ゆうのゆううつ

しんぺー

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会議

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 みお姉との電話の後、メールで家族に「話があるから先にリビングに集まっといてほしい」と送っておいた。

 俺の家族では、重要な要件や主張、相談があればうちのリビングで家族会議が開かれる。

 普段は自分の口から物を言うことはあまりないからか、俺がよほど重要なことを話すのではないかと悟ったらしい。

 家族のみんなが、メールを見るなりリビングへ来てくれている様子が、俺の部屋からでも分かった。

 みんなが集まったことを確認し、俺もリビングに足を運ぶ。


(いや待てよ...今の俺の姿を見たら両親や姉たちはどのような反応をするのだろう?)

 ふとそんな事を考えたが、そんなこと気にするまでもない。

 いくら姿が違えど、この15年間、いっしょに暮らしてきた家族だ。

 雰囲気や口癖とかでわかってくれるに違いない。


「こういうときに家族の絆ってものが試されるんだよなぁ」

 と、しみじみしながらつぶやき、リビングに入る。

 すると俺の姿を見るなり、部屋中に叫び声が響き渡る。

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!やっぱり彼女さんじゃない!!私の予想はやっぱり当たってたのよ!!」

「父さんは感動しているぞ...優も男になったなぁ...」

 と、うちの母と父が暴走していた。

「マジで可愛いじゃん!ねぇねぇ名前なんて言うの?ゆうくんのどこが好きになったの!?」

「てかあんた、優のパジャマ着てるじゃん...てことはもしかして昨日の夜、優と一緒に....」

 キャーキャーと言いながら、うちの姉たちも楽しそうに暴走しだす。


 もはや誰一人として俺のが河合優であるとは思っていない。

 家族の絆って...なんだったんだろうと思いふけっていると

「そういえば肝心のゆうくんはどこなの?」

 と母がやっと話しを切り出してくれた。

「俺だよ、俺が正真正銘あんたたちの家族の河合優だっての」

「ええええぇぇぇ!!!!」と今度は衝撃だったのか、また叫び声を上げていた。


 興奮気味の家族を落ち着かせたあと、この姿になった経緯と、このことは秘密にしておいてほしいということを伝えた。

「という感じで、俺はこれから女の子として過ごすからよろしく、じゃあ閉廷!」

 ここにいてもあれやこれや聞かれてめんどくさいので、そそくさと部屋に戻ろうとする。

 すると、あい姉に肩をつつかれ、

「ゆうくん、あとで私の部屋に来てね!」

 とだけ言い残して、あい姉はそそくさと自分の部屋に帰っていった。


 あい姉は、河合家の長女で、大学2年生、穏やかで優しい聖女みたいな人だ。だが本当に怒らせてしまうと、般若みたいになるので、怒らせることは我が家ではタブーとされている。


 今まで部屋に入ることは許されてなかったのに、どうしていまさら...

 あれこれ考えても仕方がないので、とりあえずあい姉の部屋に行くことにした。







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