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それぞれの視点
ある街の占い師
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街と町の違い。
それは居住区の広さだったり、それに付随する建物であると思う。
「迷ったか?」
遠回りなだけだとひとり、気楽に歩く。たとえ暗い裏道であろうと、危機感はなかった。冒険者として、武器を持ちどんな刺客にも対応できる。その対応が自身だけとは言っていない。
金持ちと勘違いされて、狙われるか遠巻きの違いはあった。それに無関係を決め込めるのはひっそりと近くをまわる風と林の精だったりする。人の形を取れるなら幼女や少女という性格だが、眠りの必要性はないためにこんな宵闇でも元気であった。
「良い月だ」
“顎を突き出して笑う月”
今日の月はまんまるな丸顔だな、だった。人の顔に見える月は不気味なような、おおらかに笑う。
明るい月明かりと魔灯で明暗が分かれる街並。クリスの通る先にも後にも、人の通らない石畳が続いている。
寝静まる時刻であるが、ひっそりと酒の店は開いている。
夜通しそこで過ごす者もいるのだ。酒場なら、夜中でも早朝でもずっと開いている。冒険者に街の民に向けての小さな店が多い。
冒険者は魔物の危機、氾濫の備ているための組織でもある。
街に来てみれば、町とは違ってクランの鍔迫り合いが凄かった。3つのうちのひとつ、蛇の眼は知っていた。
まだそのクラン長は戻ってないのか、会わなくて済んで良い。
「しつこそうだからな」
同意するように、花が揺れた。
実際会うと蛇からの連想だけではなく、じわじわ寄ってくるような感じがした。
見極めもできるが、それの踏まえて接近してくる油断できない。
その“賑やかさ”に巻き込まれないために宿など取らず、商会の紹介で場所を借りようと思う。仮眠を取って町に帰りろうかと思っている。せめて日が昇るまで時間を潰そうか。
夜の森に行く冒険者もいる。野営して街へ入るものも。壁と結界で魔物の侵入からまもられている。
「コーヒーは明日用意できるそうだ。そのまま帰ろうか。」
カザンに予定を伝えれば、スッと消えた。
街には衛兵や騎士が役割を担い、守りを固めている。手を上げて挨拶すれば、酔いすぎてるわけではないとわかってもらえる。
迷子になったと、正直に聞いたほうが良いだろうか。だが目的の商会も流石にまだ静かだ。
この国は王政であり、貴族に騎士と冒険者の関係は微妙なバランスで保たれている。
癒着や金での腐敗はしょうがないが。
「人の世は変わりゆくモノ、変わらぬもののあるべきか?」
声の先には占い師、机に白い布をかけただけの簡易な場所で紙で灯籠と呼ばれるものだ。
佇まいと雰囲気から、裏を知るものかもしれない。
気まぐれで、享楽的な存在。
「やあ、お兄さん占いはどう??」
「当たるんだろうね」
よっこいせと相対して座った。居酒屋の椅子を勝手に流用している。座るの悪い椅子だった。
「さあね」
否定系だが自信を含んだ返答だ。
机の上にはカードか棒か?雰囲気作りはできていた。
占いは話術だと思っていて信じていないが、道を聞こうかと思ったので、ちょうど良い。
未来視や占星術いったスキルはあるが、誓約もあれば学びも必要だ。こういった道端にいるような占い師にそこまで求めるのは酷だろう。それでも利用するならされる覚悟があれば良い。
「ああ、何を占ってもらおうか?」
どこを目的にして旅に出ると良いかとかだろうか。健康も仕事も特に聞きたいことはない。
ああ、聞くべき事があった。
「そうだ、年齢は?」
「よく知らない相手に年齢を聞くかい?」
幼女のように小柄だが、そういう種族かもしれない。こんな夜更けに子供だったら、家に返して保護者に説教ものだ。見た目では年齢はわからない。自身のことでもそう知っていた。
「長年生きていると、年齢も忘れてな」
「それの言いようは、100ではすまないですね?」
沈黙。女性?に年齢を確認するのは失礼が定説だが、それも数えているうちだろう。
「お主はもっとか?」
「300は、まだだったかと」
結局幾つくらいか言わないが、500はいく種族と見て良いだろうか。
妖精族、精霊人、使命を持つものは時を超えるという。超越とは色々方法はあるがどの手段を取れるのかは個人で違う。一般的に知られているのは精霊関連だが、それさえお話の中と認識されている。あえてそうしているのは、人ならざるモノの理においての事か。
「なんじゃ、若造だな。」
その返答は、歳上と言っているようなものだと思う。
500は行き、1000ともなれば、もう人の域ではない。別の世界線とやらにいくらしい。
「良い縁に恵まれておる」
人と巡り合う楽しい旅の途中、精霊のお供は心強い。あやふやな文面だよなと占いを怪訝に見る。
今度は大きな魔石を取り出し、手を翳している。ちなみに魔力は動いていない。
「恋愛方面はどうか」
「興味はないですね」
バッサリ。不満そうな顔をされたから得意なのか?
