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第一章 逆断罪劇からのクズざまぁ編
1.全てを終わらせる!!
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“アーデル!懇親会を開くぞ!!!準備しとけ!!”
フランクフルト王国のデルフリ王太子が婚約者に提案という名前の丸投げした事で開催する羽目になった懇親会。
その名目は王国の未来を担う若者達と交流を深めるものであった。
動機こそ立派であっても準備を行うアーデルとしてはいい迷惑。なにせ今は王妃や宰相といった重鎮が不在。アーデルは王太子妃ながらも王妃代理として側近達と共に忙しく働く日々を送っており、そんなもの開く余裕なぞない。
それでもデルフリは権限を使って無理やり開催を強行させたのだ。
よって、アーデルは仕方なく開催する事にした。
ただし……
「はぁぁ……自分が断罪される場を自分で手配するって複雑な気分だわ」
デルフリが懇親会を開いた真の目的は断罪劇。
大勢の前でアーデルにあることない事でっち上げて断罪。婚約破棄からの追放を宣言して新たにアーデルの義妹クラーラと婚約宣言するものだ。
「私は王妃様や宰相様だけでなく、同盟国のクールーラオロウ帝国。フランクフルト王国とは比べ物にならないほど強大な国力を持つ帝国の皇帝陛下からもその才覚を認められているのに……
皇帝陛下は私が未来の王国の王妃となる事を見越して同盟継続の契約を進めてくれているのに、そんな私を追放なんてしたら同盟破棄されるって……わかってないんでしょうね。
今までの同盟も前皇帝陛下直系の第4皇女様でもある現王妃ブリギッテ様が王国のために尽力してくれていたからこそなのに、そんな王妃様の苦労を無にするなんて……
あのクズはそんなに自国を滅ぼしたいの!!?」
アーデルが王太子で婚約者でもあるデルフリをクズ呼ばわりするほど憤慨するのは仕方ないであろう。
だからこそアーデルは決意していた。
このクズが仕掛けた断罪劇をきっかけにして……
ガシャン!!
“全てを終わらせる!!”
手に持っていたグラスを握りつぶしながら、強く決意した。
だが、舞台開演前にあまりヒートアップするのはよくない。
アーデルは気分を落ち着かせるため、まだ手に残っていたグラスの破片を近場にいた配膳係のトレイに置いて新たなグラスを受け取る。
配膳係もアーデル相手に眉一つ崩さず、もくもくとグラスの破片を片付ける。
その姿はプロだから……ではない。
アーデルは肉体言語も辞さない、時には鉄拳制裁が振るわれる程の過激な面があると同時にその過激さを滅多に出さない。例えグラスの中身をぶっかけられても、笑って許すほど懐の広い令嬢でもある事を知っているからだ。
鉄拳制裁はよほどの事がなければ振るわれないのを最初から知っていれば落ち着いて対処できる。
逆に言えば、鉄拳を与える相手はそれだけアーデルを怒らせてしまっている事でもある。
それすなわち……
「あのクズの命運も今日で終わりか……」
下っ端なモブのビィトからもクズ呼ばわりされて見限られるほど、デルフリ王太子の人望はなかった。
フランクフルト王国のデルフリ王太子が婚約者に提案という名前の丸投げした事で開催する羽目になった懇親会。
その名目は王国の未来を担う若者達と交流を深めるものであった。
動機こそ立派であっても準備を行うアーデルとしてはいい迷惑。なにせ今は王妃や宰相といった重鎮が不在。アーデルは王太子妃ながらも王妃代理として側近達と共に忙しく働く日々を送っており、そんなもの開く余裕なぞない。
それでもデルフリは権限を使って無理やり開催を強行させたのだ。
よって、アーデルは仕方なく開催する事にした。
ただし……
「はぁぁ……自分が断罪される場を自分で手配するって複雑な気分だわ」
デルフリが懇親会を開いた真の目的は断罪劇。
大勢の前でアーデルにあることない事でっち上げて断罪。婚約破棄からの追放を宣言して新たにアーデルの義妹クラーラと婚約宣言するものだ。
「私は王妃様や宰相様だけでなく、同盟国のクールーラオロウ帝国。フランクフルト王国とは比べ物にならないほど強大な国力を持つ帝国の皇帝陛下からもその才覚を認められているのに……
皇帝陛下は私が未来の王国の王妃となる事を見越して同盟継続の契約を進めてくれているのに、そんな私を追放なんてしたら同盟破棄されるって……わかってないんでしょうね。
今までの同盟も前皇帝陛下直系の第4皇女様でもある現王妃ブリギッテ様が王国のために尽力してくれていたからこそなのに、そんな王妃様の苦労を無にするなんて……
あのクズはそんなに自国を滅ぼしたいの!!?」
アーデルが王太子で婚約者でもあるデルフリをクズ呼ばわりするほど憤慨するのは仕方ないであろう。
だからこそアーデルは決意していた。
このクズが仕掛けた断罪劇をきっかけにして……
ガシャン!!
“全てを終わらせる!!”
手に持っていたグラスを握りつぶしながら、強く決意した。
だが、舞台開演前にあまりヒートアップするのはよくない。
アーデルは気分を落ち着かせるため、まだ手に残っていたグラスの破片を近場にいた配膳係のトレイに置いて新たなグラスを受け取る。
配膳係もアーデル相手に眉一つ崩さず、もくもくとグラスの破片を片付ける。
その姿はプロだから……ではない。
アーデルは肉体言語も辞さない、時には鉄拳制裁が振るわれる程の過激な面があると同時にその過激さを滅多に出さない。例えグラスの中身をぶっかけられても、笑って許すほど懐の広い令嬢でもある事を知っているからだ。
鉄拳制裁はよほどの事がなければ振るわれないのを最初から知っていれば落ち着いて対処できる。
逆に言えば、鉄拳を与える相手はそれだけアーデルを怒らせてしまっている事でもある。
それすなわち……
「あのクズの命運も今日で終わりか……」
下っ端なモブのビィトからもクズ呼ばわりされて見限られるほど、デルフリ王太子の人望はなかった。
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