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貴族の社交

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「初めまして、セリュート・ヴェーネンです。」

キラキラしく挨拶をした。ここは、お茶会の場。


執事のサディス婚約者を探すフリで牽制する方向で策を考えた。
それには社交に参加するのが一番なのだけど

私の年齢はデビュタント前。
社交にも限度があるし、保護者が不在。

ガイサスおじさんの現状は、イマイチ掴めず
合流した冒険者の手紙では元気だがまだ王都を離れられそうにないと
暗号があった。

邪魔だてされている


ヴェーネン家への介入と掌握が目的だろう。
今なら子供がいるだけだからね。

その通りにさせたくないものの
防戦一方だ。

ひっくり返すには、
まずはガイサスおじさんの状況を知りたい。

そしてお茶会に来た。
開催地は、貿易街と呼ばれる場所の貴族街。
辺境より王都から近い。情報収集には最適らしい。商人同士の情報の流れがあるらしく
それを集めてもらいに行っている。

このお茶会はこの時期

“地方の貴族の紳士淑女の卵の出会いの場”
社交の練習のために毎年開催されているらしい
貴族の子息、息女はお話ができるくらいの年齢なら参加が認められる。
マナーを粗方習った子達が本番前にと親に勧められて来る。

親とは離れて数人の使用人のみの参加だ。
騒ぎがあってもこの屋敷の使用人がさばいてくれる。
それでも紹介や人となりが噂される、小さな社交場だった。

そこに乗り込んだ。
紹介状はトベルタ家に頼んだ。

少々魔石の話を持ち込めば、簡単に出してくれたよ!
「サンタナをよろしく」って当主から一文が添えてあった。社交が苦手そうだものね。

今回、辺境の四家で参加になった。
アイルは2歳年上であったけど、昨年の参加はなかったらしい。
サンタナと違う方向で苦手だな?!

セリュートとして男装での参加
細身ながら筋肉もついている私は格好良く見えるでしょ?

誰に自慢気かって、
見張りがついている。子爵の手の者だよね。

下手そう。
アレだけじゃなく、腕の良い人もついてきてるのかな?
二段構えとかセオリーだって聴いたけど。

留守番にはオルフのパーティの数人を。
アイリスを撫でられないのが惜しいけど。

オルフなら話を吹き込まれても右から左に抜けるから!
気になってもそのまま聞いてくるし。
裏表ないってこういう時、安心できる。

あの2人の監視と屋敷の警備を依頼して
貿易街までの護衛もパーティ内で分かれてやってもらっている。

ちなみに、正装が直ぐに用意できるかで組み分けしたらしい。


私の正装姿もなかなかのものでしょ?と
越に浸っていても、サディスからツッコミはない。
今回屋敷に残ってもらい、屋敷から連れてきたのはメイドと御者だ。



「お隣良いかしら?」

やった!モテてる。
女の子可愛いなあ


「隣は私!」

座ってた子を椅子から落としたよ?
女の子、怖いわ。








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