「歳上と年下のどちらが好みだ?」
「同じ時間を過ごせるとは限るませんから」
「精霊のようなモノを侍らせといてよく言うわ」
言葉に反応して2人が存在を主張した。
「フウ、リン」するりと風と植物の蔓が巻き付いて解けた。
カザンは喚べば来てくれるだろう。出会い方は斬新だったが、今は人の文化に興味を持って勉学に励んでいるらしい。コーヒー仲間がいるのは嬉しい。
どうしても紅茶文化のが強い。お茶も良いんだが、あの苦味が欲しくなるな。
長命になれば、人と番うより精霊と添い遂げる者が多いと聞くが。お話でもそういう終わり方は多い。
それにどれだけ事実が含まれているか知るモノも少ない。
「ふむ。呪いなどもなく健康だな!人とて死霊となる事も、霊魂というものもあるときく。長い時を得て、それらは何者になるんだろうな。」
さりげなく、呪いを受けているか調べられた。健康に関わるといえばそうなのか?
“人から外れたモノ”
それは、人を基準にした理の話だ。
精霊のようになる人という道もあるそうだ。人が精霊になるとは、どのような過程か?お話の中にしか知られなていない。私はどうなるのか、どうしたいのか決めかねているが。
「まだ人の世に留まる気なのかい?その力で何する気だろうね」
声色が、急に年老いたように変わった。体躯もフードを被った占い師の装いも変化はない。
「なにも」
試されようと、問われようと、人の世に深く関わる気はない。只、風のように吹かれ、行き着くところに足を伸ばそう。そこで会った情熱や欲に刺激を受けて、ただ生きようと思っている。
「そうだな、どこかで野垂れ死ぬんだろうな。」
言葉と穏やかな心が、真実そう思っていると伝えて。
それまで生きる
「そうか、長い人生に飽きたら違うものになるのも、一興よ。」
「まだ人を捨てたつもりはないんですがね」
「世の中の輪から外れていけば、外にあるのは違う法則よ。」
「長く生きるのを飽きないために、かな?」
その後は、旨い食事を出すところはどこにあるとか。街の案内の話になった。
甘味の情報が多いが、目的の商会もどう行けば良いか分かった。
風の吹かれるままに行ってみるのも良かったが、
食事も酒もない状態で長話も飽きがくる。
「茶が飲みたいのこの時間なら酒を出す店しかやっとらん。もう少し時間を潰さねばな」
贅沢だ
「早朝なら、冒険者向けと馭者向けに屋台やら出ると聞いたんですが。」
夫君から仕入れた話だ。
海鮮やら、おにぎりを出すのを目当てにするならその時間か。
占い師と別れ、少し遠くまで足を伸ばす。
馬車が街に入り、日が昇る前から出ていく。騒がしい場所へ足を向けた。
楽しみに過ごすのだと決めている。何が起きてもそうであると。
そろそろ、空が明るんできた。
それは居住区の広さだったり、それに付随する建物であると思う。
「迷ったか?」
遠回りなだけだとひとり、気楽に歩く。たとえ暗い裏道であろうと、危機感はなかった。冒険者として、武器を持ちどんな刺客にも対応できる。その対応が自身だけとは言っていない。
金持ちと勘違いされて、狙われるか遠巻きの違いはあった。それに無関係を決め込めるのはひっそりと近くをまわる風と林の精だったりする。人の形を取れるなら幼女や少女という性格だが、眠りの必要性はないためにこんな宵闇でも元気であった。
「良い月だ」
“顎を突き出して笑う月”
今日の月はまんまるな丸顔だな、だった。人の顔に見える月は不気味なような、おおらかに笑う。
明るい月明かりと魔灯で明暗が分かれる街並。クリスの通る先にも後にも、人の通らない石畳が続いている。
寝静まる時刻であるが、ひっそりと酒の店は開いている。
夜通しそこで過ごす者もいるのだ。酒場なら、夜中でも早朝でもずっと開いている。冒険者に街の民に向けての小さな店が多い。
