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変化の時
13-5
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月日は流れて
既に15歳を遠くに過ぎ、16という年齢を考えさせた。
『竜の翼』との別れ1年が過ぎていたが、
セリの記憶は1年前も思い出せた。
当主の生存を確定させたものの
行方がまた分からなくなったと手紙が来た。
温かい季節を望んでいる頃。
逃げられたのか、居なかったのか?と考え思考を止める。
私の身の振り方が決まるというものだ。
少しの失望
そんな私に、ロードが『竜の翼』のリーダーとして
約束をしてくれた。
「俺がどうにかする」
北の地へ赴き、ヴェーネン家の当主を連れて帰ると。
それをお願いするのは憚られて、
当主代理として率直に話す。
「それは依頼になる。ヴェーネン家…私はそれに値するものを払えない。」
事実だ。当主の生存を助けた報酬、費用を賄えない。
それをロードは
「成功報酬で、セリが払えるものをくれ」とだけ約束した。
私が払えるもので、全額払えるわけない。
次の再会の時にと頬にキスされ別れ、今はしばしば手紙が来るのみ。
そうして1年は立つ、社交シーズンまっ只中に意識が戻ってきた。
(約束を待つと言うのも、大変な事かもしれない。)
その憂いと
少女から大人になる瞬間のセリに、
花の香りに惑わせられれるように男が近づきそうなものだった。
しかし、友人達に周りがかためられ早々に、花に近づけない。
セリは淑女に成長した。
「綺麗よ」
「ありがとう」と形式的なお世辞に、お礼を言った。
メリーアンの方は本当に、セリを褒めていたのだが。
彼女はジョルバン家に嫁ぐ伯爵家の次女で、頭も回る。
セリにはその駆け引きを使わず素で発言しているが
容姿に関しては素直に受け入れてくれないのが悩みだ。
「いい仕上がりだ」メリーアンの勧めてくれたドレスを着た長身の女性
セリより背も体格もいいジュリーは、シンプルなドレスを着こなしていた。
ツァルト家に嫁入りして、アレイとの仲も良好らしい。剣の扱える騎士爵の家のお嬢様だ。
その後ろに隠れてしまっていたのは、小柄なケイシー。今日はしっかり化粧で化けている。
普段は研究に没頭してボーッとすることも多い彼女だが、ビシッとできて貴族の扱いもお手の物。
サンタナとの会話も成り立ち、トベルタ家も安泰だ。
交流を持ち、貿易街で催されるお茶会の参加に顔を出したセリは
後援してくれた貴族への挨拶にまわった。
ガイサスおじさんと戦ったこちがある歴戦の猛者のおじさんとの話を聞くのは面白い。
婚約者達と控え室に化粧直しという休憩をしている。
ジョルバン家当主は、カイルの第二夫人にと匂わせる
冗談と受け流すが、私で遊ばないで欲しい。
「ないから。」と毎度メリーアンに、力を入れて答えている。
女狂いだと噂されるツァルト家当主の目が、こわい。
アレイには「弱味を握っとけ」と助言している。
父親に煩わせれる大変さは身にしみている。
全権を渡さないのがコツだ。ちゃんと義母さん達とも交流しとけ。
当の本人は一途なタイプらしくジュリーとなかよくやっていけるだろう。
サンタナとは魔導具の話すようになった。ケイシーに支えられているけど。
王都の話題も入れてくれて、交流が増えたトベルタ家
未来の夫婦も仲良くやっていけそうだ。
そんなお茶会で婚約者が決まっておらず、年頃の令嬢として
視線を集めているセリに、
「火遊びしようとつ近づく男は
セリの水魔法でびしょ濡れ決定ね。」と軽口を言われる。
存在が浮き余計に注目され、疲れる。
そのことに、気づいていないセリだった。
そんな貴族の日常を終えたセリ。
