9 / 98
第1章
7.師匠、みててね。私が地獄の底から“逆襲”する様を……
しおりを挟む
「エクレア…その髪は?」
森を抜けて村への入り口には母のルリージュがいた。
師匠と二人っきりで話をしたいと待ってもらっていたのだ。
当然ながら、背中まで届いていた髪がばっさり短くなってた娘の姿に驚いていた。
「お母さん………気にしないで。これは私の決意表明だから」
にっこりと笑う。
髪こそ短いが、顔はいつも通りのエクレアを装う。
そう……装うのだ。
「エクレア……今なら取返しが付くけど、本当にやるつもりなのね」
「もちろん。これから起きることは私だけの責任。何があってもお母さんは関係ないから別にいいでしょ」
自分で関係ないと言いつつも、実際は大あり。髪ならば取返しはつく。時間さえかければ元通りになるが、今からエクレアが行う事は本当に取返しのつかないことだ。
少なくとも時間経過だけで解決はしない。母として考えるならぶん殴ってでも止めに入るべき事柄。だが……
「それでも………いやいいわ。貴女は言い出したら聞かない。どこまでも突き進んでいく頑固者だったし、ある意味ではそれこそ私の娘よってところもあるわ」
幾ばくかの葛藤の後に、ルリージュは笑う。娘の決断を支持することにしたようだ。
(わー後押ししちゃうんだ……)
少なくともエクレアはもっと渋ると思っていた。決断を通すにしてもなんらかの条件ぐらいは出されると思ったのに、予想外なまでにすんなりと通った事で内心ほっと胸をなでおろす。
最悪を想定した強行手段を使わなくてよかったと安堵しつつ、母から2枚の書類を受け取る。
一つは師匠が『霊薬』の代価として差し出した師匠の家…
アトリエの所有権。
あそこには薬に関する様々なものが置いてある。
薬の原料や調合に使用する器材。資料など本当に様々なものだ。
それらはお金に換算すれば膨大なもので十分『霊薬』の代価として釣り合う。
もう一つは借用書。
アトリエを買い戻す分だけの費用が記された契約書だ。その額は5000万G。
返済期限は5年。その時までに返済しきれなかった場合は即奴隷落ち。
社畜奴隷にするも、愛玩奴隷にするも、いっそ肉奴隷にするも、お好きにどうぞっという内容だ。
“自分の命は自分で買う”
それは苦行の道。他者からみれば自ら罪人へと堕ちてから、償いのために歩む贖罪の道。
まさに正道とも聖道ともいえる道にみえるだろうが……
真実は違う。
エクレアにとっては、ただ師匠に“逆襲”するための道。
それこそが“狂気”に侵された……
…y……o……に魅入られて“浸食”されたエクレアの見出した……
とてもとても愚かな選択肢。
“ふふふ…師匠、みててね。私が地獄の底から“逆襲”する様を……”
エクレアは借用書にサインを施した。
この瞬間エクレアは地獄に堕ちた。
『借金地獄』という名前の地獄に堕ちた。
師匠に“逆襲”を仕掛ける……
ただそれだけのために、自らの意思で地獄へと飛び込んだのだ。
狂っているとしかいいようがない。
「それじゃぁグランさん、これで師匠のアトリエは私のものでいいですよね」
外ではあくまで贖罪…自分自身で責任を取る道を選んだ健気な少女にみせる。
“狂気”はみせない。覚らせない。
“今”はみせない……みせてはいけない。
それが…s…o……との約束。
その時が来るまで今は……
“狂気”を内に貯めこむのみ。
「あ、あぁ。契約は成立したが……本当にいいのかい?5000万Gなんて子供が稼げるものでもないし、ましてや奴隷だなんて」
契約書…『霊薬』の引き換えとしてアトリエを受け継いでいた冒険者達は未だ戸惑っているようだ。
まぁ戸惑うのも当然だ。
こんな愚行、良識のある大人なら行おうとした瞬間止める。
現にルリージュだけでなく冒険者達も止めた。見習い時代からずっとお得意様として交流を重ねてきた仲なのだから、親身になって説得にかかった。
それでもエクレアは全く折れない。頑として譲らなかった。
身内である母ですら諦めるに至った愚行だ。赤の他人では説得など無理と悟ったのだろう。
「そうか……わかった。だが、薬は今まで通り買わせてもらうよ。採取の依頼や護衛も引き受けるから何か困ったことがあったらすぐに頼ってほしい」
「もちろん。今まで通り頼りにしてますよ」
契約書を受け取った目の前の冒険者達…お得意様であるグラン、アルト、エルンの3人組に対してにっこりと笑う。
笑いながら思う。この3人…いや、母も含めての4人はいずれエクレアが音を上げる時を待つ気なんだろうなっと。
今は一時の気の迷いと思って、いずれ冷静になった時に慌てて破棄を願い出て来るのを待つ気なんだろうなっと。
そう推測するエクレアであったが………実際は違った。
……………………
ごくごく平凡な母のルリージュと違ってグラン達は冒険者として一流であった。
非凡な才能を腐らせる事なく、さらに磨き上げる事でようやくたどりついた頂きに登ったと自負する彼等だからこそ、確信していた。
エクレアは常識の枠に収まらない、天才とも称される人種だという事を……
そういった人種は得てして一般人が歩まないような過酷な道を歩まされる事を……
それを自分から、まだ10にも満たない子供が望んで歩むのは何か間違ってる気がしないまでもないも……彼等は確信していた。
彼女は歩き通す。
地獄の底から這い上がってくる。
誰の助けもなく、自力で5000万Gという金を稼ぐ。
そして……
いずれは歴史書に語られる『勇者』や『英雄』といった者たちがたどり着いた極地へと到達できる逸材になるっと
そんな確信があったのだ。
彼等の予想は当たっていた。
後世に残された謎の本では、この日の出来事をこう記された。
この日は伝説の始まり……
没年まで様々な逸話を残したエクレア。
『乙女ゲーム』のシナリオバグによって生まれた、ありとあらゆる意味で規格外な存在。
“深淵”の奥底に眠る“混沌”をその身に宿す、“狂気”を想起させるお花畑ヒロイン。
王国含む世界を滅ぼそうとした魔王とも、世界を救った救世主とも言われる、全く両極端な顔を持つ謎深きお花畑ヒロイン。
『薬草畑ヒロイン』
自らをそう称したヒロイン……
エクレア・カカレットが産声をあげた瞬間であったと
森を抜けて村への入り口には母のルリージュがいた。
師匠と二人っきりで話をしたいと待ってもらっていたのだ。
当然ながら、背中まで届いていた髪がばっさり短くなってた娘の姿に驚いていた。
「お母さん………気にしないで。これは私の決意表明だから」
にっこりと笑う。
髪こそ短いが、顔はいつも通りのエクレアを装う。
そう……装うのだ。
「エクレア……今なら取返しが付くけど、本当にやるつもりなのね」
「もちろん。これから起きることは私だけの責任。何があってもお母さんは関係ないから別にいいでしょ」
自分で関係ないと言いつつも、実際は大あり。髪ならば取返しはつく。時間さえかければ元通りになるが、今からエクレアが行う事は本当に取返しのつかないことだ。
少なくとも時間経過だけで解決はしない。母として考えるならぶん殴ってでも止めに入るべき事柄。だが……
「それでも………いやいいわ。貴女は言い出したら聞かない。どこまでも突き進んでいく頑固者だったし、ある意味ではそれこそ私の娘よってところもあるわ」
幾ばくかの葛藤の後に、ルリージュは笑う。娘の決断を支持することにしたようだ。
(わー後押ししちゃうんだ……)
少なくともエクレアはもっと渋ると思っていた。決断を通すにしてもなんらかの条件ぐらいは出されると思ったのに、予想外なまでにすんなりと通った事で内心ほっと胸をなでおろす。
最悪を想定した強行手段を使わなくてよかったと安堵しつつ、母から2枚の書類を受け取る。
一つは師匠が『霊薬』の代価として差し出した師匠の家…
アトリエの所有権。
あそこには薬に関する様々なものが置いてある。
薬の原料や調合に使用する器材。資料など本当に様々なものだ。
それらはお金に換算すれば膨大なもので十分『霊薬』の代価として釣り合う。
もう一つは借用書。
アトリエを買い戻す分だけの費用が記された契約書だ。その額は5000万G。
返済期限は5年。その時までに返済しきれなかった場合は即奴隷落ち。
社畜奴隷にするも、愛玩奴隷にするも、いっそ肉奴隷にするも、お好きにどうぞっという内容だ。
“自分の命は自分で買う”
それは苦行の道。他者からみれば自ら罪人へと堕ちてから、償いのために歩む贖罪の道。
まさに正道とも聖道ともいえる道にみえるだろうが……
真実は違う。
エクレアにとっては、ただ師匠に“逆襲”するための道。
それこそが“狂気”に侵された……
…y……o……に魅入られて“浸食”されたエクレアの見出した……
とてもとても愚かな選択肢。
“ふふふ…師匠、みててね。私が地獄の底から“逆襲”する様を……”
エクレアは借用書にサインを施した。
