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第一章 逆断罪劇からのクズざまぁ編
5.この断罪劇を切っ掛けにして、全てを終わらせる!!
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もうこのクズ達は真実を知らしめないと止まらない。
そう判断したアーデルは信頼できる筋にクラーラの出自をそれとなく流した。
ついでにいえばクラーラも同じく信頼できる面々に自身の出自を明かした。
最初こそ信じられない者が多くとも、教会の鑑定……遠い異国からもたらされたDNA鑑定とか呼ばれる血縁関係の解明に特化された鑑定結果がクラーラの出自を証明しているのだ。
今では王城と市井の両方で二人の関係、デルフリとクラーラが実の兄妹だという事実が公然の秘密として知れ渡っている。
逆に『真実の愛』を妄信するクズ達は気づかない。
二人の間には身分どころか王命ですら覆す事のできない次元の壁で隔たれている事に……
兄が実妹と結ばれる『禁断の愛』を悪ぶれなく『真実の愛』と声高に叫んでいる事に……
そんな二人を裂こうとするアーデルを巷で流行りの『悪役令嬢』と称している事に……
真実を知る者にとってみれば、愚かで滑稽にも程があるだろう。
実際、真実を知る者達は笑っていた。
中央に陣取って恥を晒し続けている愚かな令嬢令息達を遠巻きに見ながら笑っていた。
しかし、愚者達は気づかない。周囲の笑いも自分たちではなくアーデルに向けられてると思ってる始末。
周囲の笑い声に呼応するかのごとく、アーデルをチラ見しながら憐れむようにして笑い始めた。
その姿は本当に愚かで滑稽にも程があると大事な事だから二回言いたいとこであるも、当事者というか為政者な立場からみれば笑い話で済まない。
「あぁもう。帝国の皇帝陛下から信頼を得ている私を冤罪で追放する事実だけでも帝国からの心象悪くする事態だっていうのに、こんな大勢の前で王太子が実妹と婚約宣言するだなんて教会の……神の教えに真っ向から否定してるも同然。強大な国力を持つ帝国と国境を超えた独立機構である教会から敵視されるような国なんて、この先どうあがいても絶望しかないじゃない……」
王太子デルフリ視点でみれば、これからクラーラを伴って会場入りしてアーデルを冤罪で断罪。王命で成立した婚約関係を破棄し、王太子妃として8年間務めたアーデルを追放して新たに実妹を婚約者として発表。
その後は皆から祝福されてのハッピーエンドな未来を思い描いてるだろうが……
待ってるのは王国全てを巻き添えにして滅び去るバッドエンドのみ。
最早害悪しか生みださないクズ共を排除しなければ王国に未来はない。
だからこそ、アーデルは決意する。
「この断罪劇を切っ掛けにして、全てを終わらせる!!現状を正しく把握する力もなく、ただ畜生のごとく自身の欲のまま行動するクズとその取り巻き連中をぺんぺん草一本生えないぐらい、徹底的に……容赦なく潰す!!」
そのための場を整えた。
王妃代理の政務が山盛りであったアーデルと側近達は動けずとも、王国の政務には関わっていないため比較的自由に動けるクラーラが代わって場を整えてくれた。
義姉妹が今まで培ってきた人脈やらコネを総動員し、懇親会の準備だけでなく断罪劇をざまぁ劇に変換する計画を協力者と共に練って準備を進めてくれた。
現在、計画の協力者は会場の各所に潜んで囮となっているアーデルを見守っている。
クズの企みは全て筒抜け。
クズとその取り巻き連中を一網打尽にする包囲網は全て整っている。
もはやこの会場はアーデル断罪の場などではなく……
クズ達の処刑場といっても過言ではない。
後は時が至るのを待つだけ。
クズが天使の皮をかぶった死神を伴って現れるのを……
アーデルではなくクズ自身の公開処刑となる場へと現れるのを……
アーデル含む協力者の面々は今か今かと待ちわびていた。
そうして待つ事幾分。
ようやくクズが到着したかと思いきや……
