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ファーストコンタクト
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“狂犬と恐れられている男がいる。”
騎士を束ねるお父様を見に、観覧席でもその噂を聞いた。
お母様は、私をこの場に連れて行くのに難色を示した。
『獣どもが可愛い我が子に懸想したらどうするの?』
従者の騎士もやんわり止めていたけど。
私が剣の音で驚くとでも思ったのかしら?
ハイハイする前にはおもちゃの剣を振り、家にある訓練所から剣戟の音を聞いても寝る子だったらしいわ。
幼い娘に懸想する人をお父様は、我が家の騎士に雇わないと思う。
「たぶんそうなったら、騎士をやめることになるわね。」
私の言葉で注目を集め、
「お父様のカッコいいお姿を見たいわ」と言えば、お出かけは決まった。
騎士達が入場する。
やっと家でも噂になっている、狂犬を見れるらしい。
私ははしたなくならない程度に前に出た。
観覧席の人達の視線を追うと居たのは。
少年だ。周りの騎士と背の高さが随分と違う
その印象から、その強さに目が惹きつけられる
孤独の色の濃さも。
私は一歩踏みだす事にした。
狂犬へ近づいた距離に、危険だと思う?
お母様から剣を学んでいて覚えた。
『踏み込むこと、よく見る事。』
彼は怯んだ。私のような非力な相手に。
だから私は、彼に微笑んで近づいたのだった。
騎士を束ねるお父様を見に、観覧席でもその噂を聞いた。
お母様は、私をこの場に連れて行くのに難色を示した。
『獣どもが可愛い我が子に懸想したらどうするの?』
従者の騎士もやんわり止めていたけど。
私が剣の音で驚くとでも思ったのかしら?
ハイハイする前にはおもちゃの剣を振り、家にある訓練所から剣戟の音を聞いても寝る子だったらしいわ。
幼い娘に懸想する人をお父様は、我が家の騎士に雇わないと思う。
「たぶんそうなったら、騎士をやめることになるわね。」
私の言葉で注目を集め、
「お父様のカッコいいお姿を見たいわ」と言えば、お出かけは決まった。
騎士達が入場する。
やっと家でも噂になっている、狂犬を見れるらしい。
私ははしたなくならない程度に前に出た。
観覧席の人達の視線を追うと居たのは。
少年だ。周りの騎士と背の高さが随分と違う
その印象から、その強さに目が惹きつけられる
孤独の色の濃さも。
私は一歩踏みだす事にした。
狂犬へ近づいた距離に、危険だと思う?
お母様から剣を学んでいて覚えた。
『踏み込むこと、よく見る事。』
彼は怯んだ。私のような非力な相手に。
だから私は、彼に微笑んで近づいたのだった。
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