上 下
26 / 98

5-5

しおりを挟む
ひっそりとした夜
既に使用人達は寝ている頃。

セリュートはこっそり
書庫に来た

まだ眠くはない。

すぅと手をかざすのは本棚
暗闇でタイトルは見えないが
なんの本だか覚えていた。

日がある間に書庫の本の把握をしていた。
整理する前にどんな本があるのか知っておきたかったからだ。


ここの本は、購入順に当主が”本棚にぶち込んである“
と聞いたら言葉の通り、順序良くとは言えないものの

揃えた本の意図は読める
整理と言えるのか?とは疑問だが。

正直、冒険者ギルドの資料のが見やすかった

取るだしやすさを参考に、
本を取る出せるようにしたいとセリュートは思う。
本を探し出すの大変だ。


ここの
魔導具の本を把握できれば
研究の理解もできる

まだわからないことだらけだ。
1冊読み切るのさえ難しい。

入り口から見えない箇所には
ごちゃごちゃな資料、メモ。

当主のスペースだったらしいそこに
埋まっていたのを見つけた。

『当主の手記』を手にした。


前当主の手帖は既に見ていた。
几帳面だったようで、整理された引き出しの中に

ガイサスおじさんに言っていたらしい。
書類に書くような、読まれることも想定した部分。
個人的な感情を書き綴る箇所もあった。

が読むのに苦労はしなかった。

けど、手に持つコレは違う。
書いたのは現在行方不明の当主。

残されていた資料と同じ筆跡の特徴。
手帖とは言いがたい、紙の束。

端が折られている紙は、書き殴られ
図式が並び、言葉が散らる。

ただ置いてあったコレが当主の手記とはおもわない。
メモに目を通していたからこそ気がついた。

(何か隠している?)

悪戯な印象と、魔導具への熱意を留めた資料。

それを
読む決心がついた。

”解読“と言い換えた方が良いかもしれない。

折り曲げられたり、インクで汚れた手で書いたとおもわれる

1ページまるっと図解だったり。


思いつき、飛ぶ思考
魔導具の興味に溢れていた。

人家をあぶり出すため、前当主父親の手帖の
生育記録と比べる。


『嫡男が1人兄弟なし

従兄弟あり

離婚、既に別の人と結婚。
関わりなし

父と子

筋力
おとなしい子に将来が心配


頭が良い
戦略ゲーム盤で鍛える

柔軟性
楽しみ

学園へ送り出す
嫁探しを推奨

自分の苦労を子にさっせない
後継を大事に

領主としての教育より先に
魔導具


作物の実り』


農業の方面で結果を出しているようだ。

対して『水魔法
その攻撃力のあげ方。』

当主自身の魔法の練度も高いらしい。

人となりは、

”わがまま
我慢がきかない人“と結論になった。

絵姿を見る。
(この人が”セリュート“の父親?母親はどんな人だ?)
恋愛も結婚もわからないが

書類仕事が得意とは思えない。


月明かりも移動して今は暗い。
そろそろ寝るか。

夜深くまで手記というには乱雑なものを辿った。

(これらは整理しないと
苦労するのは

次の当主だろうな。
それと補佐。

今のガイサスおじさんのポジション)