「アーデル!!貴様、クラーラをどこにやった!!」
「…………はぁ?」
事態は想定の斜め上を行く展開へと転がり落ちるのであった。
そう判断したアーデルは信頼できる筋にクラーラの出自をそれとなく流した。
ついでにいえばクラーラも同じく信頼できる面々に自身の出自を明かした。
最初こそ信じられない者が多くとも、教会の鑑定……遠い異国からもたらされたDNA鑑定とか呼ばれる血縁関係の解明に特化された鑑定結果がクラーラの出自を証明しているのだ。
今では王城と市井の両方で二人の関係、デルフリとクラーラが実の兄妹だという事実が公然の秘密として知れ渡っている。
逆に『真実の愛』を妄信するクズ達は気づかない。
二人の間には身分どころか王命ですら覆す事のできない次元の壁で隔たれている事に……
兄が実妹と結ばれる『禁断の愛』を悪ぶれなく『真実の愛』と声高に叫んでいる事に……
そんな二人を裂こうとするアーデルを巷で流行りの『悪役令嬢』と称している事に……
真実を知る者にとってみれば、愚かで滑稽にも程があるだろう。
実際、真実を知る者達は笑っていた。
中央に陣取って恥を晒し続けている愚かな令嬢令息達を遠巻きに見ながら笑っていた。
しかし、愚者達は気づかない。周囲の笑いも自分たちではなくアーデルに向けられてると思ってる始末。
周囲の笑い声に呼応するかのごとく、アーデルをチラ見しながら憐れむようにして笑い始めた。
その姿は本当に愚かで滑稽にも程があると大事な事だから二回言いたいとこであるも、当事者というか為政者な立場からみれば笑い話で済まない。
「あぁもう。帝国の皇帝陛下から信頼を得ている私を冤罪で追放する事実だけでも帝国からの心象悪くする事態だっていうのに、こんな大勢の前で王太子が実妹と婚約宣言するだなんて教会の……神の教えに真っ向から否定してるも同然。強大な国力を持つ帝国と国境を超えた独立機構である教会から敵視されるような国なんて、この先どうあがいても絶望しかないじゃない……」
王太子デルフリ視点でみれば、これからクラーラを伴って会場入りしてアーデルを冤罪で断罪。王命で成立した婚約関係を破棄し、王太子妃として8年間務めたアーデルを追放して新たに実妹を婚約者として発表。
その後は皆から祝福されてのハッピーエンドな未来を思い描いてるだろうが……
待ってるのは王国全てを巻き添えにして滅び去るバッドエンドのみ。
最早害悪しか生みださないクズ共を排除しなければ王国に未来はない。
だからこそ、アーデルは決意する。
「この断罪劇を切っ掛けにして、全てを終わらせる!!現状を正しく把握する力もなく、ただ畜生のごとく自身の欲のまま行動するクズとその取り巻き連中をぺんぺん草一本生えないぐらい、徹底的に……容赦なく潰す!!」
そのための場を整えた。
王妃代理の政務が山盛りであったアーデルと側近達は動けずとも、王国の政務には関わっていないため比較的自由に動けるクラーラが代わって場を整えてくれた。
義姉妹が今まで培ってきた人脈やらコネを総動員し、懇親会の準備だけでなく断罪劇をざまぁ劇に変換する計画を協力者と共に練って準備を進めてくれた。
現在、計画の協力者は会場の各所に潜んで囮となっているアーデルを見守っている。
クズの企みは全て筒抜け。
クズとその取り巻き連中を一網打尽にする包囲網は全て整っている。
もはやこの会場はアーデル断罪の場などではなく……
クズ達の処刑場といっても過言ではない。
後は時が至るのを待つだけ。
クズが天使の皮をかぶった死神を伴って現れるのを……
アーデルではなくクズ自身の公開処刑となる場へと現れるのを……
アーデル含む協力者の面々は今か今かと待ちわびていた。
そうして待つ事幾分。
ようやくクズが到着したかと思いきや……
「アーデル!!貴様、クラーラをどこにやった!!」
「…………はぁ?」
事態は想定の斜め上を行く展開へと転がり落ちるのであった。
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