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終着点
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大きな大きな宇宙の真ん中辺りに
小さな小さな豆粒のような星がありました
地球と名づけられたその星は
丸くて青くて美しくて
絶える事なくくるくると回っていました
小さな小さな地球の四方八方に
もっともっと小さな
ちりのような生き物が無数にいました
人間と名づけられたその生き物は
細長くて自分勝手でうるさくて
好きなように星を行き来していました
星が生まれ生き物が生まれ人が生まれ
仮想現実のような人生に満足して生きる者達が
泡のように湧いて生まれては死にゆき
やがて世界はとりとめのない
やっかいな世界へと姿を変えていきました
美しく生まれた地球という星は
彼らの思う星へと変貌していきました
人々は手を叩いて喜びました
「これは人類にとっての大革命だ」
鈍く光る丸くて硬いもの
生きて死んだ誰かの顔がデザインされた紙切れ
そんなものさえあれば
欲しいものは100%手に入りました
そしていらない物は未練なく捨て去りました
だって新しいものがすぐに手に入るのですから
やがて人々は
心のないロボットに心を癒され
人よりも間違いを犯さない
誠実なロボットを愛し
己の心もまたロボットへと
化していく事を望みました
もう傷つきたくない
これ以上苦しみたくない
人間が人間である以上
この苦しみから逃れられないのであれば
人としての感情などなくなってしまえばいい
そうすればどれほど楽に生きられるだろう
迷える人々は
心を持たない
永遠の楽園を求めました
「だけどおかしい」
「何かが足りない」
毎日平和で何も苦しむ事もない
死ぬ事もない
いつまでも生きていられる
そんな世界を望んだのに
何が足りないんだろう
やっぱりどこまで行っても
ロボットにはなりきれない
人間が人間である以上
ないものを求める
それが人の性
心なくして生きる事
ロボットのように誠実で
嘘をつかない
作られた心を愛する事
仮想現実に惑わされながら
自分の居場所を見失い
それでも心を求めるのが人間ならば
何故人は進む事を一途に進化と喜び
振り返る事をしなかったのでしょう
人間が人間らしく生きる
終着点はどこにあるのでしょう
きっと
終着点はずっと過去にあったのかもしれません
いつの間に人間は
終着点を通り過ぎてしまったのでしょうか
行き過ぎたその地点まで
戻る術を人は持っているのでしょうか
後戻りする勇気を
人は持っているのでしょうか
小さな小さな豆粒のような星がありました
地球と名づけられたその星は
丸くて青くて美しくて
絶える事なくくるくると回っていました
小さな小さな地球の四方八方に
もっともっと小さな
ちりのような生き物が無数にいました
人間と名づけられたその生き物は
細長くて自分勝手でうるさくて
好きなように星を行き来していました
星が生まれ生き物が生まれ人が生まれ
仮想現実のような人生に満足して生きる者達が
泡のように湧いて生まれては死にゆき
やがて世界はとりとめのない
やっかいな世界へと姿を変えていきました
美しく生まれた地球という星は
彼らの思う星へと変貌していきました
人々は手を叩いて喜びました
「これは人類にとっての大革命だ」
鈍く光る丸くて硬いもの
生きて死んだ誰かの顔がデザインされた紙切れ
そんなものさえあれば
欲しいものは100%手に入りました
そしていらない物は未練なく捨て去りました
だって新しいものがすぐに手に入るのですから
やがて人々は
心のないロボットに心を癒され
人よりも間違いを犯さない
誠実なロボットを愛し
己の心もまたロボットへと
化していく事を望みました
もう傷つきたくない
これ以上苦しみたくない
人間が人間である以上
この苦しみから逃れられないのであれば
人としての感情などなくなってしまえばいい
そうすればどれほど楽に生きられるだろう
迷える人々は
心を持たない
永遠の楽園を求めました
「だけどおかしい」
「何かが足りない」
毎日平和で何も苦しむ事もない
死ぬ事もない
いつまでも生きていられる
そんな世界を望んだのに
何が足りないんだろう
やっぱりどこまで行っても
ロボットにはなりきれない
人間が人間である以上
ないものを求める
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きっと
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いつの間に人間は
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