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街
ランチ会
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「へえ珍しいタイプだな」
食事の相席、その相手は冒険者らしい体躯をしている男。
傭兵の可能性もあるが、格好と持ち物から冒険者と判断できた。
食事処は少々混んでおり、相席となった。1人もの同士の成り行きだ。
頼んだのは香辛料を使った料理、トロっとしたルーを米にかけたもの。
「飲み物はミルクを入れた甘い紅茶で。」
すぐに来るだろう。目の前の人物は、食事のお代わりを頼んだ。
(高ランクの冒険者だろうな)
挨拶から入ってお互い名乗らず世間話をする。
「商会の護衛で来たんだ。」
「そうかい、俺の方は依頼の合間だ。ここは面白い店が立つから面白いんだ。」
「ああ。コーヒーを飲める店があるのは良いな」
「ん?カフェインの事か?」
「いえ、豆は同じ種類でしょうけど淹れ方で味が大分違いますよ」
「へえ、あの不味いのがねえ。」
コーヒーは飲んだことはないらしい。
「俺は苦いのより、甘い方が好きかな。」
たっぷり砂糖を入れた紅茶を持ち上げる。
フウが気にいるくらい甘くしてあるのだろうと想像がついた。
「この辺では飲まれないらしいが、冷たくしたりたっぷり砂糖を入れる飲み方もあるらしい。」
「ふむ。南の方はあまり行かないな。」
「南は勝手が違いますか?」
「そうだな、暑さが敵だな。」
冒険者らしい話も出る。この男、正しくクリスを冒険者だと認めていた。
雰囲気といえばそうだが、確かに闘える男だと察知していた。
とても戦い難い相手だな、相対した時に考えてしまう。職業病だなと思わなくもないが。
これも生き残る術である。
しかし相席をお願いした店の者は、有名冒険者の男とたぶん貴族のお忍びの人かなー?
格好や物腰から、冒険者と認めてもらえないクリスだった。
それでも、2人は和やかに食事を続けていた。
香辛料が利いたルーが舌を存分に刺激するが、米の味が和らげてくれる。
リンに聞けば、どんな香辛料だったか分かるだろう。
市場で探してみるのも面白いと頭に残しながら、男との会話を楽しむ。
「冒険者ギルドの通りは、若いのがイキが良いですな。」
「ああ、声を掛けられましたね。」
「小銭が出るんで、自分のクランで捕まえようって気概がね」
「ああ、クランに所属させようと片っ端から声をかけてるんですか。」
まだ若い冒険者が、上を目指すにはチームで面々を変えてやるのだろう。
そうなれば、新しい人材の投入は良い刺激になるし自身を活かしてくれる相棒になるかもしれない。
「アンタは見た目若いのに、なんか老成してるって変な感じだ」
この男はリンと相性が良いのか、穏やかな気質だがそれだけではないのだろう。
食事も美味いが、この会話も楽しいものだった。
最後に飲んだ紅茶が、甘過ぎた気もしたが。充分美味しく食事を食べきったのだった。
食事の相席、その相手は冒険者らしい体躯をしている男。
傭兵の可能性もあるが、格好と持ち物から冒険者と判断できた。
食事処は少々混んでおり、相席となった。1人もの同士の成り行きだ。
頼んだのは香辛料を使った料理、トロっとしたルーを米にかけたもの。
「飲み物はミルクを入れた甘い紅茶で。」
すぐに来るだろう。目の前の人物は、食事のお代わりを頼んだ。
(高ランクの冒険者だろうな)
挨拶から入ってお互い名乗らず世間話をする。
「商会の護衛で来たんだ。」
「そうかい、俺の方は依頼の合間だ。ここは面白い店が立つから面白いんだ。」
「ああ。コーヒーを飲める店があるのは良いな」
「ん?カフェインの事か?」
「いえ、豆は同じ種類でしょうけど淹れ方で味が大分違いますよ」
「へえ、あの不味いのがねえ。」
コーヒーは飲んだことはないらしい。
「俺は苦いのより、甘い方が好きかな。」
たっぷり砂糖を入れた紅茶を持ち上げる。
フウが気にいるくらい甘くしてあるのだろうと想像がついた。
「この辺では飲まれないらしいが、冷たくしたりたっぷり砂糖を入れる飲み方もあるらしい。」
「ふむ。南の方はあまり行かないな。」
「南は勝手が違いますか?」
「そうだな、暑さが敵だな。」
冒険者らしい話も出る。この男、正しくクリスを冒険者だと認めていた。
雰囲気といえばそうだが、確かに闘える男だと察知していた。
とても戦い難い相手だな、相対した時に考えてしまう。職業病だなと思わなくもないが。
これも生き残る術である。
しかし相席をお願いした店の者は、有名冒険者の男とたぶん貴族のお忍びの人かなー?
格好や物腰から、冒険者と認めてもらえないクリスだった。
それでも、2人は和やかに食事を続けていた。
香辛料が利いたルーが舌を存分に刺激するが、米の味が和らげてくれる。
リンに聞けば、どんな香辛料だったか分かるだろう。
市場で探してみるのも面白いと頭に残しながら、男との会話を楽しむ。
「冒険者ギルドの通りは、若いのがイキが良いですな。」
「ああ、声を掛けられましたね。」
「小銭が出るんで、自分のクランで捕まえようって気概がね」
「ああ、クランに所属させようと片っ端から声をかけてるんですか。」
まだ若い冒険者が、上を目指すにはチームで面々を変えてやるのだろう。
そうなれば、新しい人材の投入は良い刺激になるし自身を活かしてくれる相棒になるかもしれない。
「アンタは見た目若いのに、なんか老成してるって変な感じだ」
この男はリンと相性が良いのか、穏やかな気質だがそれだけではないのだろう。
食事も美味いが、この会話も楽しいものだった。
最後に飲んだ紅茶が、甘過ぎた気もしたが。充分美味しく食事を食べきったのだった。
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