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第3章
2.2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね
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「えっと……何考えてたんだっけ?」
唐突に飛んだ意識を現実に引き戻したエクレア。自分が何を考えてたか思い出そうとする。
そうして思い出したのは……
「そうそう、例のパワーアップイベントでお母さんが乱入した時の事を思い出してたんだっけ。でもってお母さんが目に入った瞬間血の気が引いて意識飛びかけたと思ったら、お母さんお得意のジークブリーカーで正気?にもどされたっと」
涙を流しながら実の娘を締め殺そうとしてきた母、ルリージュの姿にエクレアは決意した。
二度目の挑戦なんて冗談でも企むのはやめよう。
もう命をチップにするような真似やめようっと……
「いや、命のチップにした賭けはしなくとも3年前の身体をチップにした契約は今だ継続中だからまだ悲しませてる最中になるかぁ~……
借金もまだ3000万G残ってるし、このままだと2年後は奴隷生活。うん、本当にごめんなさい。親不孝な娘でごめんなさい」
当時8歳の幼女が3年かけて2000万G稼いで返済……これもすごいが残り2年で3000万G。
単純計算では無理だと思われるも、エクレアはそう思わない。全く思ってない。
なにせエクレアはなんちゃってでも魔法使いとなった。
魔力不足で断念してた錬金術にも手が出せるようになったのだ。
ランプも13歳でまだ一人前な年齢……成人となる14歳で正式に冒険者ギルドへ登録可……ではないけど、今までの努力を認められてトンビとローインの3人でなら魔獣や魔物討伐も任せてもらえるようにもなった。
これを機会にランプ達はアトリエ周辺を中心にして魔獣狩りを行い、狩られた魔獣はエクレアのアトリエまで持ち帰って解体。
その際に捨てるような部分を無料でもらったりするのでそれらは錬金術の練習として活用だ。
もちろん捨てない部分、主に薬の素材となる部分は無料ではなく代価を支払って購入っと、一方的な搾取とならない健全な関係は保てている………と思う。
思うだなんて言い淀んでいるのは……
「なんかもう私のアトリエが3人の拠点になっちゃってるんだよね。おまけにお母さん経由でギルドに私の護衛依頼なんか出しちゃってるから4人でアトリエに泊まり込む事もしばしばあるというか、どう考えても汚い大人から『夕べはお楽しみでしたね』案件を狙ってるとしか思えないんだけど……」
まぁ冒険者生活するなら異性と同室は多々あるし、ギルド側としてはこの依頼を通して慣れとけというわけだろう。
それにエクレアも例のパワーアップイベントの一件でやらかしてるから、母として監視の目を付けるのは当然だとも思ってる。なので監視については素直に受け入れていた。
正気のまま狂っているエクレアは自覚してるのだ。
自分の異常性に……
自覚あっても治す気あんまりないあたり性質悪いが、少なくとも母を悲しませる事はもうしない。
それだけは心に刻んでいた。
「そんなこんなと今までは錬金術習熟のための技術習得メイン、失敗前提の赤字でやってたけど今年からはボチボチ黒字に変換させていくから支出も減るし……
何よりも3年前から挑戦してたあれ。『味噌』と『醤油』が完成~~がんばった私!!どんどんぱふぱふ」
「……エクレアお姉ちゃんなにやってんの?」
さっきからぶつくさ独り言してる様はさそがし奇妙にみえてたらしい。ランプの妹モモちゃん10歳……今日丁度10歳の誕生日を迎えるモモちゃんが胡乱な目でエクレアをみていた。
「これは養豚場の豚を見るような目じゃない辺りまだマシ……なのかな?」
“かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なんだ”
なんて2年前は馬鹿に怯えるだけだった7歳幼女も、今は馬鹿の脳天に躊躇なく酒瓶叩きつけれる程度にたくましくなった。彼女がその気ならマヂで店先に並ばさせる運命を取らせるだろう。
