上 下
14 / 98
第2章

5.“混沌”がその場に出現した(side:俯瞰) ギャグ回

しおりを挟む
 エクレアは笑っていた。

 “狂気”を宿した笑い声を森中に響きわたせながら笑っていた。

 その笑い声は……




「な、なんだこの笑い声は?」

 森の奥から唐突に響いた笑い声がたまたま近くにいた少年たち、ランプ、トンビ、ローインの3人組に届いたようだ。
 急ぎ駆け寄ってみたら……

 瘴気漂う不気味なダークマターの沼の前、仰向けに倒れて狂ったように笑い声をあげているエクレアの姿を発見だ。

「「「………」」」

 当然のことながら、3人は戸惑った。唖然とした。
 一体何があったのか、わけがわからず茫然と立ち尽くすも、状況は刻一刻と変化する。

 笑い声が唐突に途切れた。途切れたのだ。
 これは解毒のために使用された体力を回復させるための眠りについただけなのだが、傍からみたら完全に毒でやられたの図である。

「や、やばい…早く助け出すぞ!」

 ようやく状況が飲み込めたランプ。彼が動いた事で、釣られるように他の2人も同様に動き始める。
 毒気を吸わないよう細心の注意を払いつつエクレアを回収。その後は急ぎその場を離れてアトリエまで連れ戻す。
 幸い鍵はかかっておらず、そのまま寝室のベットへと寝かしつける。

「ど、どうしよ……この場合。どうやって処理を……オロオロ」

「慌てるなトンビ!まずはベットに連れて行って寝かせろ!それで『毒消し』だ、『毒消し』を飲ませるんだ!!」

「毒消し……どれがそれ?」

「だーお前文字が読めなかったの忘れてた!ローイン、お前ポーション作ってるぐらいなんだから薬にもくわしいんだろ、代わりに探せ!!で、トンビは水くんでこい!!」

「あったよランプ君。これを………飲ませる……どうやって??」

「そ、そういえば……ローインやり方わかるか?」

「えっと…確か前に呼んだ書物によると『まうすとぅまうす』をすればいいとか」

「『まうすとぅまうす』…なんだそれ?」

「まずは上に乗っかって口と口を合わせる…」

「よし、口と口を合わせるんだな」


 そんな感じで手当を試みるも、いろいろと混乱中の少年達は気付いてない。
 ありとあらゆるものを間違えてる事に気付いてない。

 まず、『まうすとぅまうす』は人工呼吸なので心肺停止。息をしてない者に施す処置であり、寝息立てて寝ている者に施すものではない。

 さらに、息を吹き込む者は横から口を合わせるものだがランプは真正面から……
 仰向けで寝ているエクレアに馬乗りとなってから口をあわせようとしている。

 どうみてもマウントポジションからの襲い掛かり案件である。

 おまけに彼等は混乱しすぎて『毒消し』を飲ますという工程をすっ飛ばしていた。





 よってあまりの騒がしさで目が覚めたエクレア。
 その目の前には、今まさに口を合わせる……

 マウントポジションからキスを迫るランプが映っており……



「「…………」」


 双方の目線が合わさる。


 合わさった。


 合わさってしまった。



















……………………


 その後、何が起きたかわからない。


 エクレアはこの時“狂気”に囚われていたのか、
 それとも正気に戻っていたのかで反応は違うだろう。

 混乱の極みだった少年達たちも、混乱中故に行動の予測がつかない。

 次の行動が全く読めない状態だ。




 よってこの先起きる出来事は…………



















 “混沌”がその場に出現したとだけ伝えておこう。

















 あっ、ごめんなさい埋めないでください。
 決してオチが思いつかないから丸投げにしたわけじゃないから土かけないでください。

 というかそれダークマター……

 ごめんなさいごめんなさいなんとかオチつけるからやめてちかづけいっしょにうめなかけなああああ……



 アーッ!!!!!!!!!













\(^o^)/



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ

朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。 理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。 逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。 エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。

火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。 王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。 そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。 エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。 それがこの国の終わりの始まりだった。

捨てられた王子

もふっとしたクリームパン
恋愛
*『拾われた令嬢』と同じ世界観、ふわっとしてます。そちらも読んで頂けるとより楽しんで頂けると思います。 「私、王太子ダルダ・クニスキンは、婚約者であるメルシア・ソロシアンとの婚約を破棄する事をここで宣言しよう!」  本日は、煌びやかな卒業パーティー。そこに華やかに着飾る黒髪のモナと共に入場し、私は皆に告げる。 「そして、私はこの愛するモナ・ドドイナカと結婚する。以上だ、さぁ卒業パーティーを楽しもうじゃないか」  静まり返る周囲に構うことなく、私はモナとフロアの中央を陣取る。ファーストダンスだ。モナと踊る事を楽しみにしていたのだが、なかなか音楽が始まらない。側近達に視線を送れば、ようやく音楽が流れだし、軽やかなステップで私達は踊り始めた。  気後れでもしているのか、私達に続いて踊り出す者はいなかった。だがそれも無理もない話だ。こんなにも可愛らしいモナと王太子である私、ダルダが踊っているのだからな。例え踊る者がいたとしても、私達が皆の視線を集めてしまい、目にされもしないだろう。  視界の端に元婚約者の姿が見えた気がしたが、愛するモナ以外と踊る気はなかった。私は真実の愛を見つけたのだ、さらばだメルシア。 *見切り発車の為、矛盾が出てくるかもしれません。見つけ次第修正します。 *本編10話と登場人物紹介(本編後のメモ書きあり)で完結。*『捨てられた王子と拾われた令嬢』としてアルファポリス様にも投稿しています。内容は変わりません。 随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。 拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。

【完結】死がふたりを分かつとも

杜野秋人
恋愛
「捕らえよ!この女は地下牢へでも入れておけ!」  私の命を受けて会場警護の任に就いていた騎士たちが動き出し、またたく間に驚く女を取り押さえる。そうして引っ立てられ連れ出される姿を見ながら、私は心の中だけでそっと安堵の息を吐く。  ああ、やった。  とうとうやり遂げた。  これでもう、彼女を脅かす悪役はいない。  私は晴れて、彼女を輝かしい未来へ進ませることができるんだ。 自分が前世で大ヒットしてTVアニメ化もされた、乙女ゲームの世界に転生していると気づいたのは6歳の時。以来、前世での最推しだった悪役令嬢を救うことが人生の指針になった。 彼女は、悪役令嬢は私の婚約者となる。そして学園の卒業パーティーで断罪され、どのルートを辿っても悲惨な最期を迎えてしまう。 それを回避する方法はただひとつ。本来なら初回クリア後でなければ解放されない“悪役令嬢ルート”に進んで、“逆ざまあ”でクリアするしかない。 やれるかどうか何とも言えない。 だがやらなければ彼女に待っているのは“死”だ。 だから彼女は、メイン攻略対象者の私が、必ず救う⸺! ◆男性(王子)主人公の乙女ゲーもの。主人公は転生者です。 詳しく設定を作ってないので、固有名詞はありません。 ◆全10話で完結予定。毎日1話ずつ投稿します。 1話あたり2000字〜3000字程度でサラッと読めます。 ◆公開初日から恋愛ランキング入りしました!ありがとうございます! ◆この物語は小説家になろうでも同時投稿します。

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

処理中です...