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第3章
5.私のことは置き去りでいいから、モモちゃんだけでも逃げて!!
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「お、お姉ちゃん!早く起き上がって!!」
モモちゃんは焦りながらも、声を張り上げた。
転んだエクレアを急ぎ起こそうと掴まれたままの手を引っ張るも、そんな余裕はない。
モモちゃんの背後にゴブリンが迫ってるのだ。
このままだと間違いなく捕まる。捕まってしまうぐらいならっとエクレアはとっさに動く。
倒れたままだが、腰のポケッシュから取り出した目潰し……麻袋の中に香辛料や毒キノコの胞子や毒蛾の鱗粉等を詰め込んだ……を投げつけた。
ボフン!!
目潰しは今まさにモモちゃんへ掴みかかろうとしていたゴブリンの顔面に当たってくれたようだ。ゴブリン達が激しくむせてせき込んでむせている。
……距離が近すぎてモモちゃんも巻き添えくらって多少せき込んじゃってるも、捕まればその瞬間終わりだ。我慢してもらうしかない。
「走って!私のことは置き去りでいいから、モモちゃんだけでも逃げて!!それで、急ぎお兄ちゃん達を呼んできて!!!」
これで要点は掴んでくれただろう。
今だ倒れてるエクレアを置いて逃げろなんて、酷な選択肢であってもアトリエまで逃げ切れたらそこに兄がいる。
魔物退治が許されるほどの強さをもった兄、ランプがいる。
さらにパーティーを組むトンビやローインもいる。
今はエクレアを見捨てても、自分が逃げきって助けを呼べたら結果として助けられる。
ついでにもう一個理由あったりするが、まぁモモちゃんには逃げる選択肢しかない。
決心ついたようでせき込みながらも目についた鉈……エクレアがこけた拍子に手放してた鉈を引っ掴んだ瞬間……
どぐしゃ!!
近くにいたゴブリンの脳天に躊躇なく振り下ろした。
血飛沫にひるむことなく、足で蹴飛ばしながら鉈を引き抜き、
ザシュッ!!
返す刀の横振りでもう一匹の首を跳ね飛ばす。
そうして最後の一匹がひるんでる隙をみてアトリエ目掛けて走り出した。
ほとんど無意識なのだろうけど、目潰し食らった状態で即座に2匹仕留めるとはさすが修羅の村生まれの子供なだけはあった。
ただ……
「うわ~い、意図通り逃げてくれたのはいいんだけど~~……武器の鉈持ってかれちゃった……」
エクレアは立ち上がりながら、少々うつろな目になりながらついぼやく。
立ち上がる際に何気なく見た足元には、より合わせて結ばれて作られた草の輪があった。
それを見てエクレアはある小鬼殺しの専門家がこう言っていたのを思い出す。
“ゴブリン達は馬鹿だが間抜けじゃない”
万が一というか念のため、正面突破された時ように……
いや、周囲一帯は草の輪による罠を仕掛けまくられてる可能性もある。
姑息な……姑息すぎる子供だましな罠だが、今この場では最大限の効果を発揮する罠だ。
まさに格言通り……ゴブリン達は馬鹿だが間抜けじゃない。
後ろから追いついてきたゴブリン達の群れに二本目の『黒色火薬』をぽい。
再び爆音が響き、何匹かは再び吹っ飛ぶも後続が次々と湧いて出てくる。
仲間がやられようともひるむことなく距離を詰めて来る。
周囲を見渡すと完全に囲まれたようだ。
その数………ざっと見繕っても30匹以上。
「こんな大きな群れが近辺に潜んでたなんて……」
エクレアが住む辺境の村は周囲にバジリスクのような、ラストダンジョン付近のフィールドをうろついててもおかしくない強敵がたまに迷い出てくる程度の危険度をほこる村。
さらにそれらを迎え撃つために集まってきたのは冒険者と書いて戦闘狂、もしくは魔獣や魔物=素材の山=金とみる狩人達。
つまりここらはゴブリンが住みづらい地なのだ。
魔獣にとってゴブリンは餌。冒険者にとってゴブリンは悪即斬な害虫Gもどき。
見かけた瞬間駆逐し、さらに巣まで探し当てて徹底的に潰す。
汚物は消毒っとばかりに巣へ炎を放って徹底的に潰す。
ゴブリンが繁殖するには厳しすぎる地なのだ。
でも現実は御覧のありさま。
1匹みかけたら100匹いると思えのGみたいな繁殖力でもって、人知れず繁殖していたようだ。
そんなゴブリンの大群に囲まれたエクレアはまさに絶体絶命のピンチに陥ったのである。
モモちゃんは焦りながらも、声を張り上げた。
転んだエクレアを急ぎ起こそうと掴まれたままの手を引っ張るも、そんな余裕はない。
モモちゃんの背後にゴブリンが迫ってるのだ。
このままだと間違いなく捕まる。捕まってしまうぐらいならっとエクレアはとっさに動く。
倒れたままだが、腰のポケッシュから取り出した目潰し……麻袋の中に香辛料や毒キノコの胞子や毒蛾の鱗粉等を詰め込んだ……を投げつけた。
ボフン!!
