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お帰り
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「ただいま」
森の奥、魔女の家と呼ばれているここに、戻ってきた。
同居人はまだ、帰っていないようだ。
森で採取した薬草を出し、乾燥させるためひっかけた。
肌を傷めるくらい強い植物も、ちゃんとした手順で処理すれば薬になる。
それを教えてくれた母はもう居らず。
2人きりで
「お帰りー!」
「お帰りなさい」
幼馴染は、もう立派な狩人で今日の夕食も肉が出せる。
「お風呂入っちゃってねー」
狩りから帰った、血の匂いも慣れるものだ。
私は作業中に曲げっぱなしだった腰を伸ばした。
「今日、子供に会ったわ」
「そう?始末しておく?」
「脅すておいたから、食べられないのはほっておいてね。」
そういっておけば、彼は守ってくれる。
過去に、脅威となった人を殺めた。狩人だったその男は私の父だったらしいけど。
母にも暴力をふるったクズだ。
やらなければやられていただろう。その後は狼が持っていった。
森の奥は危険だ。狼や他の肉食獣が跋扈する。
そしてその入り口に、危険を排除できるそれが人の形をしていても、
「だって同じ、獣でしょ?」
「そうね、でも面倒は避けて。」
彼は人への理解を変えられない。それなら魔女が森の奥に行くのを妨げていれば良い。
「私は、これからも狼だけは食べたくない。」
そんな話をしながら、私は鍋に火を入れた。
夕食は、うさぎのシチューだ。
森の奥、魔女の家と呼ばれているここに、戻ってきた。
同居人はまだ、帰っていないようだ。
森で採取した薬草を出し、乾燥させるためひっかけた。
肌を傷めるくらい強い植物も、ちゃんとした手順で処理すれば薬になる。
それを教えてくれた母はもう居らず。
2人きりで
「お帰りー!」
「お帰りなさい」
幼馴染は、もう立派な狩人で今日の夕食も肉が出せる。
「お風呂入っちゃってねー」
狩りから帰った、血の匂いも慣れるものだ。
私は作業中に曲げっぱなしだった腰を伸ばした。
「今日、子供に会ったわ」
「そう?始末しておく?」
「脅すておいたから、食べられないのはほっておいてね。」
そういっておけば、彼は守ってくれる。
過去に、脅威となった人を殺めた。狩人だったその男は私の父だったらしいけど。
母にも暴力をふるったクズだ。
やらなければやられていただろう。その後は狼が持っていった。
森の奥は危険だ。狼や他の肉食獣が跋扈する。
そしてその入り口に、危険を排除できるそれが人の形をしていても、
「だって同じ、獣でしょ?」
「そうね、でも面倒は避けて。」
彼は人への理解を変えられない。それなら魔女が森の奥に行くのを妨げていれば良い。
「私は、これからも狼だけは食べたくない。」
そんな話をしながら、私は鍋に火を入れた。
夕食は、うさぎのシチューだ。
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