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魔王との出会い

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 シャルロッテは泣きながら、宮殿に用意された自室に戻った。
 彼女は王子との婚約を多少楽しみにしていた。
 政略結婚とはいえ、王子の人柄には惹かれるところがあったからだ。
 しかし、王子は突然、私の幼馴染と婚約したと言ってきた。
 シャルロッテは心を打ち砕かれた。

 そして、今度は魔王と婚約させられるというのだ。
 彼女は魔王のことを何も知らなかった。
 彼はどんな人なのだろうか?
 噂通り、虐げるような人物だろうか?

 シャルロッテは不安で眠れなかった。

 後日、レオンは黒い馬車で城にやってきた。
 彼は黒いマントに身を包み、顔を隠していた。

 パーティーで所在無げに壁の花にしているシャルロッテに向かってきた。

 彼はシャルロッテを連れて行くと言った以外、ほとんど話さなかった。

 唯一の発言は、王に対して「後日、また」と言ったことだった。

 シャルロッテは恐怖で震えながら、馬車に乗り込んだ。
 父や王に皮肉を言われたりしなかったことは、不幸中の幸いだったかもしれない。

 馬車は長い旅路を経て、魔界の城に着いた。
 レオンはシャルロッテを自分の部屋に連れて行った。

「ここが君の部屋だ」とレオンは言った。

「ありがとう……」とシャルロッテは小さく呟いた。

 レオンはマントを脱いだ。

 シャルロッテは息を呑んだ。

 レオンは美しかった。

 彼は金色の髪と碧色の瞳を持つ、人間と変わらない姿だった。
 しかし、彼の耳は尖っており、角が額から生えていた。また、彼の背中には黒い翼があった。

「君は驚いているだろう」とレオンは微笑んだ。
「私は人間と魔族のハーフだからな。両方の特徴を持っている」

「あなたは……本当に魔王ですか?」とシャルロッテは聞いた。

「そうだよ。でも、心配しないで。私は君に優しくするつもりだ。君は私の妃だから」

「妃……」

 シャルロッテは目を伏せた。

 レオンは彼女の頬に手を当てた。
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