【完結済み】王子への断罪 〜ヒロインよりも酷いんだけど!〜

BBやっこ

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断罪の舞台

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皆さまはじめまして。
今、私は卒業パーティーの舞台に立ちました。

舞台と言うのは比喩的表現としたかったのですが、
御察しの方もいらっしゃるでしょう、

今から断罪がはじまるのです。
卒業という晴れやかな舞台で
煌びやかな装飾とおめでたい雰囲気を

物々しい雰囲気を醸し出す一団が
階段の上から登場し、踏ん反り返って中心人物が声を上げた。

正義の時間だ!

ーーー

この国の王子であり、今はまだ婚約者が話し続ける。
「私の愛らしいエリカをいじめた!

侯爵令嬢として恥ずかしい数々をここで白日のものに晒してやる!」


(はあ。)とため息を隠すように扇を広げました。

補足するとエリカさんは子爵家の養子として途中から
学校に編入してきて、皆より出遅れたものの
勤勉な態度で学生生活をおくり、卒業を迎えた方です。

その彼女は、王子に手首を掴まれていて
涙目ですね。

勢いに負けて、引っ張られてきたのでしょう。
不敬にならないよう必死に落ち着こうとしていて何とも…。
…足がガクブルして子鹿のよう。

王子と彼女の周りに
騎士、聖職者、商人、の若輩者たち
卒業生の取り巻きメンバーと従者が移動してきました。

おっと、低くて見えなかったけど弟が存在している。
野次馬にきたなアレは。

全員揃いぶみなようなので、ゆったりと返答した。
「お聴き、しましょう?」

ーーー
またこの王子は何を始めようと言うのか。
残念と言うか、痛い人というか。


「オマエの行動は婚約者として恥ずかしい!
婚約破棄も考えなければならないと思うくらいだ。」

その台詞に少し既視感を覚えたが、王子は続ける。

「オマエは彼女の教材一式をダメにし、
身分が下だと言い、着ているものが似合わないと笑い者にしたそうだな。
クラスの数人が証人になる、言い逃れはできないぞ!」

証人がいるようだが、事実とは言えないことになっている。
「事実ではありませんわ」としれっと口を挟んだ。

「まだあるぞ!
お茶会で笑い者にし、エリカは紅茶をかけられたそうだな。
オマエが主催のお茶会だ責任は逃れられん。」

確かにそんなことはあった。だが、断罪材料にはならない。

「王子様。そのお茶会の状況を誰か話しましたか?」

「ふん オマエが口止めをしたのだろう。誰も内容を喋らない。」

そうだろう。あの内容を王子に話すのは躊躇われる。
反論するには、真実を突きつければいい。

「まったく、エリカのように実直な心で謝れ。そしたら軽い罪で済ませてやる。」


実直ね。
黙っていても終わらないか。ならもう
飛び火しても知るもんか!
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