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庭の葉
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「目で楽しむより私は、実利の方ね」
見事な庭というよりさっぱりした雰囲気。
貴族の庭より、騎士の考えなのね。
野菜も植っているのがわかる。
農耕を主に収益なのか
子爵家は違って、商人を誘致している。
宿の経営とか、物流で稼ぐとお父様が張り切っていて栄えている方。
私は商品を新しく作りたいと思う。
それまでの投資を考えると頭が痛いけど。
令嬢が行える仕事というのは少ない。
男性の力や家での役割が違うのは、大いに厄介だ。
刺繍も教会への寄付
立派だとは思うけど、利益の方に結びつかない。
お父様の宿の経営や物を売れるところに持っていく仕事も
その収益を安定させるのは難しい。
私も稼ぎを出したい。
女だから
なんて聞き飽きた。
女だてらと恐れられるくらい名前を売ってみたいものだ。
それこそ、騎士のように名声を得たいのかしら?
「この細腕と体力では無理よね。」
「お嬢様の動きで騎士を目指すのは無謀かと」
「そうねでもはっきり言わなくても良いじゃない。」
本当のことでも悔しいわ。
女騎士に憧れたことはあるけど、それは望めない。
ケイトリンの言葉から逃げるように、特徴のない草に目をやった。
念のためハンカチを使って触ると、その後ろの葉脈が紫色で、意外な色だった。
「何に使うのかしら?」
問いではなかった。調べてくれるだろう。
そうして散歩を終えると
「ライアス様」
ここの主人が、紫色の液体を飲もうとしている。
「凄い色ですね?」ベリーのような色ではなく色染めの汁を想起させた。
「美容に良いと健康のためだな母上の実家から勧められている。」
毎朝飲んでいるらし。よくある野菜のジュースかしら。
「殿方は苦い野菜の味が嫌いとよく聞きますが、サイアス様は平気なんですね」
「慣れた」
つまり味は良くないと?
すんなりその液体を飲んだのだった
「あの液体の味の改良に」
「趣味ですね?」
「レシピの見直しなど」
「趣味です」
ケイトリンがうるさいけど、やらせてもらう許可は得ているの。
「ここでやることもないし、滞在さしていただいている
というか、支度金って?」
「婚約のか結婚のものですと」
「返却しないとね、そこも聞かないと。
まあ、
急ぎじゃないし、夕食の時間が良いかしら。」
すでに試作のレシピに思考がいっている。
「色が違いますね?」
言われてみれば色が違うかと思う
「そう?味は青い野菜の味ね。後味が?」
さっき味見させてもらった、甘ったるいような香りがこない。
「何か足りないかしら?」
「いえ、ないと思いますが。」
もう一度聴いてみようととりあえず、口直しのお茶にすることにした。
見事な庭というよりさっぱりした雰囲気。
貴族の庭より、騎士の考えなのね。
野菜も植っているのがわかる。
農耕を主に収益なのか
子爵家は違って、商人を誘致している。
宿の経営とか、物流で稼ぐとお父様が張り切っていて栄えている方。
私は商品を新しく作りたいと思う。
それまでの投資を考えると頭が痛いけど。
令嬢が行える仕事というのは少ない。
男性の力や家での役割が違うのは、大いに厄介だ。
刺繍も教会への寄付
立派だとは思うけど、利益の方に結びつかない。
お父様の宿の経営や物を売れるところに持っていく仕事も
その収益を安定させるのは難しい。
私も稼ぎを出したい。
女だから
なんて聞き飽きた。
女だてらと恐れられるくらい名前を売ってみたいものだ。
それこそ、騎士のように名声を得たいのかしら?
「この細腕と体力では無理よね。」
「お嬢様の動きで騎士を目指すのは無謀かと」
「そうねでもはっきり言わなくても良いじゃない。」
本当のことでも悔しいわ。
女騎士に憧れたことはあるけど、それは望めない。
ケイトリンの言葉から逃げるように、特徴のない草に目をやった。
念のためハンカチを使って触ると、その後ろの葉脈が紫色で、意外な色だった。
「何に使うのかしら?」
問いではなかった。調べてくれるだろう。
そうして散歩を終えると
「ライアス様」
ここの主人が、紫色の液体を飲もうとしている。
「凄い色ですね?」ベリーのような色ではなく色染めの汁を想起させた。
「美容に良いと健康のためだな母上の実家から勧められている。」
毎朝飲んでいるらし。よくある野菜のジュースかしら。
「殿方は苦い野菜の味が嫌いとよく聞きますが、サイアス様は平気なんですね」
「慣れた」
つまり味は良くないと?
すんなりその液体を飲んだのだった
「あの液体の味の改良に」
「趣味ですね?」
「レシピの見直しなど」
「趣味です」
ケイトリンがうるさいけど、やらせてもらう許可は得ているの。
「ここでやることもないし、滞在さしていただいている
というか、支度金って?」
「婚約のか結婚のものですと」
「返却しないとね、そこも聞かないと。
まあ、
急ぎじゃないし、夕食の時間が良いかしら。」
すでに試作のレシピに思考がいっている。
「色が違いますね?」
言われてみれば色が違うかと思う
「そう?味は青い野菜の味ね。後味が?」
さっき味見させてもらった、甘ったるいような香りがこない。
「何か足りないかしら?」
「いえ、ないと思いますが。」
もう一度聴いてみようととりあえず、口直しのお茶にすることにした。
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