目潰しは今まさにモモちゃんへ掴みかかろうとしていたゴブリンの顔面に当たってくれたようだ。ゴブリン達が激しくむせてせき込んでむせている。
……距離が近すぎてモモちゃんも巻き添えくらって多少せき込んじゃってるも、捕まればその瞬間終わりだ。我慢してもらうしかない。
「走って!私のことは置き去りでいいから、モモちゃんだけでも逃げて!!それで、急ぎお兄ちゃん達を呼んできて!!!」
これで要点は掴んでくれただろう。
今だ倒れてるエクレアを置いて逃げろなんて、酷な選択肢であってもアトリエまで逃げ切れたらそこに兄がいる。
魔物退治が許されるほどの強さをもった兄、ランプがいる。
さらにパーティーを組むトンビやローインもいる。
今はエクレアを見捨てても、自分が逃げきって助けを呼べたら結果として助けられる。
ついでにもう一個理由あったりするが、まぁモモちゃんには逃げる選択肢しかない。
決心ついたようでせき込みながらも目についた鉈……エクレアがこけた拍子に手放してた鉈を引っ掴んだ瞬間……
どぐしゃ!!
近くにいたゴブリンの脳天に躊躇なく振り下ろした。
血飛沫にひるむことなく、足で蹴飛ばしながら鉈を引き抜き、
ザシュッ!!
返す刀の横振りでもう一匹の首を跳ね飛ばす。
そうして最後の一匹がひるんでる隙をみてアトリエ目掛けて走り出した。
ほとんど無意識なのだろうけど、目潰し食らった状態で即座に2匹仕留めるとはさすが修羅の村生まれの子供なだけはあった。
ただ……
「うわ~い、意図通り逃げてくれたのはいいんだけど~~……武器の鉈持ってかれちゃった……」
エクレアは立ち上がりながら、少々うつろな目になりながらついぼやく。
立ち上がる際に何気なく見た足元には、より合わせて結ばれて作られた草の輪があった。
それを見てエクレアはある小鬼殺しの専門家がこう言っていたのを思い出す。
“ゴブリン達は馬鹿だが間抜けじゃない”
万が一というか念のため、正面突破された時ように……
いや、周囲一帯は草の輪による罠を仕掛けまくられてる可能性もある。
姑息な……姑息すぎる子供だましな罠だが、今この場では最大限の効果を発揮する罠だ。
まさに格言通り……ゴブリン達は馬鹿だが間抜けじゃない。
後ろから追いついてきたゴブリン達の群れに二本目の『黒色火薬』をぽい。
再び爆音が響き、何匹かは再び吹っ飛ぶも後続が次々と湧いて出てくる。
仲間がやられようともひるむことなく距離を詰めて来る。
周囲を見渡すと完全に囲まれたようだ。
その数………ざっと見繕っても30匹以上。
「こんな大きな群れが近辺に潜んでたなんて……」
エクレアが住む辺境の村は周囲にバジリスクのような、ラストダンジョン付近のフィールドをうろついててもおかしくない強敵がたまに迷い出てくる程度の危険度をほこる村。
さらにそれらを迎え撃つために集まってきたのは冒険者と書いて戦闘狂、もしくは魔獣や魔物=素材の山=金とみる狩人達。
つまりここらはゴブリンが住みづらい地なのだ。
魔獣にとってゴブリンは餌。冒険者にとってゴブリンは悪即斬な害虫Gもどき。
見かけた瞬間駆逐し、さらに巣まで探し当てて徹底的に潰す。
汚物は消毒っとばかりに巣へ炎を放って徹底的に潰す。
ゴブリンが繁殖するには厳しすぎる地なのだ。
でも現実は御覧のありさま。
1匹みかけたら100匹いると思えのGみたいな繁殖力でもって、人知れず繁殖していたようだ。
そんなゴブリンの大群に囲まれたエクレアはまさに絶体絶命のピンチに陥ったのである。
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