吉祥やおよろず

あおうま

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本編のおはなし

<第三万。‐半解の神様‐> ②

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                  ◇

 四限目の英語の授業が終わってようやく昼放課が訪れても、弁財さんは教室には戻って来ていない。
 といっても、トイレに籠った後に保健室に移動して休んでいたことは、吉祥ちゃんが教えてくれた。
 だから、もしかしたらまた誰かに何かをされているのかも、といった心配はしなくても良かったので、安心して授業を受けられた。

「――なるほどな。そんな面倒な事になってるとは」

 真面目な弁財さんが四限目の授業に参加しなかった事実に面食らっていたけれど、鞍馬はボクの説明した経緯でようやく事態を把握したようだった。
 『いまさら把握しても遅えよ鞍馬くたばれ』と、常のボクであれば思っていたかもしれないけど。
 今回は鞍馬に一切の責任はない上に、意味もわからず巻き込んでしまった被害者でもあるのでちょっと申し訳ない。むしろ謝罪しないといけないくらいだろう。

「いまさら把握しても遅えよ鞍馬くたばれ……」

 やっばぁ。
 謝ろうと思ったのに、ついつい八つ当たりしちゃったゾ。
 ゴッメーン☆

「俺に毒づくくらいだからまだ元気が残ってるのかとも思ったが、そういう訳でもなさそうだな。普通に言葉に覇気がないし。めちゃくちゃヘコんでんじゃねぇか」

 ボクの悪態の吐き具合で元気の度合い推し量ると止めてくれる?
 なんか熟練のサドマゾコンビのおホモだちみたいじゃないの。

「そんなことないしぃ、めっちゃ元気あふれ出てるし……」

「いまその強がりに意味はあんのか?誰に対して見栄を張ってんだよ。こんな時くらいは素直になれって」

 確かに全くもって鞍馬の言うとおりである。
 一人でなんとかしようとムキになって、結果がこの体たらくなのだ。もうボク一人の力と意地だけで何とかなるレベルの話ではなくなってしまっている。

 極限レベルに弁財さんに嫌われてしまったわけだし。
 きっとギャルゲーによくいる好感度を教えてくれる謎に便利な悪友に聞いたとしたら、弁財さんからの好感度はマイナス方向にカンストしてると告げられる状態だろう。ふぁっく。

「はぃぃごめんなさい。助けてぇ」

「俺が促したこととはいえ、伊呂波が素直に謝った上に、そこまで弱気になって助けを求めるレベルにやべぇ状態なんか」

 元気出せとばかりに頭をポンポン撫でてくる鞍馬の手を、『ホモ行為は勘弁!』と払い除ける元気もなく、ボクはされるがままに撫でられていた。
 今のボクならば容易にハイエースで拉致できてしまうだろう。元気カラッカラな状態では、ろくに抵抗も出来そうな気がしない。

 ひとまず、少しでも英気を養うためにお昼ご飯でも食べ始めようと思い始めた矢先。
 今日のボクにそんなのんびりした平穏は許されないのか、弁財さんの様子を見に行ってくれていた吉祥ちゃんが、焦った様子でボクのもとに戻って来た。

(伊呂波ちゃんっ!弁財さんが保健室を出ました!購買でパンと飲み物を買った後、どこか校舎外で食べられる場所を探しているみたいです。それにノートを隠したあの人たちも弁財ちゃんの後をつけ始めましたっ!急いだほうがよさそうですっ!)

 それでも、たとえどれ程落ち込んでいたとしても、今のボクにはやらなければならないことがあるのだ。
 弁財さんに拒絶されてグッタリ凹みながら、鞍馬に撫でられ続けているままではいられない。
 ってかいつまで撫でてんだっ!流石に金取るぞっ!