冒険者は魔物の危機、氾濫の備ているための組織でもある。
街に来てみれば、町とは違ってクランの鍔迫り合いが凄かった。3つのうちのひとつ、蛇の眼は知っていた。
まだそのクラン長は戻ってないのか、会わなくて済んで良い。
「しつこそうだからな」
同意するように、花が揺れた。
実際会うと蛇からの連想だけではなく、じわじわ寄ってくるような感じがした。
見極めもできるが、それの踏まえて接近してくる油断できない。
その“賑やかさ”に巻き込まれないために宿など取らず、商会の紹介で場所を借りようと思う。仮眠を取って町に帰りろうかと思っている。せめて日が昇るまで時間を潰そうか。
夜の森に行く冒険者もいる。野営して街へ入るものも。壁と結界で魔物の侵入からまもられている。
「コーヒーは明日用意できるそうだ。そのまま帰ろうか。」
カザンに予定を伝えれば、スッと消えた。
街には衛兵や騎士が役割を担い、守りを固めている。手を上げて挨拶すれば、酔いすぎてるわけではないとわかってもらえる。
迷子になったと、正直に聞いたほうが良いだろうか。だが目的の商会も流石にまだ静かだ。
この国は王政であり、貴族に騎士と冒険者の関係は微妙なバランスで保たれている。
癒着や金での腐敗はしょうがないが。
「人の世は変わりゆくモノ、変わらぬもののあるべきか?」
声の先には占い師、机に白い布をかけただけの簡易な場所で紙で灯籠と呼ばれるものだ。
佇まいと雰囲気から、裏を知るものかもしれない。
気まぐれで、享楽的な存在。
「やあ、お兄さん占いはどう??」
「当たるんだろうね」
よっこいせと相対して座った。居酒屋の椅子を勝手に流用している。座るの悪い椅子だった。
「さあね」
否定系だが自信を含んだ返答だ。
机の上にはカードか棒か?雰囲気作りはできていた。
占いは話術だと思っていて信じていないが、道を聞こうかと思ったので、ちょうど良い。
未来視や占星術いったスキルはあるが、誓約もあれば学びも必要だ。こういった道端にいるような占い師にそこまで求めるのは酷だろう。それでも利用するならされる覚悟があれば良い。
「ああ、何を占ってもらおうか?」
どこを目的にして旅に出ると良いかとかだろうか。健康も仕事も特に聞きたいことはない。
ああ、聞くべき事があった。
「そうだ、年齢は?」
「よく知らない相手に年齢を聞くかい?」
幼女のように小柄だが、そういう種族かもしれない。こんな夜更けに子供だったら、家に返して保護者に説教ものだ。見た目では年齢はわからない。自身のことでもそう知っていた。
「長年生きていると、年齢も忘れてな」
「それの言いようは、100ではすまないですね?」
沈黙。女性?に年齢を確認するのは失礼が定説だが、それも数えているうちだろう。
「お主はもっとか?」
「300は、まだだったかと」
結局幾つくらいか言わないが、500はいく種族と見て良いだろうか。
妖精族、精霊人、使命を持つものは時を超えるという。超越とは色々方法はあるがどの手段を取れるのかは個人で違う。一般的に知られているのは精霊関連だが、それさえお話の中と認識されている。あえてそうしているのは、人ならざるモノの理においての事か。
「なんじゃ、若造だな。」
その返答は、歳上と言っているようなものだと思う。
500は行き、1000ともなれば、もう人の域ではない。別の世界線とやらにいくらしい。
「良い縁に恵まれておる」
人と巡り合う楽しい旅の途中、精霊のお供は心強い。あやふやな文面だよなと占いを怪訝に見る。
今度は大きな魔石を取り出し、手を翳している。ちなみに魔力は動いていない。
「恋愛方面はどうか」
「興味はないですね」
バッサリ。不満そうな顔をされたから得意なのか?
