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その人…
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この婚約者(今回のことで元・婚約者入り決定!)偉そうに言ってるけど、爵位は私のが上なのよ。
侯爵家の令嬢の私に、ここまで強気なのはなぜ?
まあ?学校は平等って建前もあるし。私の父の爵位であって、向こうもそうなんだけど。
子爵位をもらって、そこに私に婿入りして子爵位になる予定だった。相手は貴方以外です。
さっさと搾り取って捨てたいのに、うだうだと前置きが長い。
「私が諫めても、婚約者として嘆かわしい所業の数々!」
逆だ。ブーメランってヤツよ。諫めたのは私の方。平民の女性にちょっかいかけては、「僕は貴族だぞ!」「愛人にしてやる」って。婿入りで愛人持つってどういうこと?
「このペン。」
(あ、探していたものだ。)コイツの罪状に盗みも入れよう。
「男からの贈り物だな?シリアルナンバーの入った高価なもの。
“最愛の女性へ”のメッセージカード…浮気の証拠品だ!」
なんだ。拍子抜け。
「いいえ、兄からの贈り物です。」
「ハッ苦しい言い訳だ。態々、“最愛の”と書くだろうか?!」
うちではよく使うけど、一般ではないでしょうね。けど、そのカードの意図が違う。理由もある。
「そのペンが本の主人公が愛用しているのです。そのメッセージカードを真似ているのですよ。
ラブロマンス作品は読まれていません?」私がお気に入りだと、友人も知っているのに。コイツは知らないです。
「よっぽど大事にしていた、ようだな?」嘘と決めつけた皮肉げな言いようがシャクに触るけど真実だ。
「ええ。お兄様からの贈り物ですから。」
どこぞの誰か知らない人からの贈り物ではない。アンタのよこした宝石より贈り物の価値がある。
高級取りなお兄様の贈り物は、お値段もお高い。
「カードに使われている青みがかったインクは2番目の兄の特別な愛用品。本人か筆跡で判断なさっては?
ペンは、ナンバリングされていますのでお店で誰が購入したか確認もできます。」
知らない男の影なんてないのよ。
「そんな小説、あるかも怪しい!」
「『小説の中で愛を隠す』今話題で3作目が出ています。」
ちらほら、小説を知っている令嬢がいるけど男性は言い出しづらいかしら?
「私は知っている」と恥ずかしそうにぽそりと呟いた…
((王子様、読むんですね。))その場の空気が言う。
「女心というものの勉強だ」
言い訳されずとも、私の兄も読んでます。2番目の兄に勧めた本ですから。ペンの贈り物も小説のシーンに合わせてあったんです。今は3番目の兄のところにありますよ。挿し絵が素敵なんですよねえ。
「それはそうと、大事にしていたペンをお返し願いますよね?先週から方々、探していたのですよ。」
無許可で勝手に持って行って(怒)早く返してよ!
「くっなら、ハンカチ!白いレースのハンカチの告白は、誰に贈ったのだ?」
“婚約者がいるのに…”とつきそうだけど、誕生日にカードだけ、花束をケチる男に言われたくない。
「兄です!」
3番目のお兄様。
手を怪我していた義理のお姉さんの代わりに催しものの時渡した。初恋の人にと言われる所以があるけど、親族なら安全祈願の意味だ。
見ていた人が勘違いしたのかしら?見た目が似ていないものねえ。
1番目のお兄様とも似てないくて、一緒に出たパーティで
「お若いですねお父様ですか?」って言われたことがあったわ。
「えーい、兄とばかり!」髪を振り乱して癇癪を起こす様は無様だ。
「家族ですもの」
貴族の令嬢が親族以外の男性と会うのは憚れることだけど、
お兄様なら問題ないわ。
さあ、他にどんな言いがかりをつけるのかしら?
私は扇を仕舞って余裕な表情を晒した。
侯爵家の令嬢の私に、ここまで強気なのはなぜ?
まあ?学校は平等って建前もあるし。私の父の爵位であって、向こうもそうなんだけど。
子爵位をもらって、そこに私に婿入りして子爵位になる予定だった。相手は貴方以外です。
さっさと搾り取って捨てたいのに、うだうだと前置きが長い。
「私が諫めても、婚約者として嘆かわしい所業の数々!」
逆だ。ブーメランってヤツよ。諫めたのは私の方。平民の女性にちょっかいかけては、「僕は貴族だぞ!」「愛人にしてやる」って。婿入りで愛人持つってどういうこと?
「このペン。」
(あ、探していたものだ。)コイツの罪状に盗みも入れよう。
「男からの贈り物だな?シリアルナンバーの入った高価なもの。
“最愛の女性へ”のメッセージカード…浮気の証拠品だ!」
なんだ。拍子抜け。
「いいえ、兄からの贈り物です。」
「ハッ苦しい言い訳だ。態々、“最愛の”と書くだろうか?!」
うちではよく使うけど、一般ではないでしょうね。けど、そのカードの意図が違う。理由もある。
「そのペンが本の主人公が愛用しているのです。そのメッセージカードを真似ているのですよ。
ラブロマンス作品は読まれていません?」私がお気に入りだと、友人も知っているのに。コイツは知らないです。
「よっぽど大事にしていた、ようだな?」嘘と決めつけた皮肉げな言いようがシャクに触るけど真実だ。
「ええ。お兄様からの贈り物ですから。」
どこぞの誰か知らない人からの贈り物ではない。アンタのよこした宝石より贈り物の価値がある。
高級取りなお兄様の贈り物は、お値段もお高い。
「カードに使われている青みがかったインクは2番目の兄の特別な愛用品。本人か筆跡で判断なさっては?
ペンは、ナンバリングされていますのでお店で誰が購入したか確認もできます。」
知らない男の影なんてないのよ。
「そんな小説、あるかも怪しい!」
「『小説の中で愛を隠す』今話題で3作目が出ています。」
ちらほら、小説を知っている令嬢がいるけど男性は言い出しづらいかしら?
「私は知っている」と恥ずかしそうにぽそりと呟いた…
((王子様、読むんですね。))その場の空気が言う。
「女心というものの勉強だ」
言い訳されずとも、私の兄も読んでます。2番目の兄に勧めた本ですから。ペンの贈り物も小説のシーンに合わせてあったんです。今は3番目の兄のところにありますよ。挿し絵が素敵なんですよねえ。
「それはそうと、大事にしていたペンをお返し願いますよね?先週から方々、探していたのですよ。」
無許可で勝手に持って行って(怒)早く返してよ!
「くっなら、ハンカチ!白いレースのハンカチの告白は、誰に贈ったのだ?」
“婚約者がいるのに…”とつきそうだけど、誕生日にカードだけ、花束をケチる男に言われたくない。
「兄です!」
3番目のお兄様。
手を怪我していた義理のお姉さんの代わりに催しものの時渡した。初恋の人にと言われる所以があるけど、親族なら安全祈願の意味だ。
見ていた人が勘違いしたのかしら?見た目が似ていないものねえ。
1番目のお兄様とも似てないくて、一緒に出たパーティで
「お若いですねお父様ですか?」って言われたことがあったわ。
「えーい、兄とばかり!」髪を振り乱して癇癪を起こす様は無様だ。
「家族ですもの」
貴族の令嬢が親族以外の男性と会うのは憚れることだけど、
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