「どうする?まずは委員長を見張る方と仙兄に相談する方にでも分かれて」

 吉祥ちゃんが見えない鞍馬は悠長にそんなことを言ってきたけど、今後のことを相談している場合でもなけりゃ、当然お昼食べてる場合でもなくなってしまった。

「ごめん鞍馬。ボクまた行ってくる」

「……また急だな。いつもの勘ってやつか?」

「うん、そう。いつもの勘ってやつ」

 これまで吉祥ちゃんへのお願いを、周りには勘だなんて誤魔化していたけれど、実際は当然『勘』なんかじゃない。ちょっとした裏技というか、チートの類だ。
 吉祥ちゃんというファンネルを飛ばしているのだから。

「お前の勘は妙によく当たるからな」

 鞍馬にすら誤魔化しているのだし、きっと今後もその真相を誰かに言うつもりもないのだけど。

「んで鞍馬、お願いなんだけど」

 ボクの様子を見た鞍馬は、広げようとしていた弁当箱を仕舞い、もうすでに立ち上がっていた。

「わかってる。なんでも手伝ってやるよ」

「それじゃ鞍馬には、仙兄に今の状況を教えに行ってもらおうかな」

「いや、今度は俺も一緒に行く。今の伊呂波一人に任せても、委員長と話が必要になったときに拗れるだろ?」
 
 ボクの提案を断り鞍馬は代替案を提示してくれたけど、正直二人で向かうのは乗り気ではなかった。
 だって。

「ありがとう鞍馬。でもボクだけで大丈夫だよ?だから鞍馬は仙兄を探しに行って欲しい。もし鞍馬まで弁財さんに嫌われるなんてことになったら……」

「そしたら二人で謝って誤解を解くだけだ。問題ないだろ。」

 うげ。鞍馬さんやっべぇ超カッコいいですわ。
 ボクが女子だったら思わず惚れてしまうとかって間違いを起こしていたかもしれないっ!

「鞍馬ってホント、お人好しが過ぎるよね。ありがとう」

 今は素直に鞍馬の厚意に甘えておこう。
 ボクがなんか考えてやっても、今日は全部裏目に出てしまっているし。

 とりあえず事態は急を要するわけだし、四の五の考えてないで急いで弁財さんのもとへ向かわなければ。
 ボクは机の上に出していたお昼ご飯もそのままで、急いで椅子から立ち上がり、鞍馬に向けて親指を立てた手を向けた。

「その鞍馬の心意気!星3つ☆だねっ!」

「馬鹿にしてんのかっ!いきなりオチャラケやがって……でもまぁいつもの調子を取り戻してきたってことで水に流してやる。言い争いしてる場合でもなさそうだしな」

 呆れながらも不敵に笑う鞍馬に釣られて、安心感からかボクの頬も緩んでしまう。

(伊呂波ちゃん急いでくださいって!鞍馬くんとイチャイチャしてる場合じゃないんですよっ!?)
 
 はいはい、わかっておりますともさ!
 あとイチャイチャ言うの止めなさいマジでっ!
 
 つい数分前まではソコソコに落ち込んでいた気もするけれど、今はもう大丈夫!
 最強の味方も手に入れたし、あとはもう思うままに信じるままに行動するのみ!

「弁財さんがいる大体の場所はわかってるんだ。まずはそこに急ごうっ!」

「了解!そんでどうする?急いでるんなら伊呂波のこと担いで行くか?一緒に動くならその方が早いしな?」

「メチャクチャ目立つわっ!あれは学園内じゃやらないの!禁止なのっ!これ以上に不快な噂の原因を増やしてどうすんのさ!めっちゃ頑張って走るから早く行くよ!」

「はいはい精々頑張ってくれ!でも最悪間に合わないってなったらお前が駄々こねようが問答無用で担ぐからな!?それが嫌なら死ぬ気で頑張れよ!」
 
 そうしてボクらは慌ただしく、いきおいよく教室のドアをくぐりぬけたのだった。

                  ◇

 八百万学園の敷地は広大な上に、ボクらが出発した教室棟から弁財さんの向かっている場所までは結構距離があるらしいのだ。
 奴らが弁財さんをつけている危険な状況もある訳だし。
 兎にも角にも急がなければならないのだけど。

「はぁ……はぁ……ごめんもう限界。ボクのことはいいから先に行ってぇ……」

「限界早すぎだろっ!ったくしかたねぇなぁっ!」

 開始5分の全力疾走でフラフラになってしまった情けないボクを、約束通り鞍馬が抱え上げて肩に担いだ。
 もうこうなったら、どれだけ衆目を集めようとも、恥も外聞もかなぐり捨てて鞍馬の肩にお世話になるしかない。