この瞬間エクレアは地獄に堕ちた。
『借金地獄』という名前の地獄に堕ちた。
師匠に“逆襲”を仕掛ける……
ただそれだけのために、自らの意思で地獄へと飛び込んだのだ。
狂っているとしかいいようがない。
「それじゃぁグランさん、これで師匠のアトリエは私のものでいいですよね」
外ではあくまで贖罪…自分自身で責任を取る道を選んだ健気な少女にみせる。
“狂気”はみせない。覚らせない。
“今”はみせない……みせてはいけない。
それが…s…o……との約束。
その時が来るまで今は……
“狂気”を内に貯めこむのみ。
「あ、あぁ。契約は成立したが……本当にいいのかい?5000万Gなんて子供が稼げるものでもないし、ましてや奴隷だなんて」
契約書…『霊薬』の引き換えとしてアトリエを受け継いでいた冒険者達は未だ戸惑っているようだ。
まぁ戸惑うのも当然だ。
こんな愚行、良識のある大人なら行おうとした瞬間止める。
現にルリージュだけでなく冒険者達も止めた。見習い時代からずっとお得意様として交流を重ねてきた仲なのだから、親身になって説得にかかった。
それでもエクレアは全く折れない。頑として譲らなかった。
身内である母ですら諦めるに至った愚行だ。赤の他人では説得など無理と悟ったのだろう。
「そうか……わかった。だが、薬は今まで通り買わせてもらうよ。採取の依頼や護衛も引き受けるから何か困ったことがあったらすぐに頼ってほしい」
「もちろん。今まで通り頼りにしてますよ」
契約書を受け取った目の前の冒険者達…お得意様であるグラン、アルト、エルンの3人組に対してにっこりと笑う。
笑いながら思う。この3人…いや、母も含めての4人はいずれエクレアが音を上げる時を待つ気なんだろうなっと。
今は一時の気の迷いと思って、いずれ冷静になった時に慌てて破棄を願い出て来るのを待つ気なんだろうなっと。
そう推測するエクレアであったが………実際は違った。
……………………
ごくごく平凡な母のルリージュと違ってグラン達は冒険者として一流であった。
非凡な才能を腐らせる事なく、さらに磨き上げる事でようやくたどりついた頂きに登ったと自負する彼等だからこそ、確信していた。
エクレアは常識の枠に収まらない、天才とも称される人種だという事を……
そういった人種は得てして一般人が歩まないような過酷な道を歩まされる事を……
それを自分から、まだ10にも満たない子供が望んで歩むのは何か間違ってる気がしないまでもないも……彼等は確信していた。
彼女は歩き通す。
地獄の底から這い上がってくる。
誰の助けもなく、自力で5000万Gという金を稼ぐ。
そして……
いずれは歴史書に語られる『勇者』や『英雄』といった者たちがたどり着いた極地へと到達できる逸材になるっと
そんな確信があったのだ。
彼等の予想は当たっていた。
後世に残された謎の本では、この日の出来事をこう記された。
この日は伝説の始まり……
没年まで様々な逸話を残したエクレア。
『乙女ゲーム』のシナリオバグによって生まれた、ありとあらゆる意味で規格外な存在。
“深淵”の奥底に眠る“混沌”をその身に宿す、“狂気”を想起させるお花畑ヒロイン。
王国含む世界を滅ぼそうとした魔王とも、世界を救った救世主とも言われる、全く両極端な顔を持つ謎深きお花畑ヒロイン。
『薬草畑ヒロイン』
自らをそう称したヒロイン……
エクレア・カカレットが産声をあげた瞬間であったと
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

婚約破棄に激怒したのはヒロイン!?
荷居人(にいと)
恋愛
魔法のiらんどでも公開中。
「貴様とは婚約破棄だ!」
やはりどう頑張ってもこうなるのだと私は変えられなかった未来に絶望した。生まれてすぐ転生したことに気がついて、前世やっていた乙女ゲームの悪役令嬢であったことを自覚し、未来の処刑回避に努力してもしても婚約は成立し、ヒロインを避けては通れないゲームの強制力。
せめて国外追放となるように抵抗しなければと思うのに声が、身体が震えて何一つ言い返せない。そんな中、その空気を打ち破ったのは私が処刑される理由となるヒロインだった。
「さっきから聞いてれば……ふざけないで!こんのバカ王子!」
「な………っ何を」
突然怒り出すヒロインに動揺する王子を気に止めることなく怒鳴り散らすヒロイン。これは一体どういうこと?
荷居人の婚約破棄シリーズついに第十弾!
今回のヒロインは悪役令嬢の味方!?しかし、このヒロインちょっとやばめ……危険香るヒロインと本来なら悪役令嬢になっていた繊細な転生令嬢による王子と王子側近たちの断罪物語。
一~九弾は荷居人タグで検索!番外編は常に連載中ですが、本編は完結済みです!

【完結】呪いのせいで無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになりました。
里海慧
恋愛
わたくしが愛してやまない婚約者ライオネル様は、どうやらわたくしを嫌っているようだ。
でもそんなクールなライオネル様も素敵ですわ——!!
超前向きすぎる伯爵令嬢ハーミリアには、ハイスペイケメンの婚約者ライオネルがいる。
しかしライオネルはいつもハーミリアにはそっけなく冷たい態度だった。
ところがある日、突然ハーミリアの歯が強烈に痛み口も聞けなくなってしまった。
いつもなら一方的に話しかけるのに、無言のまま過ごしていると婚約者の様子がおかしくなり——?
明るく楽しいラブコメ風です!
頭を空っぽにして、ゆるい感じで読んでいただけると嬉しいです★
※激甘注意 お砂糖吐きたい人だけ呼んでください。
※2022.12.13 女性向けHOTランキング1位になりました!!
みなさまの応援のおかげです。本当にありがとうございます(*´꒳`*)
※タイトル変更しました。
旧タイトル『歯が痛すぎて無言になったら、冷たかった婚約者が溺愛モードになった件』

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
目を閉じたら、別れてください。
篠原愛紀
恋愛
「私が目を閉じたら、別れていいよ。死んだら、別れてください」
「……無理なダイエットで貧血起こしただけで天国とか寝ぼけるやつが簡単に死ぬか、あほ」
-------------------
散々嘘を吐いた。けれど、それでも彼は別れない。
「俺は、まだ桃花が好きだよ」
どうしたら別れてくれるのだろうか。
分からなくて焦った私は嘘を吐く。
「私、――なの」
彼の目は閉じなかったので、両手で隠してお別れのキスをした。
――――
お見合い相手だった寡黙で知的な彼と、婚約中。
自分の我儘に振り回した挙句、交通事故に合う。
それは予期せず、防げなかった。
けれど彼が辛そうに自分を扱うのが悲しくて、別れを告げる。
まだ好きだという彼に大ウソを吐いて。
「嘘だったなら、別れ話も無効だ」
彼がそういのだが、――ちょっと待て。
寡黙で知的な彼は何処?
「それは、お前に惚れてもらうための嘘」
あれも嘘、これも嘘、嘘ついて、空回る恋。
それでも。
もう一度触れた手は、優しい。
「もう一度言うけど、俺は桃花が好きだよ」
ーーーーーー
性悪男×嘘つき女の、空回る恋
ーーーーーー
元銀行員ニューヨーク支社勤務
現在 神山商事不動産 本社 新事業部部長(副社長就任予定
神山進歩 29歳
×
神山商事不動産 地方事務所 事務員
都築 桃花 27歳
ーーーーーー

元カレの今カノは聖女様
abang
恋愛
「イブリア……私と別れて欲しい」
公爵令嬢 イブリア・バロウズは聖女と王太子の愛を妨げる悪女で社交界の嫌われ者。
婚約者である王太子 ルシアン・ランベールの関心は、品行方正、心優しく美人で慈悲深い聖女、セリエ・ジェスランに奪われ王太子ルシアンはついにイブリアに別れを切り出す。
極め付けには、王妃から嫉妬に狂うただの公爵令嬢よりも、聖女が婚約者に適任だと「ルシアンと別れて頂戴」と多額の手切れ金。
社交会では嫉妬に狂った憐れな令嬢に"仕立てあげられ"周りの人間はどんどんと距離を取っていくばかり。
けれども当の本人は…
「悲しいけれど、過ぎればもう過去のことよ」
と、噂とは違いあっさりとした様子のイブリア。
それどころか自由を謳歌する彼女はとても楽しげな様子。
そんなイブリアの態度がルシアンは何故か気に入らない様子で…
更には婚約破棄されたイブリアの婚約者の座を狙う王太子の側近達。
「私をあんなにも嫌っていた、聖女様の取り巻き達が一体私に何の用事があって絡むの!?嫌がらせかしら……!」
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる