【長編・完結】この冒険者、何者?〜騎士さまと噂の冒険者は全てを見通す目と耳をお持ちです〜

BBやっこ

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オマケが続く

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「あー、帰っちまったか。」

冒険者ギルドで言付けをもらい、男は残念がった。
現在組んでいる冒険者仲間の元に戻っても、その感情が滲み出ている。
「町ってどこだ?」

この街以外は詳しくない男は、メンバーに訊ねると簡単に答えが返ってきて。
「半日もかからない場所じゃん、行くの?」
「今のが終わったら行ってみるかなー」

クリスとまたお茶でもと誘うのに冒険者ギルドを使う話はしたが、もう帰ってしまった。
気にしてくれて

「女の尻でも追ってんの?」
「ダチだよ、同じ歳くらいの」

名が売れているため、あんなのんびりした時間を過ごせる相手は貴重だ。


「なに?好んでオッサンの相手しに行くの。」

世話になった貴族関係でも想像しているのだろう。いや、穏やかな気性の男だがもっと歳上かもしれない。
貴族かもしれないし、騎士かもしれないが。今は緩い繋がりがあれば良い。

貴重な茶飲み友達だ。分けてもらったコーヒーも楽しみだ。

「どんな縁?」
「冒険者だぞ」

メンバーの反応に間があった。

「勧誘した?!」
「弱い奴はいらねー」

「さあ、そんなかんじじゃねーな」

強い。油断のなさがあるのに、あの余裕。

「面白いぞ」

こいつらに紹介するのは勿体無い気がするから、連れてこないけどな。

まだ俺達は街に長逗留となる。クリスの居るという町に俺が行けるか?
騒がれるには面倒だが、行くのは問題ない。

そんな考えで、手紙を書く。

オヤジにラブレターか?恋文かと揶揄われながらも、しっかりした字で丁寧に書き終えた手紙。
それを冒険者ギルドに預けたのだった。
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