「……何もせずとも2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね」
っとまだまだ借金地獄にいるのに悲壮感なく余裕なエクレアであった。
唐突に飛んだ意識を現実に引き戻したエクレア。自分が何を考えてたか思い出そうとする。
そうして思い出したのは……
「そうそう、例のパワーアップイベントでお母さんが乱入した時の事を思い出してたんだっけ。でもってお母さんが目に入った瞬間血の気が引いて意識飛びかけたと思ったら、お母さんお得意のジークブリーカーで正気?にもどされたっと」
涙を流しながら実の娘を締め殺そうとしてきた母、ルリージュの姿にエクレアは決意した。
二度目の挑戦なんて冗談でも企むのはやめよう。
もう命をチップにするような真似やめようっと……
「いや、命のチップにした賭けはしなくとも3年前の身体をチップにした契約は今だ継続中だからまだ悲しませてる最中になるかぁ~……
借金もまだ3000万G残ってるし、このままだと2年後は奴隷生活。うん、本当にごめんなさい。親不孝な娘でごめんなさい」
当時8歳の幼女が3年かけて2000万G稼いで返済……これもすごいが残り2年で3000万G。
単純計算では無理だと思われるも、エクレアはそう思わない。全く思ってない。
なにせエクレアはなんちゃってでも魔法使いとなった。
魔力不足で断念してた錬金術にも手が出せるようになったのだ。
ランプも13歳でまだ一人前な年齢……成人となる14歳で正式に冒険者ギルドへ登録可……ではないけど、今までの努力を認められてトンビとローインの3人でなら魔獣や魔物討伐も任せてもらえるようにもなった。
これを機会にランプ達はアトリエ周辺を中心にして魔獣狩りを行い、狩られた魔獣はエクレアのアトリエまで持ち帰って解体。
その際に捨てるような部分を無料でもらったりするのでそれらは錬金術の練習として活用だ。
もちろん捨てない部分、主に薬の素材となる部分は無料ではなく代価を支払って購入っと、一方的な搾取とならない健全な関係は保てている………と思う。
思うだなんて言い淀んでいるのは……
「なんかもう私のアトリエが3人の拠点になっちゃってるんだよね。おまけにお母さん経由でギルドに私の護衛依頼なんか出しちゃってるから4人でアトリエに泊まり込む事もしばしばあるというか、どう考えても汚い大人から『夕べはお楽しみでしたね』案件を狙ってるとしか思えないんだけど……」
まぁ冒険者生活するなら異性と同室は多々あるし、ギルド側としてはこの依頼を通して慣れとけというわけだろう。
それにエクレアも例のパワーアップイベントの一件でやらかしてるから、母として監視の目を付けるのは当然だとも思ってる。なので監視については素直に受け入れていた。
正気のまま狂っているエクレアは自覚してるのだ。
自分の異常性に……
自覚あっても治す気あんまりないあたり性質悪いが、少なくとも母を悲しませる事はもうしない。
それだけは心に刻んでいた。
「そんなこんなと今までは錬金術習熟のための技術習得メイン、失敗前提の赤字でやってたけど今年からはボチボチ黒字に変換させていくから支出も減るし……
何よりも3年前から挑戦してたあれ。『味噌』と『醤油』が完成~~がんばった私!!どんどんぱふぱふ」
「……エクレアお姉ちゃんなにやってんの?」
さっきからぶつくさ独り言してる様はさそがし奇妙にみえてたらしい。ランプの妹モモちゃん10歳……今日丁度10歳の誕生日を迎えるモモちゃんが胡乱な目でエクレアをみていた。
「これは養豚場の豚を見るような目じゃない辺りまだマシ……なのかな?」
“かわいそうだけど、明日の朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なんだ”
なんて2年前は馬鹿に怯えるだけだった7歳幼女も、今は馬鹿の脳天に躊躇なく酒瓶叩きつけれる程度にたくましくなった。彼女がその気ならマヂで店先に並ばさせる運命を取らせるだろう。
「……何もせずとも2年後にお肉屋さんではなく奴隷市場の店先に並ぶ運命ではあるけどね」
っとまだまだ借金地獄にいるのに悲壮感なく余裕なエクレアであった。
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