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第4章
14.ごめん。あの時の言葉は ※(偶然バレンタインと重なってしまった)告白回?
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「他に聞きたい事は?」
「他は……」
幾分か落ち着いて絡み酒モードから脱したエクレアからの催促。今なら大丈夫そうだと次の質問をと思いつつ、ローインはつい言い淀んだ。
聞きたいことはある。ずっと言いたかった事はある。
ある意味、今こそ聞くチャンスではあるが……
いざその時が来たらつい怖気ついて思わず口淀んでしまったのだ。
その様子をみたエクレアははぁっとため息をつく。
「今は酒の席。明日になったら今日聞いたことや言ったこと忘れた事にしてあげてもいいんだから、何聞いてもいいんだよ。例えばさっき私に襲い掛かろうとしてた時に口走ってた……」
「え、口走ってって……もしかして頭がぼーっとしてた時になにか……やったの?」
「うん、やった。でもあれはノーカンでいいよ。どうせ勢い任せなんだし見なかった聞かなかった事にしてあげる。でもね……自分の発言覚えてないの?覚えてないにしても、ずっと聞きたかった事はあるのでしょ」
「何って……」
そういえば何か口走ってたような気がする。
確か……結婚してくれとか………
「あっ!!?」
もしかしてエクレアに結婚してくれって迫ってた!!!?
(っということは……)
ローインは恐る恐るエクレアの様子を伺う。
なんていうか……その表情はやっと気付いたかって顔をしてた。
その顔で察した。
「ごめん。あの時の言葉は忘れてくれない?」
ローインはこう思っていた。
僕みたいなのと結婚を申し込まれても困るのだろう。
エクレアは僕を友人とかパートナーとしてみてるも伴侶としてはみてない、みる気はない。
母さんから僕との結婚を迫られると焦りだすぐらいだから、むしろ迷惑を感じてるのだろう。
結婚を求められたら困るっと端的にいいたい。
そんな判断を下したからこその上記台詞だったが、それはエクレアにとって逆鱗に触れる言葉だったらしい。
ピキッ
エクレアの中の何かが壊れる音が響いたような気がしたと同時に……
ぞくり
空気が変わった。
背中に寒気が走った。
極寒の地に巻き送る吹雪が襲い掛かったかのような、とてつもない寒気に襲われた。
発生源はエクレアだった。
エクレアがローインを凍てつかせんばかりの冷めた目で睨んでるのだ。
そして……
パチン!!
ローインが何かを発する前にその頬を平手で引っ叩いた。
引っ叩いた……といっても、ものすごい軽くだ。
エクレアがその気なら限定的に発動させた『魔人化』の腕力でもって、歯の数本が吹っ飛んで首がねじ切れるかと思うぐらいの威力でぶっ叩いてくるのだから本当に軽くだ。
それでも不意にだからかなり痛い。
「えっ?い、いきなり……なにを」
じんじんと痛む頬を抑えながらエクレアをみると、彼女は冷めた目から一転してにこっと笑うと……
「さっき私に向かって好きだ!結婚してほしい!って言葉は本心じゃなかったの!?あれだけ本能に忠実な行動取っといて本心じゃないっていうの!!?」
ものすごい剣幕で迫ってきたので思わずおののく。
だが、彼女にしてみればこの程度まだまだ序の口だった。今度はすっーと息を吸い込むと……
「 馬 鹿 に し て る の !? 」
吸い込んだ息と共に、雄たけびのごとき大音量を放出した。
あまりの音量のため周囲に不可視の衝撃波が走るも、彼女は止まらない。
「私だってこれでも女の子なんだよ!!ローイン君の想いに気付かないような鈍感じゃないんだよ!!結婚については人並みにあこがれ持ってるんだよ!!だから私がこうやって催促してるんじゃない!!今までずっと知らぬ存ぜぬな態度貫いてきたのも悪いと思ったからこそ今回こうやって告白の機会を作ってあげてるっていうのに!!態々酒の席とか翌日には忘れてあげるからって本音を言いやすい、玉砕してもダメージがないような状況を意図的に作ってあげたっていうのに一歩も踏み込まずに本音を隠すって……
乙 女 心 っ て も の が わ か ら な い の !!!?
それともあれなの?!!私には乙女心なんてないとか思ってるの?!!
自覚はあるよ!私の乙女心はものすごくねじ曲がってるってね。でも、男の子ならそんな女の子に対して不器用ながら愛を説くぐらいの甲斐性みせてよ!はぐらかすにしても告白してからにしてよ!!!さらにいうならサクラの木で壁ドンとしながら『好きだ』っとか肩を抱いてサクラを見上げながら『結婚しよう』とかで口説くとかしてよ!!私がそういったシチュエーションを好む事ぐらいわかるでしょ!!
そんなことすらわからないのに私と結婚したいだなんて……
ほ ん っ と う に 馬 鹿 に し て る !! 」
「え、えっと」
「酒の席だからって許さないことはある!だから……こう言ったげる!!