 後で発生するかもしれない新たなクソ噂なんかは、とりあえず気にしないでおこう。
 いつか未来のボクよ、そうなった時はゴメン。今この瞬間の判断を恨みながら精々後悔してくれ。

「お前はもっと運動しろ!このひきこもりがっ!」

「う、うるさいっ!悪態吐く暇あったら足を動かせ!馬車馬のようツバ撒き散らかして必死に走れっ!」

「窓から放り投げんぞっ!」

 昼休みということもありそこら中にいる学園生たちの間を、時にすり抜け、時に避けてもらいながら、ボクらは廊下をひた走った。

「応援してあげてるんだよ!……サラマンダーより、ずっとはや~い」

「ふざけてる場合か!ほら!この先どっちだ!?」

 ただでさえ身長の高い鞍馬がボクを担ぎながら廊下を走っているのだ。そりゃまぁ注目されますわな。
 だとしても、衆目をいくら集めようとも、足を止めてる余裕も人気のない道を選択している余裕もない。

「そこは真っすぐ直進!その先を右に曲がって階段下りて!4㎞先に渋滞があります!」

「カーナビか!階段では舌噛まないようにその減らず口を閉じてろよ!」

 ボクを担いでいることなどモノともせず、人を避けながらも階段をピョンピョン駆け下りていく鞍馬のスピードは半端なかった。常人ならざる早さでドンドン階を下っていく。
 こいつの天職は飛脚だろう。江戸時代に生まれていれば伝説の飛脚として名を残していたかもしれない。
 惜しい男である。うむり。

「ほら!一階まで下りたぞ!次はどっちだ!?」

 そしてボクらは近づいていく。
 その場所に、その瞬間に。

「鞍馬!もうすぐ弁財さんに追いつくっぽい!」

「はいよ!どうする?このまま委員長と合流するか?」
 
 ようやっと下駄箱まで辿り着き、ボクを肩から降ろして上履きから外履きに履き替える鞍馬に習って、ボクも靴を履き替え校舎外に出るための準備を整える。
 教室棟の出入り口を抜けて、もう一度ボクを担ごうとした鞍馬を手で制した。

「いや、ちょっと待って。うむむ……」

 向かう先に学園生の人影はなく、弁財さんが人込みを避けた場所を目指して移動していることは明白なのだ。
 奴らが一人きりの弁財さんを今も狙っているということもわかっているし、何より弁財さんを狙う奴らの正体だってまだ掴めていない。

「そいつらは今も弁財さんを狙っている。弁財さんが一人きりの今、またぞろ何か仕掛けてきてもおかしくない。ってか絶対また手出ししてくる、と思う」

「んじゃ考えてる暇なんてないだろ!委員長が何かされる前に」

 確かに鞍馬の言うとおりである。だけど正直なところ、ボクらを巻き込んだこの状況をさっさと解決してしまいたい。
 1人の女の子を泣かせるまでのことをしやがったクソったれなあいつらの正体を明らかにして、今ここで引導を渡してやりたいという気持ちだって非常に強くなっているのだ。

「いや、もうここで終わらせる。弁財さんに何かしようとしたのを見計らって、寸前でそいつらを取り押さえよう。そいつらが真犯人だって弁財さんに理解してもらう為にも」

「そりゃここで終わらせられれば俺だって文句はないんだが、そんなタイミング良く割って入ったり、想像した通りに上手く事が運ぶと思うか?機を損なった挙句、委員長が何かされるのを助けられませんでした、なんて俺は御免だぞ。」

 確かに鞍馬の言う事にも一理ある、どころか正直鞍馬の提案にしたがっていた方がいいかもしれない。
 ボクも一人きりでなんとかしなければならなかったとしたら、そもそもトラブルが発生しないよう、未然に防ぐための方法を選択していただろう。

「そんなのボクだって嫌だよ。ボクだけだったらきっと上手くいかないし、他の方法を考えていたと思う。でも今のボクには鞍馬がいる。二人でだったら大丈夫だと思う」

「……わかった。とりあえずは伊呂波の案に乗ってやる。」

 心配そうに眉根を寄せながらも、鞍馬はとりあえずというか、渋々ボクの提案に了解の意を示してくれた。

「けどな、場合によってはお前が止めたとしても、俺は自分の思うがままに動くからな?それで伊呂波に不満を言われようがそこは譲れない。目の前で知り合いが悲しい思いをするのを黙って見ているのは、絶対に無理だ」

