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街
お目当て
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こじんまりとした店がある。コーヒーも紅茶もうまいが、そこのパン挟みは美味いぞ。
ひっそりと静かな家が並ぶ。木の看板を見つけ店を見たが、思ったより小ぶりな店だ。中はやや暗めの落ち着いた雰囲気で、常連の雰囲気で何人か寛いでいる。コーヒーを飲んでいる御人もいた。
案内されると、奥があった。明るく外は中庭のようになっている。
フウが飛び出したようで、緑の騒めきが響く。
外の席を選び座ると、リンが嬉しそうに蔓を伸ばしている。
今日のコーヒーは飲みやすいものらしく、気分を変えて紅茶を頼んだ。
ティーポットのお代わり付きでたっぷり飲めるらしい。それと話に聞いたパン挟みを頼んだ。
街で初めての昼食だ。
木陰と枝をざわめかせる風、はフウの影響か多くなった。人混みで暑いくらいだった汗がひく。
手入れされた花を揺らし始めたのを視る。妖精も出入りしている心地よい場所だ。
店主が手入れしているのだろうか。薄いピンクの花がこの空間にそっと色を添える。
クリスは本を取り出し、涼しい風を感じながら読書する。
2人もここを気に入ったらしい。カザンは街の探索で歩きまわっていると報せが来た。歩き回って見聞を広めているようで、空き回って楽しんでいるようだ。
「お待たせしました」
紅茶がポットと共に運ばれてくる。
自身で淹れれば、フワッと良い香りがした。期待と喉の渇きを自覚する。
カップに注ぐとリンが香りを楽しみ、フウが温度を少し下げてくれた。
熱い紅茶を味わうと、スッキリした味だ。
次にはパン挟みが運ばれてくる。
料金に少し色をつけて渡し、香辛料の掛かったハムの層とシャッキリの野菜を噛み締め、薄いパンが味をまとめる。紅茶が濃いので、香辛料に負けない味が美味しい。
全て腹に収めるとしばし、読書へ。
紅茶が緩くなってしまうまで、のんびりした。
長居したため、昼の客は減ったみたいだった。今度はデザートが出てくる。
今回はやめておこう。
目当ての菓子屋があるので、そちらに行く。
しかし美味しそうだったのとフウやリンも気になっていたようなので焼き菓子を買い、干し果物の入ったクッキー
を包んでもらった。
楽しみはとっておいて、しばらく歩く。
時おり本が置いてある店に声をかけ、寄り道をしながら街景色を堪能する。
奥に従って、高い建物も見えるが足を踏み入れる事もないだろう。用もない。
物見遊山に、有名な観光名所みたいなところに足を向けるか。
食べ歩きをして、店を探すか。
どうするか楽しい悩みを持って、足を進めて行った。
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フウが飛び出したようで、緑の騒めきが響く。
外の席を選び座ると、リンが嬉しそうに蔓を伸ばしている。
今日のコーヒーは飲みやすいものらしく、気分を変えて紅茶を頼んだ。
ティーポットのお代わり付きでたっぷり飲めるらしい。それと話に聞いたパン挟みを頼んだ。
街で初めての昼食だ。
木陰と枝をざわめかせる風、はフウの影響か多くなった。人混みで暑いくらいだった汗がひく。
手入れされた花を揺らし始めたのを視る。妖精も出入りしている心地よい場所だ。
店主が手入れしているのだろうか。薄いピンクの花がこの空間にそっと色を添える。
クリスは本を取り出し、涼しい風を感じながら読書する。
2人もここを気に入ったらしい。カザンは街の探索で歩きまわっていると報せが来た。歩き回って見聞を広めているようで、空き回って楽しんでいるようだ。
「お待たせしました」
紅茶がポットと共に運ばれてくる。
自身で淹れれば、フワッと良い香りがした。期待と喉の渇きを自覚する。
カップに注ぐとリンが香りを楽しみ、フウが温度を少し下げてくれた。
熱い紅茶を味わうと、スッキリした味だ。
次にはパン挟みが運ばれてくる。
料金に少し色をつけて渡し、香辛料の掛かったハムの層とシャッキリの野菜を噛み締め、薄いパンが味をまとめる。紅茶が濃いので、香辛料に負けない味が美味しい。
全て腹に収めるとしばし、読書へ。
紅茶が緩くなってしまうまで、のんびりした。
長居したため、昼の客は減ったみたいだった。今度はデザートが出てくる。
今回はやめておこう。
目当ての菓子屋があるので、そちらに行く。
しかし美味しそうだったのとフウやリンも気になっていたようなので焼き菓子を買い、干し果物の入ったクッキー
を包んでもらった。
楽しみはとっておいて、しばらく歩く。
時おり本が置いてある店に声をかけ、寄り道をしながら街景色を堪能する。
奥に従って、高い建物も見えるが足を踏み入れる事もないだろう。用もない。
物見遊山に、有名な観光名所みたいなところに足を向けるか。
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どうするか楽しい悩みを持って、足を進めて行った。
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