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第1章

2.私、もしかして異世界転生をした!?  ※ SAN値直葬注意

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「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」


 思わず絶叫をあげた。
 頭をかかえ、激しく頭を振り回す。

 振り回す度に激痛が走るも頭の中はそれどころじゃない。


 意識を失う直前に見た光景……

 身体の自由を容赦なく奪う瞳……

 冥界へ通じるかのような黒い黒い闇を讃えた口内……

 今なお“深淵”の奥底からこちらを見つめている“ナニカ”が……


 窓に!窓に!



 助けて!!!


 たすけて!!!


 タスケテ!!!



 タス…k……



 タs……t……




 ……s……k……





 k………ル…













……………………


 どれだけ頭を振っていたのかわからない。
 暴れていたかわからない。
 “狂気”に囚われていたのかわからない。

 気が付いたら誰かに抱きしめられていた。


「エクレア…落ち着いた?」

「えっと……おかあ…さん?私は……私は」

「大丈夫よ。貴女は生きてるわ。助かったのよ……もう目覚めないと思ってたのに、」

 母は抱きしめてくれていた。
 恐怖に震えている私を優しく、あやすようにして抱きしめてくれている。
 ただ、身体の節々が痛すぎるせいか脳内で『この野郎!ジーグブリーカー!死ねぇっ!!!』って幻聴が聞こえてくる程度にやばい。

「お母さん。いたい…死んじゃう」

 訴えたらすぐ離れてくれた。
 とても優し気だけどちょっと影のある…おそらく寝ずの看病をしてくれてたのだろう眼に隈ができたお母さんの顔だ。

 お母さんの顔を見つめながら、改めて首筋を触るとそこに走るのは痛み。
 痛みがあるというのは生きている証拠。

「………うん、生きてるけど……何があったの?」

「覚えてないの?貴女は3日間も眠りっぱなしだったのよ。エクレア」

「エクレア…誰それ?」

「貴女の名前よ。ちょっと寝ぼけてるようね。水でも飲んで一息つきなさい」

「う、うん」

 記憶が戻ったかと思ったら、また思い出せなくなるの繰り返し。
 記憶喪失なのか、そうでないのか、よくわからないもとりあえず落ち着こう。

 私ことエクレアは水を両手で受け取る。
 痛みで力が入らないから、右手で掴んで左手は添えるだけ……
 なんてどっかのバスケマンガの真似をしつつ水を飲む。

 水だ。無味無臭の純粋な水。普通の美味くもない水でも身体が水分を欲していたからとても美味く感じる。
 飲みきったら頭が段々とさえてきた。


 そうだ。私はエクレアだ。
 ここ、ストロガノフ王国の端っこの端っこ。
 辺境の田舎の村、ゴッドライフで暮らすエクレア8歳。幼女である。

 そして、エクレアとはまた別の記憶がある。

 ものすごい朧気ながらも、地球の日本という島国で暮らしてた私。『名前』はまだない。

 本当はあるのだろうが、思い出せない。

 名前が思い出せないっということは気になるも………


 これだけは言っておこう。


 “私、もしかして異世界転生をした!?”


 状況はわかった。
 まらまだわからないことだらけだが、とりあえず今現在最優先でやらないといけない事ぐらいはわかる。

 それは……

「お母さん、なんだか眠たくなったから少し寝るね」

 寝る事だ。
 いろいろとありすぎて脳内の処理が追いつかないから寝る事にしたのだ。
 だからこれは現実逃避ではない。

 断じてないっと言い聞かせつつ私はもう一度眠りに着く事にした。







 ……そういえばさっきの夢の中で誰かと会った気もするけど……






 きっと気のせいだろう。



 だからお休み。



















 ……セ…r



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