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日常のふみ

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寝る毎日を過ごしていた。
取れる手段は寝ることだけ。

やれる事は、本を読むこと。それは趣味であり
好きなことと没頭した。

時たま、読み過ぎて日を跨いでも充足感に酔った。
その間、今の状況に悲観もあったし、足掻こうと思った。

けど、活動時間と集中力が続かないと物事というのは進まないようだ。

椅子に座っても手が進まず、考えもまとまらない。
この体調不良を乗り切ることに集中した。

何が1番大事か?自分のことで良いと結論付けた。

その間の、「バイトでもしたら?」や「遊ぼうよ!」と誘いを受けて
「体調が悪いから」しか言えない私も嫌になった。

本に逃げ込む。それもできない時は、ウサギを抱きしめて猫になる。
こんこんと寝る。考えても悪い方にしかいかないなら考えなくて良い。

何ヶ月か経って、半分諦めたような慣れも出てきた頃。


何を思ったか、症状を全部入れて検索してみた。

症状を全部詰め込んで、最初にあるものは。
結局鬱なのかと不服な、納得しづらいものがあったけど、あることを思い出した。
最近読んだ本だった。

“大人の発達障害”という名の知識をビジネスサイトから仕入れて、専門家の本を読んでいた。やはり図書館に通うのは辞めていなかった。きっかけはちょっとした興味、『発達障害の人との付き合い方とは?』な本の延長で読んだ本。その心当たりと鬱の関係。

繋がりを知った。
心は、それに納得した。

時間をかけて癒えていると思うのに、治らない症状。他にどこか悪いのかとも疑うも該当がない。
精神磨耗ではなく、二時障害だったら?

それは魅力的に聞こえた。魅力という言葉はおかしいのはわかる。けど、ぴったりというかそうであればピースがハマるほど、ぴったり来た。自己診断の域をでないそれに。

______ひどく安心した。これで輪郭がわかるかもしれない。違うと言われても。


それで?
また寝よう。今度出掛けられる時は、うさぎの頭を撫でて行ってきますと出ていけば良い。
帰ったらまた、猫になるけど。

答え合わせはまだできない。合っていなかったら次はどうすれば良いのか?と不安に暴れたくなる。その時はウサギに当たるかもしれない。柔らかいボディは言葉を発さずに、もどかしさを受け止めててくれるから。甘えに甘えて自分を大事にする。ただ甘やかしているんじゃないと言い訳めいた感じもあるけど、私は猫になる。ゆっくり寝て、食事を摂り、気ままに生きてのんびり過ごす。


これが私のうさぎに尋ねて、猫になった日々。
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