『誰があんたなんかと結婚するか、あっかんべ~!!!!』
……っとね」
一気に話をまくし立ててきたと思ったら最後にべーっと舌出してきた。
「他は……」
幾分か落ち着いて絡み酒モードから脱したエクレアからの催促。今なら大丈夫そうだと次の質問をと思いつつ、ローインはつい言い淀んだ。
聞きたいことはある。ずっと言いたかった事はある。
ある意味、今こそ聞くチャンスではあるが……
いざその時が来たらつい怖気ついて思わず口淀んでしまったのだ。
その様子をみたエクレアははぁっとため息をつく。
「今は酒の席。明日になったら今日聞いたことや言ったこと忘れた事にしてあげてもいいんだから、何聞いてもいいんだよ。例えばさっき私に襲い掛かろうとしてた時に口走ってた……」
「え、口走ってって……もしかして頭がぼーっとしてた時になにか……やったの?」
「うん、やった。でもあれはノーカンでいいよ。どうせ勢い任せなんだし見なかった聞かなかった事にしてあげる。でもね……自分の発言覚えてないの?覚えてないにしても、ずっと聞きたかった事はあるのでしょ」
「何って……」
そういえば何か口走ってたような気がする。
確か……結婚してくれとか………
「あっ!!?」
もしかしてエクレアに結婚してくれって迫ってた!!!?
(っということは……)
ローインは恐る恐るエクレアの様子を伺う。
なんていうか……その表情はやっと気付いたかって顔をしてた。
その顔で察した。
「ごめん。あの時の言葉は忘れてくれない?」
ローインはこう思っていた。
僕みたいなのと結婚を申し込まれても困るのだろう。
エクレアは僕を友人とかパートナーとしてみてるも伴侶としてはみてない、みる気はない。
母さんから僕との結婚を迫られると焦りだすぐらいだから、むしろ迷惑を感じてるのだろう。
結婚を求められたら困るっと端的にいいたい。
そんな判断を下したからこその上記台詞だったが、それはエクレアにとって逆鱗に触れる言葉だったらしい。
ピキッ
エクレアの中の何かが壊れる音が響いたような気がしたと同時に……
ぞくり
空気が変わった。
背中に寒気が走った。
極寒の地に巻き送る吹雪が襲い掛かったかのような、とてつもない寒気に襲われた。
発生源はエクレアだった。
エクレアがローインを凍てつかせんばかりの冷めた目で睨んでるのだ。
そして……
パチン!!
ローインが何かを発する前にその頬を平手で引っ叩いた。
引っ叩いた……といっても、ものすごい軽くだ。
エクレアがその気なら限定的に発動させた『魔人化』の腕力でもって、歯の数本が吹っ飛んで首がねじ切れるかと思うぐらいの威力でぶっ叩いてくるのだから本当に軽くだ。
それでも不意にだからかなり痛い。
「えっ?い、いきなり……なにを」
じんじんと痛む頬を抑えながらエクレアをみると、彼女は冷めた目から一転してにこっと笑うと……
「さっき私に向かって好きだ!結婚してほしい!って言葉は本心じゃなかったの!?あれだけ本能に忠実な行動取っといて本心じゃないっていうの!!?」
ものすごい剣幕で迫ってきたので思わずおののく。
だが、彼女にしてみればこの程度まだまだ序の口だった。今度はすっーと息を吸い込むと……
「 馬 鹿 に し て る の !? 」
吸い込んだ息と共に、雄たけびのごとき大音量を放出した。
あまりの音量のため周囲に不可視の衝撃波が走るも、彼女は止まらない。
「私だってこれでも女の子なんだよ!!ローイン君の想いに気付かないような鈍感じゃないんだよ!!結婚については人並みにあこがれ持ってるんだよ!!だから私がこうやって催促してるんじゃない!!今までずっと知らぬ存ぜぬな態度貫いてきたのも悪いと思ったからこそ今回こうやって告白の機会を作ってあげてるっていうのに!!態々酒の席とか翌日には忘れてあげるからって本音を言いやすい、玉砕してもダメージがないような状況を意図的に作ってあげたっていうのに一歩も踏み込まずに本音を隠すって……
乙 女 心 っ て も の が わ か ら な い の !!!?
それともあれなの?!!私には乙女心なんてないとか思ってるの?!!
自覚はあるよ!私の乙女心はものすごくねじ曲がってるってね。でも、男の子ならそんな女の子に対して不器用ながら愛を説くぐらいの甲斐性みせてよ!はぐらかすにしても告白してからにしてよ!!!さらにいうならサクラの木で壁ドンとしながら『好きだ』っとか肩を抱いてサクラを見上げながら『結婚しよう』とかで口説くとかしてよ!!私がそういったシチュエーションを好む事ぐらいわかるでしょ!!
そんなことすらわからないのに私と結婚したいだなんて……
ほ ん っ と う に 馬 鹿 に し て る !! 」
「え、えっと」
「酒の席だからって許さないことはある!だから……こう言ったげる!!
『誰があんたなんかと結婚するか、あっかんべ~!!!!』
……っとね」
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