「うん、ありがとう。ははっ」

「伊呂波お前なぁ?人が真面目に話してる時になに笑ってんだよ」

「いや、気を悪くしたならごめん。でもさ、ホント少年漫画の主人公みたいだよね鞍馬は。なんでそんなまっすぐ育っちゃったんだか」

「それ褒めてんのか?実は馬鹿にしてんだろ?」

 ホントにこの幼馴染は、言う事為す事が様になり過ぎている。
 それにさっき、鞍馬がボクの提案を信じてくれたように、さらには弁財さんとボクの間に起こった一連の件で疑うことなくボクを信じてくれたように、ボクだってこいつのことを信頼している。

 だから大丈夫なはずだ。ボクたち二人だったら大丈夫。
 今までにだって二人で幾つもの騒動を乗り越えてきた。
 過去の苦難困難に比べたらこの程度、今回だって乗り越えることができるはずだ。

「そんな状況になったらその時は鞍馬の判断を信じるよ。弁財さんが悲しむ前に彼女を助けてあげて欲しい。もちろん恨んだりしないって約束する」

「そうか。っつってもなんだかんだで今までもそうだったが、お前の方が我慢できずに先に飛び出していきそうだけどな?」

「そんなことはないでしょ?ボクってかなり我慢強い方だし」

「どの口で言ってんだよ。いっつも用意してた計画を無視して突っ走りやがって」

 そんな記憶がないわけではないが、別にいつも辛抱足りずに独断専行しているわけではないと思うんだけど。
 いやでも確かに?思い当たる節がいくつかはあるけれど。

「まあ伊呂波の忍耐力の無さは一旦置いといて。このまま二人で尾行しつつ、委員長に危険が及びそうになったら助けるってことで、とりあえずは方針決定だな」

「よしっ!名付けて『コソコソ作戦』開始します!」

「お前、ホントすぐアニメのネタをパクるんだから」

 だって言いたくなっちゃうんだもの。しょうがないじゃないのよ。

「だってその方がテンション上がるでしょうが!」

「ミーハーオタクの伊呂波と違って一般人の俺はテンションに変化ねぇよ」

(ほらっ二人とも!そこの校舎の角を曲がれば弁財ちゃんが見えて来ますよ、ってあれ?)

 オッケーグーグル!ナビありがとう!って、どうしたのさ?
 心の中の疑問符に首を傾げつつ、ボクと鞍馬は校舎の角から顔を覗かせて、弁財さんの状況を確認した。
 数メートル先、そこには果たして弁財さんの姿があった。やはり喧騒を避けたのか、一人で座り込みパンを頬張る弁財さんの姿だけが。 

 あれ、弁財さんだけ?
 最初に教えてもらった情報と違うな。警戒して損した。

「おい伊呂波、委員長しかいないぞ?お前が話してた誰かってのも、そもそもここまで誰一人としてすれ違わなかったし、どうなってるんだ?」

 そんなのボクだって聞きたいくらいだ。
 だって教えてもらった通りなら、クソ真犯人たちも弁財さんの後をつけていた筈なのに。
 ボクらの尾行がバレちゃってたのか、もしくは今回は手出しを諦めたのか。

 (弁財さんのことを教室で悪さしていた男子生徒が付けてるのを見て、急いで戻ったので……伊呂波ちゃん!上です!窓のところ!)
 
 心中に響いた訴えに従って、空を見上げる様に顔を上げた。
 見上げた校舎の窓際、そこにあった光景。

「――っ!」

「おいっ!伊呂波っ!?どうした!」

 奴らの悪意に満ち足りたニヤついた相貌を認めた瞬間、ボクは走り出していた。
 来るべき数舜先の未来を回避する為に、無意識に動き出したボクに投げ掛けられた鞍馬の呼び声に構うことも、答えを返す暇さえも惜しんで。
 ボクは校舎の影から、がむしゃらに駆け出したのだった。

                  ◇
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