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真実の言葉
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「王子様
私 バラライカ侯爵が娘、キャスリーンは
エリカに謝ることなどありませんわ!」
堂々とした発言に王子は、反発する
「ここで謝れないのか!?」
「何一つ謝る必要性を見出せません。」
キャスリーンのその返答に、
ざわざわと周りが騒ぐ
「強情だな」「謝ればいいのに」「面の皮が厚いのよ」
ちょっと!メイクのことディスってるでしょ!?
祝いの場なんだからこのくらいフツーよ。
まったく…。
何に謝っているかわからない謝罪なんて無意味でしょうに。
「いじめを認めないのだな?反論を認める。申してみろ」
今更、申してみろだなんて王様の真似しちゃって。まあ、王子からの命令か。
少し逡巡しながら話し出す
「まず教材のことですが、」
彼女、エリカを見た。彼女の家庭の事情をこの場で話すこと
申し訳なく思う。
しかし、コクリと頷いて了承してくれる。
私は婚約者としてキリっと、王子を見据えて諌めるため話を進める。
「彼女の負担を考え、教材を購入するのではなく
予備を使う方法を勧めたのです。
予備を使い続けるのも“ダメ”なので、図書館での貸出も利用すると良いと話をしました。
・・これが、意地悪でしょうか?」
彼女の途中からの編入は、ご実家の金銭的な事情だ。
急な病に倒れたお身内の看護と金策が入学時期と重なって、大変だったとか。
お家の事情をこんな公の場で喋らせるなんて
王子としてどうなの?
「な、なら買ってやれば良いではないか!」
「無償で与えるのですか?この学園は社交の場の意味もあるのです。
借りを作れば
他の思惑を含ませてしまいます。」
周りの卒業生たちの意見は、この対応を間違ってはいないと思われていた。
“貴族の富めるものは施しを与える”という考えもあるが、下級とはいえ貴族。
貴族同士のことだ。
学園の中、学生としても問題ないのでは?という意見が占めていた。
「オマエは、彼女を侮辱しただろう。」
「あ!あれは・・・」と近い場所から声がした。
エリカの声だ。当事者として黙っていられなかったのだろう。
けど、今のは王子に対して不敬になりそう?けれど…
「どうした?」と気にしていないように続きを促す。むむむ。
エリカが俯いてうなだれているので、端的に答えた。
「彼女を侮辱していません。ちょとした注意をしたのです」
「彼女を教室に連れ込んだと聞いたが?」と横から商人さんの声が。
ニヤリと笑っているところから
理由はわかっているでしょう?
彼女のドレスには
タグがついていたのです。
彼女が慌ててとろうとする様が少々おかしなことになり、笑いがおこってしまったけど。
最終的に別室に連れて行って、ドレスを着直したのです。
殿方に言ってどうしますの?
エリカが恥ずかしい思いをしますでしょう。
商人さんのところで買ったドレスだったと宣伝したいんですの?
後でこっそり噂に加えてくださいな。・・言われずともやりそうですね。
お茶会でも替えのドレスが貴方のとこのものだったわ。
後で教えてさしあげようかしら。まあなぜお茶がかかってしまったかは言えないけど。
ここは、話をそらしましょう。いや、私の本番の始まりかしら?
「それより王子様、
あなたの方がヒドイのではなくて?」
バチリッと気合十分に扇を閉じた。
反撃の時間です
私 バラライカ侯爵が娘、キャスリーンは
エリカに謝ることなどありませんわ!」
堂々とした発言に王子は、反発する
「ここで謝れないのか!?」
「何一つ謝る必要性を見出せません。」
キャスリーンのその返答に、
ざわざわと周りが騒ぐ
「強情だな」「謝ればいいのに」「面の皮が厚いのよ」
ちょっと!メイクのことディスってるでしょ!?
祝いの場なんだからこのくらいフツーよ。
まったく…。
何に謝っているかわからない謝罪なんて無意味でしょうに。
「いじめを認めないのだな?反論を認める。申してみろ」
今更、申してみろだなんて王様の真似しちゃって。まあ、王子からの命令か。
少し逡巡しながら話し出す
「まず教材のことですが、」
彼女、エリカを見た。彼女の家庭の事情をこの場で話すこと
申し訳なく思う。
しかし、コクリと頷いて了承してくれる。
私は婚約者としてキリっと、王子を見据えて諌めるため話を進める。
「彼女の負担を考え、教材を購入するのではなく
予備を使う方法を勧めたのです。
予備を使い続けるのも“ダメ”なので、図書館での貸出も利用すると良いと話をしました。
・・これが、意地悪でしょうか?」
彼女の途中からの編入は、ご実家の金銭的な事情だ。
急な病に倒れたお身内の看護と金策が入学時期と重なって、大変だったとか。
お家の事情をこんな公の場で喋らせるなんて
王子としてどうなの?
「な、なら買ってやれば良いではないか!」
「無償で与えるのですか?この学園は社交の場の意味もあるのです。
借りを作れば
他の思惑を含ませてしまいます。」
周りの卒業生たちの意見は、この対応を間違ってはいないと思われていた。
“貴族の富めるものは施しを与える”という考えもあるが、下級とはいえ貴族。
貴族同士のことだ。
学園の中、学生としても問題ないのでは?という意見が占めていた。
「オマエは、彼女を侮辱しただろう。」
「あ!あれは・・・」と近い場所から声がした。
エリカの声だ。当事者として黙っていられなかったのだろう。
けど、今のは王子に対して不敬になりそう?けれど…
「どうした?」と気にしていないように続きを促す。むむむ。
エリカが俯いてうなだれているので、端的に答えた。
「彼女を侮辱していません。ちょとした注意をしたのです」
「彼女を教室に連れ込んだと聞いたが?」と横から商人さんの声が。
ニヤリと笑っているところから
理由はわかっているでしょう?
彼女のドレスには
タグがついていたのです。
彼女が慌ててとろうとする様が少々おかしなことになり、笑いがおこってしまったけど。
最終的に別室に連れて行って、ドレスを着直したのです。
殿方に言ってどうしますの?
エリカが恥ずかしい思いをしますでしょう。
商人さんのところで買ったドレスだったと宣伝したいんですの?
後でこっそり噂に加えてくださいな。・・言われずともやりそうですね。
お茶会でも替えのドレスが貴方のとこのものだったわ。
後で教えてさしあげようかしら。まあなぜお茶がかかってしまったかは言えないけど。
ここは、話をそらしましょう。いや、私の本番の始まりかしら?
「それより王子様、
あなたの方がヒドイのではなくて?」
バチリッと気合十分に扇を閉じた。
反撃の時間です
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