1 / 8
1-はじまり
しおりを挟む
「あの侯爵様は、いつか問題を起こすと思ってましたわ。」
「ええ、あれだけ女遊びが酷かったですものね。私の知っている方のメイドもしつこく誘われたって。」
「じゃあ、もう社交界で見ることもないのかしら?」
「どうかしら。また、誰かにくっついてパーティにやってくるんじゃない?」
「いやーねー。あの方既婚者でしょ?奥様がなんとかできないの?」
「難しいんじゃないかしら、生家の爵位が下だし、影響も強くないらしいしわ。」
「結婚先が上の家格だと苦労するのよね、きっと。」
「えー、でも玉の輿は夢でしょ~?」
「それ以上に、苦労を背負い込む事になるのよ。」
「結婚先は慎重に見定めないとね!」
「そうなると、婚約中になんとか判断するのが肝よ。」
結婚相手を探すのに、余念がない年頃。口もどこからか聞いてきた噂を喋るのに滑らかに動いた。
こうしてお茶会でも、どこどこの家で何が起きたかって噂の情報交換がなされている。
自由結婚って、響きは良いけど内情は情報戦よ。
のんびりしていたら、ろくな相手と結婚できない。
だって婚約関係が長く続いている娘とか、もう周りにいるもの。
親が探してきた相手となら、既に婚約関係にあるから対象外の男性だし。
はあ。私みたいな地味で爵位も高くない家の女なんて、
どう婚約までこぎつければ良いのかしらね。
(全然イメージできないわ。)
しかし、いつものお茶会の中で、
噂にのぼった相手とその後、婚約するまで至る事になろうとは、この時の私は想像もしていませんでした。
「ええ、あれだけ女遊びが酷かったですものね。私の知っている方のメイドもしつこく誘われたって。」
「じゃあ、もう社交界で見ることもないのかしら?」
「どうかしら。また、誰かにくっついてパーティにやってくるんじゃない?」
「いやーねー。あの方既婚者でしょ?奥様がなんとかできないの?」
「難しいんじゃないかしら、生家の爵位が下だし、影響も強くないらしいしわ。」
「結婚先が上の家格だと苦労するのよね、きっと。」
「えー、でも玉の輿は夢でしょ~?」
「それ以上に、苦労を背負い込む事になるのよ。」
「結婚先は慎重に見定めないとね!」
「そうなると、婚約中になんとか判断するのが肝よ。」
結婚相手を探すのに、余念がない年頃。口もどこからか聞いてきた噂を喋るのに滑らかに動いた。
こうしてお茶会でも、どこどこの家で何が起きたかって噂の情報交換がなされている。
自由結婚って、響きは良いけど内情は情報戦よ。
のんびりしていたら、ろくな相手と結婚できない。
だって婚約関係が長く続いている娘とか、もう周りにいるもの。
親が探してきた相手となら、既に婚約関係にあるから対象外の男性だし。
はあ。私みたいな地味で爵位も高くない家の女なんて、
どう婚約までこぎつければ良いのかしらね。
(全然イメージできないわ。)
しかし、いつものお茶会の中で、
噂にのぼった相手とその後、婚約するまで至る事になろうとは、この時の私は想像もしていませんでした。
1
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説

初夜に「私が君を愛することはない」と言われた伯爵令嬢の話
拓海のり
恋愛
伯爵令嬢イヴリンは家の困窮の為、十七歳で十歳年上のキルデア侯爵と結婚した。しかし初夜で「私が君を愛することはない」と言われてしまう。適当な世界観のよくあるお話です。ご都合主義。八千字位の短編です。ざまぁはありません。
他サイトにも投稿します。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

婚約者に選んでしまってごめんなさい。おかげさまで百年の恋も冷めましたので、お別れしましょう。
ふまさ
恋愛
「いや、それはいいのです。貴族の結婚に、愛など必要ないですから。問題は、僕が、エリカに対してなんの魅力も感じられないことなんです」
はじめて語られる婚約者の本音に、エリカの中にあるなにかが、音をたてて崩れていく。
「……僕は、エリカとの将来のために、正直に、自分の気持ちを晒しただけです……僕だって、エリカのことを愛したい。その気持ちはあるんです。でも、エリカは僕に甘えてばかりで……女性としての魅力が、なにもなくて」
──ああ。そんな風に思われていたのか。
エリカは胸中で、そっと呟いた。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる