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貴族子息の義務

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無事、今日の野営地点についたセリュートです
現在、周りは建設中。

広い大人数用のテント、簡易の宿泊所のような形のものまであって
仮の住居のような様子に建設という言葉を使ってしまう。

その光景をのんびり見ている私は
冒険者達と野営のテントだ。

冒険者達は仕事だ!と出かけて行った。
解放感に溢れた顔が恨めしい。
周辺の警戒に、散歩に出掛けた雰囲気だった。

私はもちろんお留守番と言われ大人しく
留守番組みだ。

装備の再点検と比較的のんびりしているが、
すぐに出られる。

と言えども
他はそうはいかない。

広場になるこの地点で、きた当初空き地だったこの場所は
あっという間に、村の様相だ。

建築と料理の準備
馬も休みをもらい慌ただしく動いているのは決まった人間だけ。

その役割だからと言いたげで、
貴族の子息は見当たらず、当主は顔さえ見ていない。

(今度顔をあわせても、忘れてそうだよ?)

いや、護衛や格好で判断できるからセーフだろう。

そして貴族は動かない。
そうか。動かないのか。
貴族の自覚より、どういうものか知る方がさきだなと
再確認した。

常々、(貴族に向いてないわ)と思うことになるとは知らずに。

「水くれー。」
「はい。」と気軽に飲料可能な水を魔法で出す。

テントの設営まで手伝い
完了していたセリュートは、手持ちぶたさに待っていた。


待ちの時間が長い!


こんなことなら採取について行けばよかったと思うが
そういうわけにはいかない。

セリュートが居なければ問題だろう

そういう理由で仕方なく、大人しくしていた。もふもふの毛の
アイリスを撫でてイライラを落ち着かせる。

普段、行動が早い冒険者と共にあったため
団体行動というのがしっくりこない。

スピード感のなさにすっかり
やる気が削がれていた。

テントを設営した木の近く木陰は涼しい。
つい寝そうな長閑さだ。

魔物除けもあり、ちゃんと武装もしている。
疲れてもいないのに、移動だけで休憩時間になってしまった。

周りを観察をする

布陣というべきか
中央に近いテント、ツァルト家に集まっている形だ。


入ってきた方の建設中
慣れたものも多そうだが、立派でしっかりした滞在場所。
まだかかりそう。

東寄りのトベルタ家は準備をする人間と分かれているようだ。

一般的なテントに見えるが、仕掛けがありそうな雰囲気と調合の道具が見える。
座っている人間と動いている人間が別れ、顕著だ。


各家の特色を見つつ
気になる人物などは目をつけておいて

早く狩りにでないものかと
あきれた気持ちで、この演習じみたもの眺めるセリュートだった。

その様子は冒険者のひとりに見えていたのだった。


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