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貴族の社交
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貿易街のある貴族の屋敷で開かれているお茶会は
大したトラブルもなく賑わっていた。
マナーを学んだばかりとは言え、貴族の子息と令嬢たちだ。
自分の家を背負っているという気概と、その可愛い傲慢さはお茶会のスパイスでしかない。
例年通りの様相ではあったが
4人の貴族子息が、お茶会から抜け出していた。
お茶会という名の自由なお見合いに疲れ果て
“交流会”と銘打ってお疲れ気味の4人が控え室に集まった。
「ちっ女なんて!」
私の予想を裏切らないアレイは社交的ながらも
武骨さが一般的な貴族には、受け付けないのだよ。
乱暴さ、粗雑さに見えてしまう損な性格だとセリュートは思った。
その横で、
「怖い」と疲れた様子のカイル。
(連れ込まれそうだったもんな?)
部屋に連れ込まれそうな危ない目に合っていた。前から狙われていたのか?
さりげなく救出しといた。
サンタナは、煤けて無言でいる。
3人とも話し相手も得られていないようだ。
私?おしゃべりを楽しんでたよ。
勉強した出身地方の話を詳しく聴いて
令嬢のドレスや髪型を褒め、王都の流行の話を聴き、聞き…
衝突を未然に回避、衝突しても話を逸らした。
・・流石に疲れたわ。
辺境に来てくれるお嫁さん探し、苦労するねえ。
自分は関係ないという態度を隠しセリュートは宣言した。
「よし、未来の嫁を占ってやろう。」
「偉そうに!」と噛みつきそうなアレイに
「私のとこは、どこの令嬢でも権力を持っていては困るんだよ。
そこのところ、アレイは自由だろ?そこまで下位じゃなきゃ。
選り取り見取りだ。」と躱す。
座り直したアレイに思い付きを話す。
「挨拶の後、最初くらい褒めろ。1個で良い。どうせ直ぐにメッキが剥げる。
強気で物申す女性、騎士の家系の女の子を探してみろ
甘言で持ち上げるのはやめとけ。」
「なんでだよ。」
「親父さん、元気か?」
ツァルト家の当主は女性と浮名を流している。
それを指摘するとぐっと黙った。
次はカイル
「顔で釣れるのは全部なしだな」
「どんな子がいるの?」
「長女以外の子で、聡明な子。腹芸できそうな子を探してみな。
特徴は、影に隠れているけど、周りを良く観察している子。たぶん君が近づけば逃げる。
目立つ男はお断りってね。」
微妙な顔をして紅茶を飲んだ。
「サンタナは誰かと話せた?」
青い顔をしてブンブンと横に振る。
「んー。会話ができる子だな
変わった趣味を持っている子に声をかけてみろ。
趣味を極めたいタイプだ。そういう子は計算できる。物事の色々をな。
性格は悪くないんだ。自分の領域のことを話せて、辺境にきてくれる思慮深い女の子を
見つけ出せ。色々考えて嫁に来てくれる。」
「お前はどうなんだ?」
なんだかんだで面倒見が良いアレイがセリュートに聴いた。
「高ランクの冒険者でも引っ掛けるかな。」
お茶会は、あらぬところで思惑を持って終了した。
大したトラブルもなく賑わっていた。
マナーを学んだばかりとは言え、貴族の子息と令嬢たちだ。
自分の家を背負っているという気概と、その可愛い傲慢さはお茶会のスパイスでしかない。
例年通りの様相ではあったが
4人の貴族子息が、お茶会から抜け出していた。
お茶会という名の自由なお見合いに疲れ果て
“交流会”と銘打ってお疲れ気味の4人が控え室に集まった。
「ちっ女なんて!」
私の予想を裏切らないアレイは社交的ながらも
武骨さが一般的な貴族には、受け付けないのだよ。
乱暴さ、粗雑さに見えてしまう損な性格だとセリュートは思った。
その横で、
「怖い」と疲れた様子のカイル。
(連れ込まれそうだったもんな?)
部屋に連れ込まれそうな危ない目に合っていた。前から狙われていたのか?
さりげなく救出しといた。
サンタナは、煤けて無言でいる。
3人とも話し相手も得られていないようだ。
私?おしゃべりを楽しんでたよ。
勉強した出身地方の話を詳しく聴いて
令嬢のドレスや髪型を褒め、王都の流行の話を聴き、聞き…
衝突を未然に回避、衝突しても話を逸らした。
・・流石に疲れたわ。
辺境に来てくれるお嫁さん探し、苦労するねえ。
自分は関係ないという態度を隠しセリュートは宣言した。
「よし、未来の嫁を占ってやろう。」
「偉そうに!」と噛みつきそうなアレイに
「私のとこは、どこの令嬢でも権力を持っていては困るんだよ。
そこのところ、アレイは自由だろ?そこまで下位じゃなきゃ。
選り取り見取りだ。」と躱す。
座り直したアレイに思い付きを話す。
「挨拶の後、最初くらい褒めろ。1個で良い。どうせ直ぐにメッキが剥げる。
強気で物申す女性、騎士の家系の女の子を探してみろ
甘言で持ち上げるのはやめとけ。」
「なんでだよ。」
「親父さん、元気か?」
ツァルト家の当主は女性と浮名を流している。
それを指摘するとぐっと黙った。
次はカイル
「顔で釣れるのは全部なしだな」
「どんな子がいるの?」
「長女以外の子で、聡明な子。腹芸できそうな子を探してみな。
特徴は、影に隠れているけど、周りを良く観察している子。たぶん君が近づけば逃げる。
目立つ男はお断りってね。」
微妙な顔をして紅茶を飲んだ。
「サンタナは誰かと話せた?」
青い顔をしてブンブンと横に振る。
「んー。会話ができる子だな
変わった趣味を持っている子に声をかけてみろ。
趣味を極めたいタイプだ。そういう子は計算できる。物事の色々をな。
性格は悪くないんだ。自分の領域のことを話せて、辺境にきてくれる思慮深い女の子を
見つけ出せ。色々考えて嫁に来てくれる。」
「お前はどうなんだ?」
なんだかんだで面倒見が良いアレイがセリュートに聴いた。
「高ランクの冒険者でも引っ掛けるかな。」
お茶会は、あらぬところで思惑を持って終了した。
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