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子ども

<お城のこと>

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きょく北の城は、暖かい場所です。

明るく、広く

お肉をいっぱい食べました。

おいしく、お腹いっぱい食べれます。


「見事に良いことばかりですね」
珍しく報告会で発言する兎獣人が首を傾げるのにつられて、長い耳が揺れる。

アラを探したかったんだろうか?
腹黒い男をスルーして狼獣人は、報告が終わったので座った。

「なぁこれって逆に、

“寒くて狭い場所に居て
肉が食えない環境だ”ってこと?」


「ワザとそう訴える文か?」


作為的だったと考える意見に

「子供がそんな」「悪知恵がきくのか?」


ザワザワと憶測が飛び交う報告会。

セリと竜人の動向は、注目の的だ。
竜人の強さや珍しさで、獣人の本能としても気になるのに。


大型の魔獣を屠る強さ
つがいを得た幸運

その変貌

それが破滅へと転じる可能性が全くないと言えない。

「知識が高い子どもか?」「字は書けないようだが」
「あの話し方だ。大人びているな。」

「やはり危険な思想を植え付けられているだろうか。」
「うちの国に食えないような集落。まあまああるな。」

育った場所の断定はできず、
他の調査でもセリが所属していたと思われる孤児院は、該当する場所がない。



「まだ問いかけの答えは1枚だけだ。他にも聞いてみることにしよう。」

そうして次の報告が仕切り直しで続けられたのだった。





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