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なぜ?

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騎士に抑えられる私がいる。

王が膝をつく事などありえない
私がなぜ、騎士に取り押さえられる?


「謀反かぁああ?!!」

腹の底から叫ぶ、その声もオーケストラの音がかき消す
してしまった。


さりげなく振り返る男、王子になりかわろうなど
恐れ多い事をする。


バカな男だ。貴族の前に出ても、私でないことはすぐバレる。
そうなれば、捕まるのはあっちだ。


そしたら、極刑に処してあの女も報いを受けさせよう。
王の身を沈めた不始末を全ての者に、身をもってわからせよう。


今までのように。
私は王子、王になるのだから。


わああああ!

歓声。誰も気づかないのか。


「私がっ王なのだぞぉおおおお!!」


叫んだ。
しかし、離宮では誰も私を目に写さない。


何故だ?

いなかったかのように、皆跪くこともなく


この離宮から



出られない。





「そして王国は、栄えていきました。」
「めでたし、めでたし。」

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