屋敷にセリュートへ届いた手紙。
手紙は
当主の帰還を告げるものだった
既に15歳を遠くに過ぎ、16という年齢を考えさせた。
『竜の翼』との別れ1年が過ぎていたが、
セリの記憶は1年前も思い出せた。
当主の生存を確定させたものの
行方がまた分からなくなったと手紙が来た。
温かい季節を望んでいる頃。
逃げられたのか、居なかったのか?と考え思考を止める。
私の身の振り方が決まるというものだ。
少しの失望
そんな私に、ロードが『竜の翼』のリーダーとして
約束をしてくれた。
「俺がどうにかする」
北の地へ赴き、ヴェーネン家の当主を連れて帰ると。
それをお願いするのは憚られて、
当主代理として率直に話す。
「それは依頼になる。ヴェーネン家…私はそれに値するものを払えない。」
事実だ。当主の生存を助けた報酬、費用を賄えない。
それをロードは
「成功報酬で、セリが払えるものをくれ」とだけ約束した。
私が払えるもので、全額払えるわけない。
次の再会の時にと頬にキスされ別れ、今はしばしば手紙が来るのみ。
そうして1年は立つ、社交シーズンまっ只中に意識が戻ってきた。
(約束を待つと言うのも、大変な事かもしれない。)
その憂いと
少女から大人になる瞬間のセリに、
花の香りに惑わせられれるように男が近づきそうなものだった。
しかし、友人達に周りがかためられ早々に、花に近づけない。
セリは淑女に成長した。
「綺麗よ」
「ありがとう」と形式的なお世辞に、お礼を言った。
メリーアンの方は本当に、セリを褒めていたのだが。
彼女はジョルバン家に嫁ぐ伯爵家の次女で、頭も回る。
セリにはその駆け引きを使わず素で発言しているが
容姿に関しては素直に受け入れてくれないのが悩みだ。
「いい仕上がりだ」メリーアンの勧めてくれたドレスを着た長身の女性
セリより背も体格もいいジュリーは、シンプルなドレスを着こなしていた。
ツァルト家に嫁入りして、アレイとの仲も良好らしい。剣の扱える騎士爵の家のお嬢様だ。
その後ろに隠れてしまっていたのは、小柄なケイシー。今日はしっかり化粧で化けている。
普段は研究に没頭してボーッとすることも多い彼女だが、ビシッとできて貴族の扱いもお手の物。
サンタナとの会話も成り立ち、トベルタ家も安泰だ。
交流を持ち、貿易街で催されるお茶会の参加に顔を出したセリは
後援してくれた貴族への挨拶にまわった。
ガイサスおじさんと戦ったこちがある歴戦の猛者のおじさんとの話を聞くのは面白い。
婚約者達と控え室に化粧直しという休憩をしている。
ジョルバン家当主は、カイルの第二夫人にと匂わせる
冗談と受け流すが、私で遊ばないで欲しい。
「ないから。」と毎度メリーアンに、力を入れて答えている。
女狂いだと噂されるツァルト家当主の目が、こわい。
アレイには「弱味を握っとけ」と助言している。
父親に煩わせれる大変さは身にしみている。
全権を渡さないのがコツだ。ちゃんと義母さん達とも交流しとけ。
当の本人は一途なタイプらしくジュリーとなかよくやっていけるだろう。
サンタナとは魔導具の話すようになった。ケイシーに支えられているけど。
王都の話題も入れてくれて、交流が増えたトベルタ家
未来の夫婦も仲良くやっていけそうだ。
そんなお茶会で婚約者が決まっておらず、年頃の令嬢として
視線を集めているセリに、
「火遊びしようとつ近づく男は
セリの水魔法でびしょ濡れ決定ね。」と軽口を言われる。
存在が浮き余計に注目され、疲れる。
そのことに、気づいていないセリだった。
そんな貴族の日常を終えたセリ。
屋敷にセリュートへ届いた手紙。
手紙は
当主の帰還を告げるものだった
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