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閉ざされる屋敷
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夕方からは大抵、借りている本を読む。
背後の椅子、ロードも静かだ。
最近出版されたものまで手に入るのは、さすが王都だなと感心する。
本の入手は大変だ。
私は買ったことがない。
食後はキースと(ロードもいるけど)お茶を飲みながら
他愛ない話をする。
「これだけ読んでて?」
書庫にあるのは当主と先代のもの。借りることもあったけど私が購入した本はない。
「当主どこにいるの?」
「・・北の方?」
疑問形になるのも仕方がない。又聞きだし、見つかっているのかいないのか。
「厄介な当主だね」
「本当にね」
お茶が終われば
キースと軽口を叩きながら魔導具を組み立てる。
魔力回路のチェックをしながら、調整を試みるキースに
慣れたものを感じる。
組み立ては任しても、仕様書は自分で書き上げるんだろう。
着眼点や使う回路が多岐にわたり、私が混乱してきた。
真新しいものや、改良したと思われる形跡
スラスラと出てくるそれらを見落とさないよう
指示を受けながら改良を加えられていく魔導具。
改良というよりもう新作だ。
魔石の大きさに慄く。
それ、おいくらですか?
それをポンと出されるのにも驚く。
「ロードに言えば、何個か出してくれるよ?頼んでみたら。」
と軽く言うキースに、『竜の翼』では珍しい大きさではないのか。
出そうとするロードを止めた。私の精神衛生上、目にしたくない。
市場ではオークションにかけられて売れる代物だと判断した。
提供されものを使うと費用度外視な魔導具は
恐ろしい力を感じる、気がする。
満足行く姿になったようで、休憩を入れることにした。
熱い飲み物を用意する。
温い飲み物は嫌らしいので魔法で私が淹れることが常になった。
今回も満足していただけたようだ。
慣れた会話とハーブティも飲むと聞いたので、用意していた。
ひと息ついて
シュルトが作ってくれたクッキーを夜食に摘まんで
食べさせられる
私がロードの上に座っているからだ。
まるで空気のように当然と椅子になっているのに
慣れたのが虚しい。
一応、存在は忘れていないとのアピールで
ハーブティを勧めた。
好みが分かれるけど、大丈夫かな?
「美味い。」
何でも美味しいとロードは言うので、ちょっと疑っている。
ここにいるのは、キースと2人きりにしたくないという理由らしい
執事としてサディスも賛成だろうけど。
どうも馴れ馴れしい過ぎると口を挟んでくるのは、
年齢が近いせいだろうか?
キースとは
職人研究者と話しているような勢いしか感じない。
その距離感に苦言を呈されるが、現状は変わっていない。
キースとのことより、後ろのロードのことは良いのだろうか?
このべったりに当初は避けようとしたけど、
高ランカーのスピードとタイミングの読み方が
ぴったり邪魔に感じないのが恐ろしい!
動くときの呼吸や動作を予想しているのか抵抗なく動ける。
触れている重さや熱さは感じるが。
なんなら執事よりぴったり密接で、ついてくるよ?
サディスは書類をやってくれているけど。
そろそろ、終わってこの状況をどうにかしようとしてくるかなあ。
高ランクにどう攻め入るのやら。
流れに任せて行くつもりの私だ。
そんなことを考えて起きた朝だった。
「ただいま~」と知った声が屋敷に響いた。
背後の椅子、ロードも静かだ。
最近出版されたものまで手に入るのは、さすが王都だなと感心する。
本の入手は大変だ。
私は買ったことがない。
食後はキースと(ロードもいるけど)お茶を飲みながら
他愛ない話をする。
「これだけ読んでて?」
書庫にあるのは当主と先代のもの。借りることもあったけど私が購入した本はない。
「当主どこにいるの?」
「・・北の方?」
疑問形になるのも仕方がない。又聞きだし、見つかっているのかいないのか。
「厄介な当主だね」
「本当にね」
お茶が終われば
キースと軽口を叩きながら魔導具を組み立てる。
魔力回路のチェックをしながら、調整を試みるキースに
慣れたものを感じる。
組み立ては任しても、仕様書は自分で書き上げるんだろう。
着眼点や使う回路が多岐にわたり、私が混乱してきた。
真新しいものや、改良したと思われる形跡
スラスラと出てくるそれらを見落とさないよう
指示を受けながら改良を加えられていく魔導具。
改良というよりもう新作だ。
魔石の大きさに慄く。
それ、おいくらですか?
それをポンと出されるのにも驚く。
「ロードに言えば、何個か出してくれるよ?頼んでみたら。」
と軽く言うキースに、『竜の翼』では珍しい大きさではないのか。
出そうとするロードを止めた。私の精神衛生上、目にしたくない。
市場ではオークションにかけられて売れる代物だと判断した。
提供されものを使うと費用度外視な魔導具は
恐ろしい力を感じる、気がする。
満足行く姿になったようで、休憩を入れることにした。
熱い飲み物を用意する。
温い飲み物は嫌らしいので魔法で私が淹れることが常になった。
今回も満足していただけたようだ。
慣れた会話とハーブティも飲むと聞いたので、用意していた。
ひと息ついて
シュルトが作ってくれたクッキーを夜食に摘まんで
食べさせられる
私がロードの上に座っているからだ。
まるで空気のように当然と椅子になっているのに
慣れたのが虚しい。
一応、存在は忘れていないとのアピールで
ハーブティを勧めた。
好みが分かれるけど、大丈夫かな?
「美味い。」
何でも美味しいとロードは言うので、ちょっと疑っている。
ここにいるのは、キースと2人きりにしたくないという理由らしい
執事としてサディスも賛成だろうけど。
どうも馴れ馴れしい過ぎると口を挟んでくるのは、
年齢が近いせいだろうか?
キースとは
職人研究者と話しているような勢いしか感じない。
その距離感に苦言を呈されるが、現状は変わっていない。
キースとのことより、後ろのロードのことは良いのだろうか?
このべったりに当初は避けようとしたけど、
高ランカーのスピードとタイミングの読み方が
ぴったり邪魔に感じないのが恐ろしい!
動くときの呼吸や動作を予想しているのか抵抗なく動ける。
触れている重さや熱さは感じるが。
なんなら執事よりぴったり密接で、ついてくるよ?
サディスは書類をやってくれているけど。
そろそろ、終わってこの状況をどうにかしようとしてくるかなあ。
高ランクにどう攻め入るのやら。
流れに任せて行くつもりの私だ。
そんなことを考えて起きた朝だった。
「ただいま~」と知った声が屋敷に響いた。
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