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孤児院に数日間泊めてもらうことにしたセリュート。

セリと名前を言った。

“セリュート”だと、辺境貴族とバレそうだと思ったからだ。

名前からじゃなくてもバレるとは考えたものの、
隠し通せるとも思わないので誤魔化す一択にする。


日が昇るとともに目を覚まし、子供が数人同じベッドにいる
のを不思議に思いつつ、起きないようそっと起き上がった。

台所の方から音がする。
お祈りの時間から清めの掃除をしているらしく

邪魔にならないところで朝の日課をすることにした。


型を繰り返し、身体の状態を研ぎ澄ます。
少し固まった身体をほぐしながら朝日に照らされる。


今日は冒険者ギルドに行かないとな。
黙って出てきた自覚はあるが、戻りたくない気持ちが強い。

森で独りでいるのも禁止され
書庫にいるのも飽きた

塞がった気持ちに、少しの開放感を欲した。
家出という形で。

あの屋敷が自分の家かと言うのも疑問に思っているが
ちょっと楽しもうという気持ちのが大きい。

森には行ってない
という言い訳を盾にして。

朝食に子供たちを起こす声が聞こえ、合流して朝食のスープをいただいた。
後で串焼きを食おうとこっそり決心した。


早朝の時間をずらし、冒険者ギルドに
ゆっくり訪れた

早朝は依頼を受ける冒険者で混雑する。
子供が行けば人の波に流される。

ギルドで手紙を託し、
セリ1人ではなく連れ立ってきた

孤児院の3人に向きなおった。
またスライム狩りに出てしまう前に

アベル、イーナ、ウルスの3人に
ギルドで依頼をするというので、少々説教まがいのことを詰め込むことにした。

セリュートが教えてもらった、初心者の奢りと死傷者の話。
マルッと当てはまる現状の自覚を促すためだ。

薬草や手伝いの依頼の大切さを伝えた。
そこを踏まえて
討伐を受けるまでの準備の大切さを説く。

「今の装備じゃ死ぬ。」
「生きてる」

「スライム相手にしに行っても、ゴブリンとあったら?
「逃げる」

「幸運でアベルが生き残っても
一緒にいる子が、同行者が巻き込まれる。」

ぐっと悔しそうな表情だが言い込める
「一発くらっても動ける装備と、殺せる腕が立つまで町の依頼が順当だ」

掃除や買い物、店の手伝い依頼のことだった。

「かっこ悪いじゃん」
冒険者というより何でも屋の仕事と蔑まれるが
命のやり取りがない堅実な依頼だ。


「それで、食卓に肉はあるのか?」
論破した。

町の中で体力の向上や注意力、何を必要とされてるか
考えることを教え
条件が揃ってから出ることを約束させる


町の依頼を受けながら、薬草採取に出られるよう勉強の仕方を教える。

そんな講義をしたら、なぜか他の子も聞いていた。

町の子らしい
効率が悪いし、危険が大きい。

「セリは?狩り行ってるじゃないか!」

「私は森の歩き方を狩人から習っている。弓矢とナイフで討伐もできる。
それでも独りでは準備を怠ってない。」

ポーション、毒、痺れ取りの薬
情報収集は欠かしてしいない。

薬草と毒草の見分け方と魔力の使い方も習っている

「ずりい!」確かに貴族のツテと財力を使ったが、

「ここでも習えるぞ?」似た内容を無料で講義が受けられる。
「「え!?」」

ウルスは知っていたらしい。

口で伝えられる事は
自信を持って言えた。

町での依頼に、どう言った点を気にしてみろと助言まがいのことをして
3人を送り出し

セリは森へ
教会の孤児院へ肉の提供をすることに決めた。

干し肉の蓄えができるくらいに。

採取と今日は鳥の魔物を狙い撃つ。

討伐証明をして早いうちに孤児院へ帰る。


保存食の料理方法を教わったりして
野菜も食べさせようとシスターの料理の手伝いをして過ごしたのだった。
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