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第2章
13.僕を純粋にすごいと言ってくれるのってエクレアちゃんだけなんだよね(side:ローイン)
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サトーマイの死後にエクレアは変わった。
今までの態度はなんだったのかっと言わんばかりに、友好的な態度を示して来たのだ。
険悪どころか影もなくなり、年相応ながらもちょっと悪戯心をだしてる少女らしい態度で3人に接するのだ。
これにはもう面食らうどころではない……
「あれは本当驚いたよ」
ただ、エクレアの態度からして恋愛感情があるようにはみえない。あくまでもローインを恋人ではなく友人としてみている……
先ほど見送った友人の背中は……
年相応の小さな女の子の背中なのに、とても大きく見えた。
ローインでは考えられない程の、想像もできない程の決意を背負っているその背は大きく高くまぶしすぎた……
対して自分はどうだろうか?
自分が持っているものといえば、魔術師である母から受け継いだ“魔力”のみ
それも一流とはいえない、ゴブリン一匹を仕留めるか仕留めないか程度の火の玉を出して終わる程度の“魔力”のみだろう。
まだ⑨歳の年齢から考えたらこれでも才能はあるほうだ。平民は魔力持ちが少ないので十分称賛に値するが、今いる場所は辺境の修羅の地。
魔法に頼ることなく、研鑽を重ねた純粋な技量のみで敵を倒す平民の方がすごいので何の自慢にもならない。
実際、魔法の使えないランプと模擬戦したら、彼は火の玉を打つ前に踏み込んで来る。
最初から距離を取った状態で開始し、火の玉を放つ余裕あっても彼は軽くかわして距離を詰めてくる。
当てられる気がしない。勝てる気がしない。
トンビはそこまで素早くはないから当てられるも、まるで意に介してない。
武器の一振りや盾でかき消しながら、そのままの勢いでタックルを仕掛けてくる。
当てても有効打にならないのだから、やはり勝てる気がしない
年齢差を考慮しても二人とは勝てる気がしないのだ。
もちろん魔法を使える事そのものは強味であり、二人もそこは認めている。
それでも体力のないもやし、接近されたら終わりな足手まといという評価は変わらない。
二人共言葉にはせずとも『魔法以外てんでダメなとこをなんとかしてほしいよなぁ……』というような態度がうっすら見えている。
もちろんローインも努力はしている。接近時の対処だけでなく、戦闘以外でも役立てるように努力はしている。読み書き計算はもちろん、多数の本を読んで知識を深めたりはしても、冒険者……特に辺境は過酷な環境なために強さが優先されやすい。
ローインは親が偉大な事もあってか、余計に評価が辛口になりやすかった。
そんなローインをエクレアは……
“すっごーい!ローイン君はポーションが作れる錬金術師でもあったんだ!!!”
訓練の一環として習ったポーション精製、未熟ながらも最低品質は確保できているポーションが作れるローインを尊敬のまなざしでみてくれていた。
「僕を純粋にすごいと言ってくれるのってエクレアちゃんだけなんだよね」
そう、ポーションの精製は思ってる以上に高等技術なのだ。
ポーションの作り方は一見すれば簡単である。
薬草等から抽出した薬効成分を自身の魔力で増幅や変異させて水に溶け込ませる。ただそれだけだ。
薬の調合のような難しい知識や理論は必要なく、一定の魔力量と魔力を精密に操るセンスがあればそれで作れる。
もちろん上を目指すなら、より詳しい薬学の知識や理論が不可欠であるも、基本的には自身の技量が強く左右される。
技量が高ければ成分を効率よく増幅させられたり、有能な成分への変異率が高まるが、技量が低ければ成分が減少したり予想外の変異の危険性が高まる。
下手すれば毒物へとなり果てる事だってある。
調合した薬と違ってポーションは良くも悪くも製作者の影響力が強い。
毒物となったポーションは薬以上に危険な事もあって、ポーション精製は調合以上に細心の注意が必要となるのだ。
ちなみに、聖職者が作るポーションは祈りによってゆっくり成分を増幅させる形をとっている。
錬金術による力ずくな増幅変異を促さないのでリスクの少ない安定性が保障される代わりに、長い長い祈りの時間が必要とされる。祈りの乱れがポーションの品質に悪影響を与えるので長時間の祈りに耐える精神力が必須だ。
どちらにしろ、ポーションの精製は薬の調合みたく気軽には行えない代物である。
“魔力さえあれば簡単にポーションを作れるんだろう”
“スージーさんは簡単にハイポーション作ってくれるのに、その息子がしょぼいポーションしか作れないだなんて、がっかりだよ”
ポーション精製の難しさを理解しない……いや、過酷な環境故に高品質なポーションをぽんぽん作れる者が多数在住してる事もあってか……
その一流に位置してる一人がローインの母であるスージーな事もあってか、息子であるローインには余計辛口な評価がされやすかった。
そんな中でポーション作りの大変さを正しく理解してるエクレアはローインの努力を認めてくれていた。
魔術師であるとともに錬金術師でもあるスージーの息子としてではなく、ローイン個人をみて褒めたくれる。
自身も錬金術でのポーションに挑戦した経験もあってか、ローインの努力を褒めてくれる。
褒めた上で教えを乞うてくれる。
教えてもらうならもっといい人……それこそ母のスージーの方がよっぽどいいのに、拙い技術と穴だらけの知識しかないローインに教えを乞うてくるのだ。
それはとてもとても心地よい、堕落へと導く悪魔のようなささやきであった……
今までの態度はなんだったのかっと言わんばかりに、友好的な態度を示して来たのだ。
険悪どころか影もなくなり、年相応ながらもちょっと悪戯心をだしてる少女らしい態度で3人に接するのだ。
これにはもう面食らうどころではない……
「あれは本当驚いたよ」
ただ、エクレアの態度からして恋愛感情があるようにはみえない。あくまでもローインを恋人ではなく友人としてみている……
先ほど見送った友人の背中は……
年相応の小さな女の子の背中なのに、とても大きく見えた。
ローインでは考えられない程の、想像もできない程の決意を背負っているその背は大きく高くまぶしすぎた……
対して自分はどうだろうか?
