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冬籠りの季節

キースの興味

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「3人固まって、何してんの?」

ロードを引き止めるようにしているシュルトとカナン。
あーそういえば番がどうとか言ってたっけ。

ここの当主?
顔あんまり見てないや。子供だったな。

声にも態度にも高圧的なところがないし、媚を売る声でもないから
まあいっかって感じ。

貴族関係は全部面倒だからさ。放置一択だよね。

ボクの興味はここの書庫だけ。
魔導具の研究をしているって話だったから、その関係の本を楽しみにしている。
過度に期待はしていないけど、掘り出し物がないかなあ。

魔導具に関しては、実物が見れれば良いかな~って程度。
貴族が功績を掠め取るなんてよくある話だし、

よい職人がいるんだろうと思っている。

本は別、この家って結構古いみたいだから
変わり種があるかも!

変わった魔導書に会えるカモという期待と
なくても大丈夫なように、本は持ってきている。

寒い時期を過ごすのにはギリギリの量かな。
辺境だし、買い物に気楽に出られるわけじゃないけど
竜便で送ってもらう事はできそうだ。

(貴族の集まりがないってだけで楽だよなあ。)

王都の誘いも鬱陶しいし、義理は果たしたから
ゆっくり本を読みたい。

思ったよりのんびりできそうで
幸先はいいんじゃない?

ロードが暴走気味でもカナンが止めるし、シュルトがなんとかするでしょ。
森があるから、グスタフも出かけるかもね。

フィールドワークも好きでしょ、いってらっしゃいだね。
ボクは興味ないよ。

森でファイヤー系がぶっ放せないから、消化不良になるし。
と外を眺めていたら、グスタフも来て全員揃った。

ここは別館にあたる場所で、書庫は本館の当主の部屋に近い場所にあるって。
一番居る場所になりそうだからって全員でゾロゾロ行くのかあ。

ロードに言い聞かせてるのを横目に、紅茶を淹れようか考える。
紅茶の葉は持ってきた。さっきのお茶は、まあまあってところ。
客用のお茶であれだから、そうたいしたものは期待してない。

竜便で送ってもらうことになりそうなのは
折込済み。けど、森でハーブが採取できるかな?ここで何かないか探してみよう。

“森の恵み”と言われる土地に何があるかは気になる。時期が外れているけど。

コンコンとノックの音
メイドかなと思えば、
「そろそろ、書庫へ案内しましょうか?」

次期当主が来たよ。メイドか執事が来るところだと思うけど?

まあ人がいないのか。
変に媚びた対応よりいっか。子供を使った案内のがさ。


書庫にたどり着くと
魔力の承認の魔道具?

結構厳重だなあと思って、書庫に入る。

ゾロゾロと全員で入っても余裕。
個人のものにしてはなかなかの蔵書だ。

奥に作業机があって研究もそこでしていたのか。
もっと奥にも机があって。バラされた魔導具があった。

この子が使ってたスペース?

「本は国の図書館を参考に並べてあります。
研究用とこの森の生態に関係するもので、鍵付きの棚には
個人のノートがあるのでご遠慮ください。

後は戻してくだされば、自由にお読みください。」

「へえ。」結構読み応えありそう。

奥の魔導具の近くの本棚を眺める。
良い揃えだ。かなり専門的だけど

知らない著者もいるなあ。
本探しに没頭した。
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