28 / 98
第3章
2.2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね
しおりを挟む
「えっと……何考えてたんだっけ?」
唐突に飛んだ意識を現実に引き戻したエクレア。自分が何を考えてたか思い出そうとする。
そうして思い出したのは……
「そうそう、例のパワーアップイベントでお母さんが乱入した時の事を思い出してたんだっけ。でもってお母さんが目に入った瞬間血の気が引いて意識飛びかけたと思ったら、お母さんお得意のジークブリーカーで正気?にもどされたっと」
涙を流しながら実の娘を締め殺そうとしてきた母、ルリージュの姿にエクレアは決意した。
二度目の挑戦なんて冗談でも企むのはやめよう。
もう命をチップにするような真似やめようっと……
「いや、命のチップにした賭けはしなくとも3年前の身体をチップにした契約は今だ継続中だからまだ悲しませてる最中になるかぁ~……
借金もまだ3000万G残ってるし、このままだと2年後は奴隷生活。うん、本当にごめんなさい。親不孝な娘でごめんなさい」
当時8歳の幼女が3年かけて2000万G稼いで返済……これもすごいが残り2年で3000万G。
単純計算では無理だと思われるも、エクレアはそう思わない。全く思ってない。
なにせエクレアはなんちゃってでも魔法使いとなった。
魔力不足で断念してた錬金術にも手が出せるようになったのだ。
ランプも13歳でまだ一人前な年齢……成人となる14歳で正式に冒険者ギルドへ登録可……ではないけど、今までの努力を認められてトンビとローインの3人でなら魔獣や魔物討伐も任せてもらえるようにもなった。
これを機会にランプ達はアトリエ周辺を中心にして魔獣狩りを行い、狩られた魔獣はエクレアのアトリエまで持ち帰って解体。
その際に捨てるような部分を無料でもらったりするのでそれらは錬金術の練習として活用だ。
もちろん捨てない部分、主に薬の素材となる部分は無料ではなく代価を支払って購入っと、一方的な搾取とならない健全な関係は保てている………と思う。
思うだなんて言い淀んでいるのは……
「なんかもう私のアトリエが3人の拠点になっちゃってるんだよね。おまけにお母さん経由でギルドに私の護衛依頼なんか出しちゃってるから4人でアトリエに泊まり込む事もしばしばあるというか、どう考えても汚い大人から『夕べはお楽しみでしたね』案件を狙ってるとしか思えないんだけど……」
まぁ冒険者生活するなら異性と同室は多々あるし、ギルド側としてはこの依頼を通して慣れとけというわけだろう。
それにエクレアも例のパワーアップイベントの一件でやらかしてるから、母として監視の目を付けるのは当然だとも思ってる。なので監視については素直に受け入れていた。
正気のまま狂っているエクレアは自覚してるのだ。
自分の異常性に……
自覚あっても治す気あんまりないあたり性質悪いが、少なくとも母を悲しませる事はもうしない。
それだけは心に刻んでいた。
「そんなこんなと今までは錬金術習熟のための技術習得メイン、失敗前提の赤字でやってたけど今年からはボチボチ黒字に変換させていくから支出も減るし……
何よりも3年前から挑戦してたあれ。『味噌』と『醤油』が完成~~がんばった私!!どんどんぱふぱふ」
「……エクレアお姉ちゃんなにやってんの?」
さっきからぶつくさ独り言してる様はさそがし奇妙にみえてたらしい。ランプの妹モモちゃん10歳……今日丁度10歳の誕生日を迎えるモモちゃんが胡乱な目でエクレアをみていた。
「これは養豚場の豚を見るような目じゃない辺りまだマシ……なのかな?」
“かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なんだ”
なんて2年前は馬鹿に怯えるだけだった7歳幼女も、今は馬鹿の脳天に躊躇なく酒瓶叩きつけれる程度にたくましくなった。彼女がその気ならマヂで店先に並ばさせる運命を取らせるだろう。
「……何もせずとも2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね」
っとまだまだ借金地獄にいるのに悲壮感なく余裕なエクレアであった。
唐突に飛んだ意識を現実に引き戻したエクレア。自分が何を考えてたか思い出そうとする。
そうして思い出したのは……
「そうそう、例のパワーアップイベントでお母さんが乱入した時の事を思い出してたんだっけ。でもってお母さんが目に入った瞬間血の気が引いて意識飛びかけたと思ったら、お母さんお得意のジークブリーカーで正気?にもどされたっと」
涙を流しながら実の娘を締め殺そうとしてきた母、ルリージュの姿にエクレアは決意した。
二度目の挑戦なんて冗談でも企むのはやめよう。
もう命をチップにするような真似やめようっと……
「いや、命のチップにした賭けはしなくとも3年前の身体をチップにした契約は今だ継続中だからまだ悲しませてる最中になるかぁ~……
借金もまだ3000万G残ってるし、このままだと2年後は奴隷生活。うん、本当にごめんなさい。親不孝な娘でごめんなさい」
当時8歳の幼女が3年かけて2000万G稼いで返済……これもすごいが残り2年で3000万G。
単純計算では無理だと思われるも、エクレアはそう思わない。全く思ってない。
なにせエクレアはなんちゃってでも魔法使いとなった。
魔力不足で断念してた錬金術にも手が出せるようになったのだ。
ランプも13歳でまだ一人前な年齢……成人となる14歳で正式に冒険者ギルドへ登録可……ではないけど、今までの努力を認められてトンビとローインの3人でなら魔獣や魔物討伐も任せてもらえるようにもなった。
これを機会にランプ達はアトリエ周辺を中心にして魔獣狩りを行い、狩られた魔獣はエクレアのアトリエまで持ち帰って解体。
その際に捨てるような部分を無料でもらったりするのでそれらは錬金術の練習として活用だ。
もちろん捨てない部分、主に薬の素材となる部分は無料ではなく代価を支払って購入っと、一方的な搾取とならない健全な関係は保てている………と思う。
思うだなんて言い淀んでいるのは……
「なんかもう私のアトリエが3人の拠点になっちゃってるんだよね。おまけにお母さん経由でギルドに私の護衛依頼なんか出しちゃってるから4人でアトリエに泊まり込む事もしばしばあるというか、どう考えても汚い大人から『夕べはお楽しみでしたね』案件を狙ってるとしか思えないんだけど……」
まぁ冒険者生活するなら異性と同室は多々あるし、ギルド側としてはこの依頼を通して慣れとけというわけだろう。
それにエクレアも例のパワーアップイベントの一件でやらかしてるから、母として監視の目を付けるのは当然だとも思ってる。なので監視については素直に受け入れていた。
正気のまま狂っているエクレアは自覚してるのだ。
自分の異常性に……
自覚あっても治す気あんまりないあたり性質悪いが、少なくとも母を悲しませる事はもうしない。
それだけは心に刻んでいた。
「そんなこんなと今までは錬金術習熟のための技術習得メイン、失敗前提の赤字でやってたけど今年からはボチボチ黒字に変換させていくから支出も減るし……
何よりも3年前から挑戦してたあれ。『味噌』と『醤油』が完成~~がんばった私!!どんどんぱふぱふ」
「……エクレアお姉ちゃんなにやってんの?」
さっきからぶつくさ独り言してる様はさそがし奇妙にみえてたらしい。ランプの妹モモちゃん10歳……今日丁度10歳の誕生日を迎えるモモちゃんが胡乱な目でエクレアをみていた。
「これは養豚場の豚を見るような目じゃない辺りまだマシ……なのかな?」
“かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なんだ”
なんて2年前は馬鹿に怯えるだけだった7歳幼女も、今は馬鹿の脳天に躊躇なく酒瓶叩きつけれる程度にたくましくなった。彼女がその気ならマヂで店先に並ばさせる運命を取らせるだろう。
「……何もせずとも2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね」
っとまだまだ借金地獄にいるのに悲壮感なく余裕なエクレアであった。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説

忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。


捨てられた王子
もふっとしたクリームパン
恋愛
*『拾われた令嬢』と同じ世界観、ふわっとしてます。そちらも読んで頂けるとより楽しんで頂けると思います。
「私、王太子ダルダ・クニスキンは、婚約者であるメルシア・ソロシアンとの婚約を破棄する事をここで宣言しよう!」
本日は、煌びやかな卒業パーティー。そこに華やかに着飾る黒髪のモナと共に入場し、私は皆に告げる。
「そして、私はこの愛するモナ・ドドイナカと結婚する。以上だ、さぁ卒業パーティーを楽しもうじゃないか」
静まり返る周囲に構うことなく、私はモナとフロアの中央を陣取る。ファーストダンスだ。モナと踊る事を楽しみにしていたのだが、なかなか音楽が始まらない。側近達に視線を送れば、ようやく音楽が流れだし、軽やかなステップで私達は踊り始めた。
気後れでもしているのか、私達に続いて踊り出す者はいなかった。だがそれも無理もない話だ。こんなにも可愛らしいモナと王太子である私、ダルダが踊っているのだからな。例え踊る者がいたとしても、私達が皆の視線を集めてしまい、目にされもしないだろう。
視界の端に元婚約者の姿が見えた気がしたが、愛するモナ以外と踊る気はなかった。私は真実の愛を見つけたのだ、さらばだメルシア。
*見切り発車の為、矛盾が出てくるかもしれません。見つけ次第修正します。
*本編10話と登場人物紹介(本編後のメモ書きあり)で完結。*『捨てられた王子と拾われた令嬢』としてアルファポリス様にも投稿しています。内容は変わりません。
随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。
拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。

(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)
青空一夏
恋愛
従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。
だったら、婚約破棄はやめましょう。
ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!
悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

魔法のせいだから許して?
ましろ
恋愛
リーゼロッテの婚約者であるジークハルト王子の突然の心変わり。嫌悪を顕にした眼差し、口を開けば暴言、身に覚えの無い出来事までリーゼのせいにされる。リーゼは学園で孤立し、ジークハルトは美しい女性の手を取り愛おしそうに見つめながら愛を囁く。
どうしてこんなことに?それでもきっと今だけ……そう、自分に言い聞かせて耐えた。でも、そろそろ一年。もう終わらせたい、そう思っていたある日、リーゼは殿下に罵倒され頬を張られ怪我をした。
──もう無理。王妃様に頼み、なんとか婚約解消することができた。
しかしその後、彼の心変わりは魅了魔法のせいだと分かり……
魔法のせいなら許せる?
基本ご都合主義。ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる