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第3章 学園編

格闘試験

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①の格闘会場は人が多く集まっていた。

シンは周りを見渡すと、体格の良い者、鎧を覆っている者、変わった武器を持っている者が多い。

格闘試験と言っても、スキルを使ってはいけないというわけではない。武器を使っていけないわけでない。

魔法の試験と比べて、肉体を扱っているかどうかである。つまり、身体強化魔法も使用可能である。

「よぉ。そこのヒョロイの。あんたの見てくれはここの会場にはそぐわない。つまり、相当な自信があるんだろう?是非とも当たらないでほしいぜ。」

そう言って背の高く、大型な盾を持つ者が話しかけてきた。

「シンです。魔法とかは苦手なので、今回は①でなんとか突破できればと思います。名前を伺ってよろしいですか?」 

そう聞き返すと手を出して

「ナッジだ。よろしくな。」

そう返す。


「それでは格闘でのテストを開始致します。今回のルールに関しては、魔獣戦闘を行います。5人1組とし部屋に入っていただきます。そこでの闘いを考慮して判断させていただきます。それでは、各々空いている部屋を目指してください。なお、端数になった場合は、その人数で挑んでいただきます。」

そう試験官から声がかかると多くの者は一斉に会場に向かう。

5人でいかないと不利なのだろう。そう思い、一斉に向かう人が多く押し合いになっている。今までは一対一での対戦などであったが、今回はそれとは異なる見たいであり、動揺しているものも多い。

シンはその光景をボーッと見ている。

「おい、シン。どうするんだ?」

そうナッジは聞いてくる。

「ナッジ。少し落ち着いてきたら、一緒に人集めをしないか?それで3人集めて挑もう。わからない相手と即連携は厳しい。敵がわからないのに飛び込むほど危険を冒す必要性はない。ナッジは盾使い、俺は拳闘士って所だから騎士もしくは剣術タイプ、忍者もしくは暗殺者のような不意をつけるやつがいた方が良い。」

「了解だ。魔獣戦闘と言っているし5人を相手にする条件を考えると各々しっかりしないとな。」

少し待ち、周りを見渡すと何人かは動かず様子を見ている者も居た。


少し時間が経過すると

「君も気がついているんだな。タダン=ジョージだ。剣術が得意だ。横にいるのは俺の共のアリサだ。忍者だ。よろしく。」

そう言って金髪で長剣を携えた男が声をかけてくる。

(ジョージ?)
そう悩みながら

「シンです。よろしくお願いします。今回の試験では拳を使います。今、他にナッジという盾遣いがいます。あの・・・ジョージってそういう意味ですよね?」

そう聞き返すと

「そうだ。ジョージ家継承権13番目である。アリサはウチに仕えているジョンソン家。それなりに鍛えていると思うが魔獣戦闘はした事ないので足を引っ張らないつもりだ。」

自信満々にそう語る。普通貴族なら、お金だけ払い、試験免除を行う事で、落ちるリスクを回避するべきである。因みに、試験に落ちた時はお金を支払ってもその年は合格にすることはできない。つまり、留年となる。
余程、実力がなければ試験を挑むことはないはずである。

「頼りにしますね。」


そう3人で話をしているとナッジが女の子を連れてくる。

強引に引っ張ってきているため、拉致しているかにも見える。

「おーい、シン。連れてきたぞ。槍使いでも大丈夫だよな。」

「ナッジ。彼女の同意は得ているのか?拉致しているようにも見えるんだが。」

「あー大丈夫。俺の知り合いが丁度よくいたからな。同じ故郷のナナエだ。」

そう言うと

「ナナエです。槍術が得意です。ナッジとは腐れ縁です。ナッジより強いです。よろしくお願いします。」

「シンだ。拳を使う。」
「俺は剣術を使うタダンでこっちが忍者のアリサ。よろしくな。」

自己紹介を終え、今後について話をする。

「近距離で敵の注意を引きつけるのがナッジ、その後ろに俺(シン)、中距離がナナエ、全範囲でアリサ、指揮とバランスをタダンが行う感じかな。」


タダンは、一考し、

「指揮はシンの方が良いのでは?俺よりも向いている気がするが。」

すかさずシンは返答する。

「俺の今回は超近距離になるので、剣とかを使えるタダンの方が適応かと。実戦で指揮などは体験済みであろうし。」

確かにしたことがあるとタダンは頷く。

「まぁ集まったばかりの者達なので作戦は殆どないが役割だけは全うしよう。」

そう言い、会場に5人は向かっていったのである。
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