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魔女の家

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女帝の庇護下を離れた私は、秘密の経路から森に出た。


私を連れ去ろうとするもの、囲い込みたい者から逃げる。
暗部のものが監視していたけど、森を出たら消えた。

お勤めご苦労様。

毒に話で色々意見交換をした日々が懐かしい。
森でならもっと使いやすい毒があるかしら。

私は新たな目的地として、魔女の家を目指している。
とにかく奥へ。

休み休み、森に慣れていない私は慎重に進んだ。
何の危険もなく、たどり着いた。

一定の客も来るという魔女の家でお茶を出される。
丁寧な歓待だ。

「久しぶりに会えて嬉しいよ。もう娘だねえ。」

「あのいつお会いしたでしょうか?」
「おや、赤児の時以来さ。女帝に聞いて来たんだろ?」

ひと言も聞いていません。
魔女の娘だそうで、母親は違っても魔女の一族として迎えられるそうです。


「昔から、人の暮らしを経験するため知識を学ぶために
魔女の娘を国に預けているのさ。何も聞いてない?」

女帝の娘はそんな裏があったのも知りません。
庇護と保護、その後は知識を求められたら応じるという約束だったそう。

私の前にも居たのね。隠してあった肖像画や本の著者がそれかしら。


「もう関係は反故さね。」

私の代で女帝の娘は居なくなった。
機会が失われるってことよね良いのかしら?


「収まるところにおさまるのよ。」

もう、必要ないなら良いか。そう割り切れる。
愛着もないし、助けたいとも思えない。

今後女帝となる妹には魔女の助けは得られないのかな。

まあどうでも良いや。関わっても良いことない。

「貴女にはここで学んでもらおうと思うのだけど
世俗の常識に未練はある?」

「いいえ、新しい事を学びたいです。」

私は、新しい環境に自身の足で踏み入ったのでした。
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