「歳上と年下のどちらが好みだ?」
「同じ時間を過ごせるとは限るませんから」
「精霊のようなモノを侍らせといてよく言うわ」
言葉に反応して2人が存在を主張した。
「フウ、リン」するりと風と植物の蔓が巻き付いて解けた。
カザンは喚べば来てくれるだろう。出会い方は斬新だったが、今は人の文化に興味を持って勉学に励んでいるらしい。コーヒー仲間がいるのは嬉しい。
どうしても紅茶文化のが強い。お茶も良いんだが、あの苦味が欲しくなるな。
長命になれば、人と番うより精霊と添い遂げる者が多いと聞くが。お話でもそういう終わり方は多い。
それにどれだけ事実が含まれているか知るモノも少ない。
「ふむ。呪いなどもなく健康だな!人とて死霊となる事も、霊魂というものもあるときく。長い時を得て、それらは何者になるんだろうな。」
さりげなく、呪いを受けているか調べられた。健康に関わるといえばそうなのか?
“人から外れたモノ”
それは、人を基準にした理の話だ。
精霊のようになる人という道もあるそうだ。人が精霊になるとは、どのような過程か?お話の中にしか知られなていない。私はどうなるのか、どうしたいのか決めかねているが。
「まだ人の世に留まる気なのかい?その力で何する気だろうね」
声色が、急に年老いたように変わった。体躯もフードを被った占い師の装いも変化はない。
「なにも」
試されようと、問われようと、人の世に深く関わる気はない。只、風のように吹かれ、行き着くところに足を伸ばそう。そこで会った情熱や欲に刺激を受けて、ただ生きようと思っている。
「そうだな、どこかで野垂れ死ぬんだろうな。」
言葉と穏やかな心が、真実そう思っていると伝えて。
それまで生きる
「そうか、長い人生に飽きたら違うものになるのも、一興よ。」
「まだ人を捨てたつもりはないんですがね」
「世の中の輪から外れていけば、外にあるのは違う法則よ。」
「長く生きるのを飽きないために、かな?」
その後は、旨い食事を出すところはどこにあるとか。街の案内の話になった。
甘味の情報が多いが、目的の商会もどう行けば良いか分かった。
風の吹かれるままに行ってみるのも良かったが、
食事も酒もない状態で長話も飽きがくる。
「茶が飲みたいのこの時間なら酒を出す店しかやっとらん。もう少し時間を潰さねばな」
贅沢だ
「早朝なら、冒険者向けと馭者向けに屋台やら出ると聞いたんですが。」
夫君から仕入れた話だ。
海鮮やら、おにぎりを出すのを目当てにするならその時間か。
占い師と別れ、少し遠くまで足を伸ばす。
馬車が街に入り、日が昇る前から出ていく。騒がしい場所へ足を向けた。
楽しみに過ごすのだと決めている。何が起きてもそうであると。
そろそろ、空が明るんできた。
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