4 / 103
第一章 逆断罪劇からのクズざまぁ編
4.それだけ、この王太子はクズなのだ
しおりを挟む
デルフリはクラーラを正妃にしたい程好いてるも、クラーラはデルフリ王太子を好いてないどころか、逆に嫌っていた。
ある意味当然のなりゆきだろう。
なにせクズ王太子は婚約者である義姉アーデルを顧みないだけでなく、わざわざクラーラの目の前で罵倒するのだ。クラーラはその度にクズの口や喉を潰してやりたい衝動を抱くも、相手は腐っても未来の義兄で国王となる存在。
アーデルもクズな婚約者にはらわた煮えくりかえる想いを抱いてようとも、相手が形だけでも敬うべき存在なだけあって鉄拳制裁ではなく口のみの忠告に留め続けているのだ。クラーラもアーデルを見習って渋々と暴力沙汰を控えて形だけ……本当に形だけの営業スマイルで塩対応してるに過ぎなかった。
だが、クズ王太子は元より周囲の取り巻き貴族達はクラーラの本心に気づかない。
笑顔の仮面を屈託のない笑顔、塩対応を分け隔てのないやさしさと盛大に勘違いしていた。
まぁその笑顔の仮面や塩対応もクラーラの気質と商人を目指す過程で培ってきた営業力のせいで魔性を秘めた物になってしまってる節あるのだが……
ともかく、クズ王太子達とその取り巻き貴族はクラーラの事を盛大に勘違いしたまま……
ざまぁ劇でよくあるお約束。義姉の婚約者をかすめ取ろうとする狡い義妹の本心が周囲に全く気づかれないご都合補正があるかのごとく……
クズ王太子とその取り巻き連中はクラーラの本心、笑顔の仮面で隠された般若のごとき憎悪の顔に全くもって気づかなかった。
ただ、それに気づいたところであのクズは無視するだろう。
当人が拒否しようとも強引に妃へと迎え入れるだろう。
それこそ王命を出し、鎖につないで監禁してでも手に入れるだろう。
それだけ、この王太子はクズなのだ。
だが、デルフリとクラーラが結ばれる日は永遠に来ない。
例え王命であろうとも、正妃ではなく側妃であっても教会が二人の仲を許さない。
無理やり事を起こせば、教会どころか神すら敵に回してしまう。
なぜなら……
デルフリとクラーラは共に同じ両親から生まれた兄妹だからである。
その事実をクラーラ本人には知らされていても、政治的な観点とクラーラへの配慮によって知る者は限られていた。
特に今の王家の血筋は現王とその実子であるデルフリしか居ない。
予備が全く存在しないため、デルフリがどれだけクズであろうとも王太子の座は揺るがないわけだ。
そこでクラーラが新たに王の実子と公表されたら……
公式では存在しないとされている二人目の実子が存在していたなんて事実が判明すれば……
現王太子がクズなだけあって、クラーラの意志に関係なく無理やり王太子として持ち上げられてしまうだろう。
義妹を溺愛するアーデルにとって、それはなんとしても避けたい未来。
だからこそアーデルはクズとの政略結婚を受け入れた。
例え未来の国王がクズであろうとも、王妃となる自分が国王代理として国務を行えば問題ない。
国に安寧をもたらせると証明できれば、クラーラを王家に戻す必要性もない。
これで丸く収まるはずが……
知っての通り、クズはクラーラを実妹と知らずに口説くどころか無理やり娶ろうとする始末。
真実を話せば手っ取り早いといっても、話した際に不特定多数へと知れ渡る可能性もある。
さらに、自分の王太子の座を脅かす存在がいきなり現れたと知ったクズとそのクズを持ち上げる貴族一派がどんな行動を取るか……
国に大混乱を引き起こすリスクを考えたら、真実を知らせず穏便な手段で諦めさせる方が得策。
その結果が今の状況である。
ある意味当然のなりゆきだろう。
なにせクズ王太子は婚約者である義姉アーデルを顧みないだけでなく、わざわざクラーラの目の前で罵倒するのだ。クラーラはその度にクズの口や喉を潰してやりたい衝動を抱くも、相手は腐っても未来の義兄で国王となる存在。
アーデルもクズな婚約者にはらわた煮えくりかえる想いを抱いてようとも、相手が形だけでも敬うべき存在なだけあって鉄拳制裁ではなく口のみの忠告に留め続けているのだ。クラーラもアーデルを見習って渋々と暴力沙汰を控えて形だけ……本当に形だけの営業スマイルで塩対応してるに過ぎなかった。
だが、クズ王太子は元より周囲の取り巻き貴族達はクラーラの本心に気づかない。
笑顔の仮面を屈託のない笑顔、塩対応を分け隔てのないやさしさと盛大に勘違いしていた。
まぁその笑顔の仮面や塩対応もクラーラの気質と商人を目指す過程で培ってきた営業力のせいで魔性を秘めた物になってしまってる節あるのだが……
ともかく、クズ王太子達とその取り巻き貴族はクラーラの事を盛大に勘違いしたまま……
