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新人冒険者

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女だらけの冒険者パーティは、今までの冒険者パーティと違った雰囲気があった。

ランクの高い冒険者としての経験があるものの
森での狩りに不慣れば雰囲気も出る。

土地柄のせいだろうか。

真面目にと言いたくなる仕事が終われば、
途端に砕ける雰囲気。

“気を張ってばかりでは、消耗する”と休める時に休み
お喋りを楽しんでいたかと思えば

言い合いの喧嘩。たまに手や足も出るが
ストッパーが決まっているらしい。

「なぜすぐ止めないの?」
体力も減るし、騒ぐのは危険もあるのでセリがきくと

『女神の剣』のリーダーが答えてくれた。

「気持ちの発散だ。チームワークにも関わるからな。
ガス抜きや気落ちしてるとじの切り替えになるんだ」

確かに煩いがな。
とカッコ良く微笑んだ。

男顔負けのカッコ良さだと思うセリだった。
チームワークを目にしていたが、
セリ自身が連携をとることは稀だ。

パーティの臨時参加と、単独の攻撃にフォローをいれてもらう
後衛支援を受けるのは、チームワークの発揮とは言えないかもしれない。


それは

貴族であり、当主の代理の位置づけでは
肩を並べての行動より、命令をする立場にある。

その潜在的な意識を明らかにした。

それは、この中で私が異質だと認めることになる
セリは静かにため息を吐いた。

感情が哀しいと憂鬱だったからだ。


長期、森で野営しながら
中層部分に足を踏み入れた。

中型の魔物を狩ることもあり
『女神の剣』の高性能の収納バッグに入れられていく。

相当高価なものだろわかるが、その事実を無視した。
そんな日々は楽しく、冒険者ランクも上がってDランク。

“素人に毛が生えた”から、仕事ができる素人に上がる。
ソロの活動で、Cランクが一般的な冒険者だが、そこに至るのはまだ時間が必要だ。

私の年齢では早い方だろう。
中型の鳥魔物くらいなら単独で狩れるようになり
水魔法の練度も上がってきた。

【ウォーターカッター】は切れ味と範囲が広げられて便利だ。
弓矢だけでは難しかった、中型の魔物を仕留められる。

冒険者ギルドでの魔法の鍛錬を真面目にやり、
ギルドマスターから指南を受けた。

獣人は魔法が苦手と聞いてたが、『女神の剣』の魔法使いとの話は盛り上がり
得意、不得意がハッキリしているってことだった。


長く滞在してくれた『女神の剣』が、社交の季節になる前に
王都へ行きたいとこの地を立つ日が来た。

「うちへ勧誘したいな」「魔法使いが増えるのは歓迎」
「ウチの国は水魔法使い、チョー貴重!」

それぞれ誘ってくれる
それに嬉しいが、断りの言葉を告げるのが礼と口を開くところで

「セリ様。」
サディス登場した。


まあ、屋敷の別棟だから来てもおかしくはないんだけど?
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