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「彼を婚約者にどうだろうか?」
「知っている仲だし、年齢も近いわ。」

「ええそうねパパ、ママ。」

特に反対もないし、ゆっくり愛情を育てれば良いと思った。
そう思い返す、私は友人とカフェでお茶をしていた。

「昔から知っている彼が、婚約者になる予感はあったのよ。」

「ご両親が気に入ってるから?」

「まあそれもあるわ。順当なところじゃないの。」

「適当ね、自分の旦那さんになる人でしょう?」
「だって、…まだ愛情が育ってないのかしら。」

今まで一緒に生活していた人ではないし、不安なのかもしれない。
「マリッジブルーかしら。」

気持ちが晴れないため、友人と久々に話せればと思ったけど。

「婚約が長いものね。結婚はもうすぐそこかしら。」

「ええ。その前に、新居で生活するって話でバタバタしてるわ。」

「引っ越しは大変よね、旦那が役に立つような邪魔なような?」

近所のパン屋の息子と結婚した彼女は、幸せそうだ。
恋愛結婚で、彼女から告白した時はお祝いしたわ。

それを近くで見ていても私の結婚感は、情熱を求めなかった。

両親に紹介された人。
全く知らない相手より、良い。


「珍しくもない。
派手な恋愛の噂話より、落ち着いた家庭を築きたいわ。」


「浮気しなさそう?」


たしかに、美男子というタイプではない。
「ええ大丈夫よ、たぶん。」


そう思っていた。
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