ざまぁ劇でよくあるお約束。義姉の婚約者をかすめ取ろうとする狡い義妹の本心が周囲に全く気づかれないご都合補正があるかのごとく……
クズ王太子とその取り巻き連中はクラーラの本心、笑顔の仮面で隠された般若のごとき憎悪の顔に全くもって気づかなかった。
ただ、それに気づいたところであのクズは無視するだろう。
当人が拒否しようとも強引に妃へと迎え入れるだろう。
それこそ王命を出し、鎖につないで監禁してでも手に入れるだろう。
それだけ、この王太子はクズなのだ。
だが、デルフリとクラーラが結ばれる日は永遠に来ない。
例え王命であろうとも、正妃ではなく側妃であっても教会が二人の仲を許さない。
無理やり事を起こせば、教会どころか神すら敵に回してしまう。
なぜなら……
デルフリとクラーラは共に同じ両親から生まれた兄妹だからである。
その事実をクラーラ本人には知らされていても、政治的な観点とクラーラへの配慮によって知る者は限られていた。
特に今の王家の血筋は現王とその実子であるデルフリしか居ない。
予備が全く存在しないため、デルフリがどれだけクズであろうとも王太子の座は揺るがないわけだ。
そこでクラーラが新たに王の実子と公表されたら……
公式では存在しないとされている二人目の実子が存在していたなんて事実が判明すれば……
現王太子がクズなだけあって、クラーラの意志に関係なく無理やり王太子として持ち上げられてしまうだろう。
義妹を溺愛するアーデルにとって、それはなんとしても避けたい未来。
だからこそアーデルはクズとの政略結婚を受け入れた。
例え未来の国王がクズであろうとも、王妃となる自分が国王代理として国務を行えば問題ない。
国に安寧をもたらせると証明できれば、クラーラを王家に戻す必要性もない。
これで丸く収まるはずが……
知っての通り、クズはクラーラを実妹と知らずに口説くどころか無理やり娶ろうとする始末。
真実を話せば手っ取り早いといっても、話した際に不特定多数へと知れ渡る可能性もある。
さらに、自分の王太子の座を脅かす存在がいきなり現れたと知ったクズとそのクズを持ち上げる貴族一派がどんな行動を取るか……
国に大混乱を引き起こすリスクを考えたら、真実を知らせず穏便な手段で諦めさせる方が得策。
その結果が今の状況である。
12
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦争から帰ってきたら、俺の婚約者が別の奴と結婚するってよ。
隣のカキ
ファンタジー
国家存亡の危機を救った英雄レイベルト。彼は幼馴染のエイミーと婚約していた。
婚約者を想い、幾つもの死線をくぐり抜けた英雄は戦後、結婚の約束を果たす為に生まれ故郷の街へと戻る。
しかし、戦争で負った傷も癒え切らぬままに故郷へと戻った彼は、信じられない光景を目の当たりにするのだった……
幼馴染みを寝取られた無能ですが、実は最強でした
一本橋
ファンタジー
「ごめん、他に好きな人が出来た」
婚約していた幼馴染みに突然、そう言い渡されてしまった。
その相手は日頃から少年を虐めている騎士爵の嫡男だった。
そんな時、従者と名乗る美少女が現れ、少年が公爵家の嫡男である事を明かされる。
そして、無能だと思われていた少年は、弱者を演じていただけであり、実は圧倒的な力を持っていた。
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
婚約者に犯されて身籠り、妹に陥れられて婚約破棄後に国外追放されました。“神人”であるお腹の子が復讐しますが、いいですね?
サイコちゃん
ファンタジー
公爵令嬢アリアは不義の子を身籠った事を切欠に、ヴント国を追放される。しかも、それが冤罪だったと判明した後も、加害者である第一王子イェールと妹ウィリアは不誠実な謝罪を繰り返し、果てはアリアを罵倒する。その行為が、ヴント国を破滅に導くとも知らずに――
※昨年、別アカウントにて削除した『お腹の子「後になってから謝っても遅いよ?」』を手直しして再投稿したものです。
団長サマの幼馴染が聖女の座をよこせというので譲ってあげました
毒島醜女
ファンタジー
※某ちゃんねる風創作
『魔力掲示板』
特定の魔法陣を描けば老若男女、貧富の差関係なくアクセスできる掲示板。ビジネスの情報交換、政治の議論、それだけでなく世間話のようなフランクなものまで存在する。
平民レベルの微力な魔力でも打ち込めるものから、貴族クラスの魔力を有するものしか開けないものから多種多様である。勿論そういった身分に関わらずに交流できる掲示板もある。
今日もまた、掲示板は悲喜こもごもに賑わっていた――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる