力を掌握する腹積もりなのだろう。
ロッテンは即座に『だが断る!!』と目線で返事したいところであるも、現実は厳しかった。
ロッテン達ではこの状況を打破するための人手がない。
対してドム爺には信用こそ出来ないが信頼は出来る人材をいる。腹の中はともかく、仕事に対して優秀で誠実なので信頼だけはできる人材がいる。
「アーデルには事後承諾になるけど、もう仕方ないわよね。今は将来の危機より目先の危機、王国を滅ぼしかねないような思想を持つクズ共を手早く潰す方が先決。リスクを承知の上で狸爺の思惑に……」
っと、降参を示そうとしたその瞬間!!!
バン!!!
「話は聞かせてもらった!!その仕事、私が引き受けよう!!!」
皆が待ち望んでいたであろう言葉を発する救世主が現れた。
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