【完結済み】当主代理ですが、実父に会った記憶がありません。

4-2

森に行くのを禁止され
鍛錬と書庫に通う日々に飽きがきた

気の向くまま、町に来たが
帰りたくない。

家出か？

その言葉に、しっくりくるものがっあった。


思いつき、気持ちのままの行動に
計画性などなく


まだ守られる年齢の子供が、得られる宿は
教会の孤児院らしい。

家から
寄付はしているらしいが、実際入るのが初めてだ。

礼拝から帰る人を見送り、中に入る。

清潔で
白い

ステンドグラスが
精霊を祀り、神への感謝を祈りをこめて

「冒険者ギルドマスターからのお届け物をお持ちしました。」

丁寧な言葉を心掛ける

初心者向けの仕事は、頼まれごとが多いと聞く。
冒険者になったみたいだと可笑しくなった。

「おや、ありがとうございます。中を確認しますね？」

メモに目を落とす


これは、謀られたと言うべきか。

頼む前に、
打診されたらしい。

今宵の宿をお願いできますか？

少々、劇の配役のような台詞回しをする。

「ええ。精霊のお導きでしょう。」

孤児院に案内された。


シスターは料理に取り掛かるところだった

「お手伝いできますか？」と一宿お世話になるので尋ねる。

「あらあら嬉しいこと！でもね、入れて煮るだけよ。」
やんわり断りがある。

材料を見れば…
(肉がない、か。)

とってくるか。と行動を決める。
料理の手伝いより重要課題だ。

「狩りに行ってきます」弓矢もあるし、狩場も近い。

「まだ小さいのに、無理しなくて良いのよ？」

そのシスターの言葉に、面食らう。

(そうかまだ小さいんだな)と何か笑える気分になる。
いっぱしの人間だと思っていたのか？

周りが大人ばかりで、わからなくなっている。

私は、
狩りができるとも思われない。小さな子供らしい。

「肉が増やせるかも」と笑って言う。

今から夕暮れまで、少なくとも一角うさぎくらい狩れるだろう。
そうなれば、肉の入ったスープができる。

「期待しないで待っててください」
冗談まじりにシスターに言い、林に向かった。

馬は置いていく


ぐっぐと
足の疲れ具合を確かめる

街道沿い
林を抜けて、草原へ行こう。

ハーブも採取できると良いな～。
飲み物に入れたい。


そんな調子で、軽く走って向かった。



(2匹目！)

林で採取した草を吊るした木の近く
現れた、角うさぎを矢で仕留めた。

林で見つけた1匹と平原で、

もう1匹狙うかと考えた時、遠くの人影に気づく。
3人

冒険者？

スライム狩りをしているらしい
初級の冒険者


装備もそれほどしっかりないようで、木の棒を振り回す。

同じスライムを狙う小さな鳥の魔物
横取りする気なそいつを

撃ち落とした。

「うぉ！？」
落ちてきた鳥にオーバーに驚く男の子。

スライムは他の子が止めを刺したらしい。
魔核をとっている。

理由を話し、2人の感謝と、「余計なことを！」という言葉をもらった。
まあ、予想通り。

別れようと思ったが、
「「帰り路を一緒に！」」と誘われ

話をしたくなって承諾した。
今日世話になる、孤児院の子らしいとわかる。

一緒に向かう中、話を聞き出す。

10歳になった3人で
冒険者登録をしたばかりらしい。

採取や依頼に飽きて
スライム狩り、討伐にきたと。

棍棒、ナイフは採取用で攻撃には向かない
防具はないに等しい。準備不足を体現している。

しかし、
自分の持つ装備の良さを知った。

矢もタダではない。
自分が恵まれているとは、確かにそうなのか。


町につき、ギルドに向かった

欲しかったハーブはあり、獲物も3体ある。
解体は自分でしようと思ったが

2人が解体がしたい！と立候補。
これも経験と、ギルドの人に解体場を借りて教えを受けながら
なんとかやっていた。

1匹はセリが綺麗に解体した。
鳥の魔物はそのまま売り、そのお金で低級ポーションを買った。

夕暮れの中、シスターの待つ台所へ
足を速めたのだった。