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貴族子息の義務

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辺境の地は四家の貴族で防衛されてきた。

ツァルト家は新興の貴族で、武勲を立ててきた攻撃の要。
ジョルバン家は守護の家。兵団を持ち、王都の方でも人脈がある。砦の防衛や補給の規律を司る。
トベルタ家は、分析や武器開発などの後方支援、資金繰りなど安定したやり取りをする。

うちのヴェーネン家とは遠縁に当たるとか。かなり遠いらしいけど。
貴族全鑑は覚えてないが、歴史と立ち位置、評判を聞いた。


屋敷に来る冒険者より
街や冒険者ギルドの酒飲みに

バリス付きでや冒険者に協力願った。
対価は、ある女性の好みの品を聞き出せと。
…子供を使うなよ。

まあいいように振り回してもらえそうなお姉様だった。
がんばれ冒険者。

到着は私達が最後だったらしい

軽い談笑をしている風だが
どういった策略が巡らされているのか。

それぞれの兵団が整列し
父親と側には子息たち。

年代が近いがツァルト家だけ2歳年上だったか。
身体のできが違って見える。

そん中
ガイサスおじさんを保護者に
出生不明の子供が現れる、と。

どんな嫌味をいわれるかな?

「おや?ヴェーネン家から人が来たのか。誰も来ないと思ったが?」

ツァルト家の当主は日に焼けた筋肉質の男。
手紙で参加は伝えているが遅刻だといいたいのかな。

「久方ぶりすぎて勝手がわからないのだろう、よく来れたな?」
細い髭の文官タイプに見える男がジョルバン家
含みのある『よく来れたな』だね。裏の暗躍とか得意そう。

「参加は2人か?せいぜい足を引っ張らないことだな!」
トベルタ家は静かだが、神経質そうな男。

「今回、当主の代理で参加させていただく、ガイサスと」

「セリュートです。よろしくお引き回しのほどを」
丁寧に挨拶する。
初対面だ。


同年代の貴族子息と顔合わせをした。
流石に父親の近くで大人しくしている。

そういったマナーはあるようだ。
口を出さない。

大人組からの
値踏みする目線も甘んじて受けよう。

子供の方から蔑みと困惑は狩りにどう影響するかな?


まずジョルバン家が拠点となる砦を案内する。

移動で子供たちは駐屯地の案内がされ、
大人で打ち合わせをする。

ツァルト家が先導し森に入る。


狩りには新兵、自分のところの私兵を行動させる演習の意味もあるので
人数もなかなかだ。

進軍の最中

トベルタ家とヴェーネン家の補給や新しい魔導具を運用する
という流れになるらしい。

拠点まで行けば、子供たちだけで狩りに行き
交流を深めると。

流れで組むというのが冒険者なら良くある話だ


ついて行ってもらう
ヴェーネン家の戦略は冒険者パーティに依頼を出して参加だ。
魔導具の使用感、周りの反応を見てもらう。

おもにバリヤを展開する魔導具だ。
私には
状態異常に効くポーションを持たされている


今回森の浅いところで1人でも行けるくらいなんだが。

皆、心配らしい
ありがたいけど。


結局のところ、周りががんばる
接待討伐だな。


狩りの興味より初めて交流する貴族子息を観察することにした
セリュートだった。
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