上 下
65 / 98
冬籠りの季節

シュルトの場合

しおりを挟む
忙しい。この社交の時期はしょうがない。
挨拶やら顔つなぎ、パーティやらどこぞのお茶会に出るのが常だった。

王都にいる商人ならおかしくない行動のはずが、
ワタシには、冒険者として各地に訪れる方が楽しい。

まあこれも王都の醍醐味だと割り切っているにだケド。

拠点もあるし、店舗もある王都でワタシのやることは多い。
まあ楽しくもあるからいつまででもいられるんだけど、そうはいかないだろう。

他のメンバーのストレスが最高潮だったからだ。

カナンは拠点のすぐ隣にある森に1人でぶらつくことが多い。
しかし、リーダーのロードは苛々と部屋に篭っている。

部屋に篭っていて何故苛ついているかわかるかって?
冷気が漏れているのよ。

まあ、少し社交に引っ張り出したせいもあるかも。
魔力を制御できないくらい嫌だったのカシラ。

グスタフとキースは、本があれば引きこもれるタイプだし
どちらかというと部屋から出てこなくて困るワ。
ちゃんと食べないとね。

ストレスのためがちなカナンとロードを
2人で依頼を受けに行っても

王都の社交の時期

貴族に勧誘を受けたり、警護という名のパーティへの参加依頼
どれもパスしたいものよね。

森に行って、数日、獲物を夕食にしたわ。

ワタシは学べることはいっぱいあるものの
流石に目まぐるしかった。

そこに、ある筋からの依頼

キースの血縁のあの方。その関係で声をかけられたのだろう。
視察って、場所は魔の森の広がる辺境だ。

結構長い期間よね?
引きこもるのも良いかもと思う。

2人を冒険者ギルドで見かけたせいか、貴族からの
誘いが鬱陶しい。

本さえ有れば良い2人も了承し、寒さが緩むまで
そこに滞在することにした。

宿も少ない辺境の地
冒険者ギルドからの紹介文も添えて、ある屋敷での滞在が決まった。

ヴェーネン家?聞いたことのない貴族の名前だ。
辺境ではなかなか領地から離れられない。
社交の年頃の子がいなければ、出てこないか。

歓迎致しますと結ばれた手紙は
若々しい印象を持った。

それが当たったのは、ヴェーネン家の内事情を少し知ったから。
出発ギリギリで出して来るのが、わざとだと思うワ。

まあ危険な事ではないし。
当主不在で14歳の子が家を守っている

最近の活躍の実績の事実とその子の人となりの調査、ね。


ワタシは温厚な竜に騎乗する
キースは筋力が持たないとワタシの後ろ。

ロードは離れたところで喧嘩っぱやそうな竜と睨み合って、勝ったようだ。
馬に乗るように簡単に乗った。その大きな個体にはカナンも乗る。
毎回やっている挨拶みたいなものらしい。

グスタフは小柄な飛竜だが単独で乗れる
暴れもせずおとなしく待っていた。

飛竜に乗るのは緊張するけど、竜がうまく飛んでくれて
なんとかなっている。

無事着陸したと思ったら


ロードがいきなり、子供にハグ?!
そんなきゃらじゃなかったわよネ??


つがい
貴族の子よね?

後継かしら、けど
違和感

女の子だわ
男装?

詳しく分からないうちから突っ込む事でもないと思って言わなかった。
まず女の子よねってこと

着飾りがいのありそうなと着せ替えたい気持ちを抑えてまじじぇにかんがえ。


(女の後継って認められていたっけ?)

王都への手紙の回数が、増える予感がした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。 そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。 そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。 「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」 そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。 かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが… ※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。 ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。 よろしくお願いしますm(__)m

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ

悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。 残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。 そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。 だがーー 月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。 やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。 それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」  行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。  相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。  でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!  それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。  え、「何もしなくていい」?!  じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!    こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?  どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。  二人が歩み寄る日は、来るのか。  得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?  意外とお似合いなのかもしれません。笑

侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ
恋愛
ある時、自分のミスで双子の弟を失ったレティシアは代わりに自分が男(クリストファー)として生きて行くと決断する。 クリストファーが生きていると信じ、探そうとするレティシアと、そんな彼女が男だと思いながらも自然と惹かれ、苦悩する男達と、可愛い男だと思って自分のものにしようと寄ってくる男達との攻防の物語です。 ※作中にはBL表現も出てきます。 苦手な方はご遠慮下さいませm(_ _)m

公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。

木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。 時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。 「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」 「ほう?」 これは、ルリアと義理の家族の物語。 ※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。 ※同じ話を別視点でしている場合があります。

冷酷非情の雷帝に嫁ぎます~妹の身代わりとして婚約者を押し付けられましたが、実は優しい男でした~

平山和人
恋愛
伯爵令嬢のフィーナは落ちこぼれと蔑まれながらも、希望だった魔法学校で奨学生として入学することができた。 ある日、妹のノエルが雷帝と恐れられるライトニング侯爵と婚約することになった。 ライトニング侯爵と結ばれたくないノエルは父に頼み、身代わりとしてフィーナを差し出すことにする。 保身第一な父、ワガママな妹と縁を切りたかったフィーナはこれを了承し、婚約者のもとへと嫁ぐ。 周りから恐れられているライトニング侯爵をフィーナは怖がらず、普通に妻として接する。 そんなフィーナの献身に始めは心を閉ざしていたライトニング侯爵は心を開いていく。 そしていつの間にか二人はラブラブになり、子宝にも恵まれ、ますます幸せになるのだった。

【完結】田舎育ちの令嬢は王子様を魅了する

五色ひわ
恋愛
 エミリーが多勢の男子生徒を従えて学院内を歩いている。この国の王子であるディランは注視する案件だと兄のチャーリーと話しあっていた。それなのに……  数日後、チャーリーがエミリーの取り巻きに加わってしまう。何が起こっているのだろう。ディランは訳が分からず戸惑ったまま、騒動の中心へと引きづりこまれていくのだった。

処理中です...