”環境を変える“
それがセリュートとしての初仕事だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

もう長くは生きられないので好きに行動したら、大好きな公爵令息に溺愛されました

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユリアは、8歳の時に両親を亡くして以降、叔父に引き取られたものの、厄介者として虐げられて生きてきた。さらにこの世界では命を削る魔法と言われている、治癒魔法も長年強要され続けてきた。 そのせいで体はボロボロ、髪も真っ白になり、老婆の様な見た目になってしまったユリア。家の外にも出してもらえず、メイド以下の生活を強いられてきた。まさに、この世の地獄を味わっているユリアだが、“どんな時でも笑顔を忘れないで”という亡き母の言葉を胸に、どんなに辛くても笑顔を絶やすことはない。 そんな辛い生活の中、15歳になったユリアは貴族学院に入学する日を心待ちにしていた。なぜなら、昔自分を助けてくれた公爵令息、ブラックに会えるからだ。 「どうせもう私は長くは生きられない。それなら、ブラック様との思い出を作りたい」 そんな思いで、意気揚々と貴族学院の入学式に向かったユリア。そこで久しぶりに、ブラックとの再会を果たした。相変わらず自分に優しくしてくれるブラックに、ユリアはどんどん惹かれていく。 かつての友人達とも再開し、楽しい学院生活をスタートさせたかのように見えたのだが… ※虐げられてきたユリアが、幸せを掴むまでのお話しです。 ザ・王道シンデレラストーリーが書きたくて書いてみました。 よろしくお願いしますm(__)m

女嫌いな辺境伯と歴史狂いの子爵令嬢の、どうしようもなくマイペースな婚姻

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「友好と借金の形に、辺境伯家に嫁いでくれ」  行き遅れの私・マリーリーフに、突然婚約話が持ち上がった。  相手は女嫌いに社交嫌いな若き辺境伯。子爵令嬢の私にはまたとない好条件ではあるけど、相手の人柄が心配……と普通は思うでしょう。  でも私はそんな事より、嫁げば他に時間を取られて大好きな歴史研究に没頭できない事の方が問題!  それでも互いの領地の友好と借金の形として仕方がなく嫁いだ先で、「家の事には何も手出し・口出しするな」と言われて……。  え、「何もしなくていい」?!  じゃあ私、今まで通り、歴史研究してていいの?!    こうして始まる結婚(ただの同居)生活が、普通なわけはなく……?  どうやらプライベートな時間はずっと剣を振っていたい旦那様と、ずっと歴史に浸っていたい私。  二人が歩み寄る日は、来るのか。  得意分野が文と武でかけ離れている二人だけど、マイペース過ぎるところは、どこか似ている?  意外とお似合いなのかもしれません。笑

公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。

木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。 時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。 「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」 「ほう?」 これは、ルリアと義理の家族の物語。 ※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。 ※同じ話を別視点でしている場合があります。

傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ

悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。 残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。 そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。 だがーー 月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。 やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。 それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。

勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

侯爵令嬢は弟の代わりに男として生きることを決めました。

さらさ
恋愛
ある時、自分のミスで双子の弟を失ったレティシアは代わりに自分が男(クリストファー)として生きて行くと決断する。 クリストファーが生きていると信じ、探そうとするレティシアと、そんな彼女が男だと思いながらも自然と惹かれ、苦悩する男達と、可愛い男だと思って自分のものにしようと寄ってくる男達との攻防の物語です。 ※作中にはBL表現も出てきます。 苦手な方はご遠慮下さいませm(_ _)m

そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?

氷雨そら
恋愛
 結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。  そしておそらく旦那様は理解した。  私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。  ――――でも、それだって理由はある。  前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。  しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。 「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。  そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。  お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!  かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。  小説家になろうにも掲載しています。

婚約破棄され、思わず第二王子を殴りとばしました~国外追放ですか!心から感謝いたします~

四季 葉
恋愛
男爵家の令嬢アメリアは、出世に興味のない医師の両親と幸せに暮らしていました。しかし両親を流行り病で亡くし、叔父が当主をつとめる侯爵家に引き取られます。 そこで好きでもない第二王子から一目惚れしたと言われ勝手に婚約者にされてしまい、 「アメリア、君との婚約を破棄する!運命の相手は別にいると僕は気がついたんだ」 散々自分のことを振り回しておきながら、勝手なことを抜かす第二王子に、普段はおとなしい彼女はついにキレてしまったのです。 「婚約破棄するなら、もっと早くできなかったんですか!!」 そうして身分を剥奪され国外追放となりますが、彼女にとっては願ってもない幸運だったのです。

処理中です...