自分が持っているものといえば、魔術師である母から受け継いだ“魔力”のみ
それも一流とはいえない、ゴブリン一匹を仕留めるか仕留めないか程度の火の玉を出して終わる程度の“魔力”のみだろう。
まだ⑨歳の年齢から考えたらこれでも才能はあるほうだ。平民は魔力持ちが少ないので十分称賛に値するが、今いる場所は辺境の修羅の地。
魔法に頼ることなく、研鑽を重ねた純粋な技量のみで敵を倒す平民の方がすごいので何の自慢にもならない。
実際、魔法の使えないランプと模擬戦したら、彼は火の玉を打つ前に踏み込んで来る。
最初から距離を取った状態で開始し、火の玉を放つ余裕あっても彼は軽くかわして距離を詰めてくる。
当てられる気がしない。勝てる気がしない。
トンビはそこまで素早くはないから当てられるも、まるで意に介してない。
武器の一振りや盾でかき消しながら、そのままの勢いでタックルを仕掛けてくる。
当てても有効打にならないのだから、やはり勝てる気がしない
年齢差を考慮しても二人とは勝てる気がしないのだ。
もちろん魔法を使える事そのものは強味であり、二人もそこは認めている。
それでも体力のないもやし、接近されたら終わりな足手まといという評価は変わらない。
二人共言葉にはせずとも『魔法以外てんでダメなとこをなんとかしてほしいよなぁ……』というような態度がうっすら見えている。
もちろんローインも努力はしている。接近時の対処だけでなく、戦闘以外でも役立てるように努力はしている。読み書き計算はもちろん、多数の本を読んで知識を深めたりはしても、冒険者……特に辺境は過酷な環境なために強さが優先されやすい。
ローインは親が偉大な事もあってか、余計に評価が辛口になりやすかった。
そんなローインをエクレアは……
“すっごーい!ローイン君はポーションが作れる錬金術師でもあったんだ!!!”
訓練の一環として習ったポーション精製、未熟ながらも最低品質は確保できているポーションが作れるローインを尊敬のまなざしでみてくれていた。
「僕を純粋にすごいと言ってくれるのってエクレアちゃんだけなんだよね」
そう、ポーションの精製は思ってる以上に高等技術なのだ。
ポーションの作り方は一見すれば簡単である。
薬草等から抽出した薬効成分を自身の魔力で増幅や変異させて水に溶け込ませる。ただそれだけだ。
薬の調合のような難しい知識や理論は必要なく、一定の魔力量と魔力を精密に操るセンスがあればそれで作れる。
もちろん上を目指すなら、より詳しい薬学の知識や理論が不可欠であるも、基本的には自身の技量が強く左右される。
技量が高ければ成分を効率よく増幅させられたり、有能な成分への変異率が高まるが、技量が低ければ成分が減少したり予想外の変異の危険性が高まる。
下手すれば毒物へとなり果てる事だってある。
調合した薬と違ってポーションは良くも悪くも製作者の影響力が強い。
毒物となったポーションは薬以上に危険な事もあって、ポーション精製は調合以上に細心の注意が必要となるのだ。
ちなみに、聖職者が作るポーションは祈りによってゆっくり成分を増幅させる形をとっている。
錬金術による力ずくな増幅変異を促さないのでリスクの少ない安定性が保障される代わりに、長い長い祈りの時間が必要とされる。祈りの乱れがポーションの品質に悪影響を与えるので長時間の祈りに耐える精神力が必須だ。
どちらにしろ、ポーションの精製は薬の調合みたく気軽には行えない代物である。
“魔力さえあれば簡単にポーションを作れるんだろう”
“スージーさんは簡単にハイポーション作ってくれるのに、その息子がしょぼいポーションしか作れないだなんて、がっかりだよ”
ポーション精製の難しさを理解しない……いや、過酷な環境故に高品質なポーションをぽんぽん作れる者が多数在住してる事もあってか……
その一流に位置してる一人がローインの母であるスージーな事もあってか、息子であるローインには余計辛口な評価がされやすかった。
そんな中でポーション作りの大変さを正しく理解してるエクレアはローインの努力を認めてくれていた。
魔術師であるとともに錬金術師でもあるスージーの息子としてではなく、ローイン個人をみて褒めたくれる。
自身も錬金術でのポーションに挑戦した経験もあってか、ローインの努力を褒めてくれる。
褒めた上で教えを乞うてくれる。
教えてもらうならもっといい人……それこそ母のスージーの方がよっぽどいいのに、拙い技術と穴だらけの知識しかないローインに教えを乞うてくるのだ。
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